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後縦靱帯骨化症こうじゅうじんたいこっかしょう(OPLL)を知る

背骨の中の靱帯じんたいが骨に変わり、脊髄せきずいを圧迫する ― 日本人に特に多い難病なんびょう。転倒が命取りになる病気

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女神アテナ
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OPLLってどんな病気?

🦴 背骨の中の靱帯じんたいが「骨」に変わってしまう病気

後縦靱帯骨化症こうじゅうじんたいこっかしょう(OPLL)は、脊椎せきつい(背骨)の椎体ついたい後面を上下に走る後縦靱帯こうじゅうじんたいが何らかの原因で骨に変化(骨化こっかする病気です。

骨化した靱帯じんたい脊柱管せきちゅうかんの中で大きくなり、脊髄せきずい神経根しんけいこんを圧迫することで、手足のしびれ・運動障害・排尿はいにょう障害などさまざまな神経症状を引き起こします。

正常な靱帯は弾力性のある「すじ」ですが、OPLLではこれが硬い「骨」に変わってしまい、しかも脊髄のすぐ前で大きくなるため、神経の通り道を塞いでしまいます。

🦴 トンネルの壁が内側にせり出してくる病気

背骨の中にはトンネルがあって、その中を「脊髄」っていう超大事な電線の束が通ってる。トンネルの壁に貼りついてるゴムバンドみたいなもの(靱帯)が、なぜか石みたいに硬い骨に変わっちゃう

石になったゴムバンドがどんどん分厚くなって、トンネルがどんどん狭くなって、中の電線(脊髄)がギュウギュウに押しつぶされていく。だから手がしびれたり、足が動かなくなったりする。

イメージは「水道管の中にサビがたまって水が流れなくなる」のに近い。管は水道管じゃなくて神経の通り道、サビは骨化した靱帯ってこと。

📊 患者数

特定疾患とくていしっかん医療受給者証の保持者は約39,000人。X線上の骨化率は一般成人で約3%(症状がない人も含む)。50歳前後に発症はっしょうが多い。

🇯🇵 日本人に多い

日本人の有病率ゆうびょうりつは世界トップクラス。欧米の2〜3倍以上。遺伝的素因いでんてきそいんが強く関与し、家族内発症も約30%に見られる。

👥 男性に多い

男女比は約2:1で男性に多い。ただし女性でも発症する。糖尿病とうにょうびょう肥満ひまんとの関連も指摘されている。

📊 何人くらい?

国のお墨付きで治療してる人だけで約4万人。レントゲン撮ったら骨化が見えるだけの人は100人に3人。50歳くらいから要注意。

🇯🇵 世界一日本人がなる

欧米人の2〜3倍なりやすい。これは遺伝のせいで、お父さんやお兄ちゃんがOPLLだったら自分も3割の確率でなる

👥 男性2倍

男のほうが女の2倍なりやすい。あと糖尿病の人や太ってる人はリスクUP。

後縦靱帯こうじゅうじんたいってどこにある?

🔬 脊柱管せきちゅうかんの「前壁」を構成する靱帯じんたい

背骨(脊椎せきつい)は積み木のように積み重なった椎骨ついこつと、それらを繋ぐ靱帯・椎間板ついかんばんで構成されています。椎骨の中央には脊柱管というトンネルがあり、この中を脊髄せきずいが通っています。

後縦靱帯椎体ついたいの後面(脊柱管の前壁側)を頭蓋骨ずがいこつから仙骨せんこつまで縦に走る靱帯です。つまり脊髄のすぐ前にあるため、ここが骨化して厚くなると脊髄を直接圧迫してしまいます。

ちなみに椎体の前面を走るのが前縦靱帯ぜんじゅうじんたい椎弓ついきゅうの内面にあるのが黄色靱帯おうしょくじんたいです。黄色靱帯も骨化することがあり(黄色靱帯骨化症)、OPLLと合併することがあります。

🔬 場所が最悪。神経のすぐ前にある

背骨って、積み木みたいな骨が縦に並んでるよね。その積み木の真ん中にトンネル(脊柱管)が空いてて、そこを脳と体をつなぐ超重要な電線(脊髄)が通ってる。

後縦靱帯は、そのトンネルの「前の壁」にベタッと貼りついてるテープみたいなもの。つまり電線のすぐ目の前にある。ここが骨になると、壁がせり出して電線を直接つぶしにかかる。場所が悪すぎる。

ちなみにトンネルの後ろの壁には「黄色靱帯」っていう別のテープがある。こっちも骨化することがあって、前からも後ろからも同時につぶされることもある。最悪のダブルパンチ。

🔎 靱帯じんたいの位置関係(前→後ろの順)

前縦靱帯ぜんじゅうじんたい椎体ついたいの前面)
椎体(骨本体)
後縦靱帯こうじゅうじんたい(椎体の後面 = 脊柱管せきちゅうかんの前壁)← ここが骨化!
脊髄せきずい(神経の束)
黄色靱帯おうしょくじんたい椎弓ついきゅうの内面 = 脊柱管の後壁)

📝 国試ポイント

後縦靱帯は脊髄の「前」にある → 骨化すると脊髄を前から圧迫
黄色靱帯骨化症との合併がある(黄色靱帯は脊髄の後ろ側)
・前縦靱帯の骨化もあるが、脊柱管の外側なので脊髄圧迫は起こさない

骨化の4つのタイプ

📂 骨化の形や広がり方で分類される

OPLLは骨化の形態によって4つのタイプに分けられます。タイプによって圧迫の範囲や治療方針が異なります。

📂 「サビ」のつき方が4パターン

さっきの水道管のサビの例えで言うと、サビがべったり長くつくのか、ところどころポツポツつくのかで分類する。べったりのほうが当然ヤバい。

連続型れんぞくがた(Continuous)

後縦靱帯こうじゅうじんたい複数の椎体ついたいにまたがって連続的に骨化するタイプ。広い範囲で脊髄せきずいを圧迫するため、症状が重くなりやすい。

重症度
高い

分節型ぶんせつがた(Segmental)

骨化が飛び飛びに複数箇所で起こるタイプ。各骨化部位が局所的に脊髄を圧迫する。

重症度
中程度

混合型こんごうがた(Mixed)

連続型と分節型が組み合わさったタイプ。一部は連続的に、別の部分では飛び飛びに骨化が見られる。

重症度
やや高い

限局型げんきょくがた(Localized)

骨化が1〜2椎体ついたいレベルに限定されるタイプ。圧迫範囲が限られるため比較的軽症のことが多い。

重症度
比較的低い

どこの背骨に多い?

📍 頸椎けいつい(首)が圧倒的に多い

OPLLは脊椎せきついのどこにでも起こりえますが、頸椎(首の骨)が最も多く、全体の約70%を占めます。首は最も動きが大きい部分であり、後縦靱帯への力学的ストレスが大きいためと考えられています。

胸椎きょうついにも起こることがあり、まれ腰椎ようついにも見られます。複数部位に同時に骨化が見られることもあります。

📍 首が7割。なぜかというと...

首って、1日に何百回も動かすよね。うなずく、振り向く、上を見る。背骨の中で一番よく動く部分。だからそこの靱帯に一番負担がかかって、骨化しやすい。

しかも首の脊髄って手も足も全部コントロールしてる司令塔だから、ここがやられると体全体に影響が出る。胸や腰にも出ることはあるけど、首が圧倒的にヤバい。

頸椎けいつい
C1〜C7
約70% ★最多
胸椎きょうつい
T1〜T12
約15%
腰椎ようつい
L1〜L5
まれ
部位主な症状特徴
頸椎けいつい手のしびれ、巧緻運動障害こうちうんどうしょうがい(箸・ボタン)、歩行障害、排尿障害はいにょうしょうがい最も多い。四肢ししすべてに影響が出る可能性
胸椎きょうつい下肢かしのしびれ・脱力、体幹たいかんの感覚障害上肢じょうしは正常で下肢のみに症状が出る
腰椎ようつい下肢痛、間欠性跛行かんけつせいはこう非常にまれ。腰部脊柱管狭窄症せきちゅうかんきょうさくしょうとの鑑別かんべつが必要

📝 国試ポイント

・OPLLは頸椎けいついに最も多い(約70%)
・頸椎OPLLでは上肢じょうし(手)から症状が始まることが多い
・頸椎は脊髄せきずいレベルのため、手足すべてに影響が出うる

症状はどう進む?

📈 ゆっくり進むが、転倒で一気に悪化する

OPLLの症状進行は一般的に緩徐かんじょ(ゆっくり)です。約75%の患者は数年経っても症状が大きく変化しません。しかし約25%は自然経過で徐々に悪化します。

最も注意すべきは転倒などの軽い外傷がいしょうをきっかけに症状が急激に悪化すること。健常者なら軽いむち打ちで済む衝撃でも、OPLL患者では重篤じゅうとく脊髄損傷せきずいそんしょうを起こすことがあります。

📈 普段はスロー。でも転んだら一発で人生が変わる

この病気、普段は「あれ、なんか手がしびれるな...」くらいでゆーっくり進む。4人に3人は何年たってもほぼ変わらない。

でも怖いのは「転んだ瞬間に一気に重症化する」こと。普通の人が転んで「いてて」で済む衝撃でも、OPLLの人は脊髄がつぶれて車椅子生活になることがある。すでにトンネルが狭くなってるから、ちょっとの衝撃で電線(脊髄)が骨化部分にぶつかって断線する。

地雷を踏むまでは大丈夫だけど、踏んだら終わり...みたいな病気。だから「転ばせない」が一番大事。

初期症状

・首や肩の痛み、こり
・手指のしびれ(片側から始まることが多い)
・手指の感覚がにぶくなる

進行期の症状

巧緻運動障害こうちうんどうしょうがい:箸が使いにくい、ボタンが留められない、字が書きにくい
・両手のしびれに広がる
・足のしびれ・こわばり
・歩行時のふらつき(痙性歩行けいせいほこう

重症期の症状

歩行困難(杖・車椅子が必要)
排尿障害はいにょうしょうがい頻尿ひんにょう残尿感ざんにょうかん尿閉にょうへい
・排便障害(便秘)
・手指の運動障害が高度こうどに(握力あくりょく低下)

⚠️ 最重要:転倒による急性悪化

OPLL患者の約20%は転倒などの軽い外傷をきっかけに症状が急激に悪化します。すでに脊柱管せきちゅうかんが狭くなっている状態で衝撃が加わると、脊髄が骨化部位にぶつかり損傷します。「転ばない環境づくり」が最重要のケアです。

巧緻運動障害こうちうんどうしょうがい ― 手の細かい動きの困難

「手が不器用になる」がOPLLの代表的な訴え

頸椎けいついOPLLで脊髄せきずいが圧迫されると、手指の細かい動き(巧緻運動こうちうんどうが障害されます。これは頸椎症性脊髄症けいついしょうせいせきずいしょうと共通する特徴で、日常生活の自立度に大きく影響します。

患者さんの多くは「最近手が不器用になった」「物を落とす」と訴えます。これは筋力低下だけでなく、脊髄レベルでの運動制御の障害が原因です。

ある日突然、お箸が持てなくなる恐怖

脳から手への命令って、首の脊髄を必ず通る。ここがつぶれると、脳が「箸を動かせ!」って言っても信号が手まで届かない。

力は残ってるのに細かいコントロールができなくなる。ゲームのコントローラーで例えるなら、ボタンは押せるけどスティックが壊れて微調整できない感じ。だから「力があるのに箸が使えない」っていう不思議な状態になる。

これが「巧緻運動障害」。漢字は難しいけど、要は「手先が不器用になる」ってこと。

🥢
箸が使えない
細かいものをつまめない。スプーンやフォークへの切り替えを検討
👔
ボタンが留められない
ボタンエイドやマジックテープ式の衣類が有効
✍️
字が書きにくい
太軸のペン、グリップ補助具で対応。署名の練習も大切
🪥
歯磨き・整容せいようが困難
電動歯ブラシ、太柄の歯ブラシ、自助具じじょぐの活用
🥢
箸がつかめない
スプーンやフォークに変えてOK。無理に箸を使わせない
👔
ボタンが地獄
マジックテープの服に変える。ボタンエイドって便利な道具もある
✍️
字がミミズ
太くて持ちやすいペンに。グリップ補助具で指の負担を減らす
🪥
歯磨きもつらい
電動歯ブラシが神。柄が太いタイプを選ぶ

🔎 10秒テスト(grip and release test)

両手をパーに開いてグーパーを10秒間に何回できるか数える簡易テスト。20回未満脊髄症せきずいしょうを疑います。介護現場でも簡易的に使える評価法です。

なぜ靱帯じんたいが骨化するのか

🧬 原因不明 ― 遺伝いでん+環境+全身疾患ぜんしんしっかんの複合

OPLLの正確な原因はまだ完全には解明されていません遺伝的素因いでんてきそいん、全身的要因、局所的要因が複合的に関与すると考えられています。

特に遺伝的要因が強く、OPLL患者の兄弟にX線上のOPLLが見つかる割合は約30%と高率です。日本人に多いのも遺伝的背景が関与しています。

🧬 「なんでなるの?」→ 正直、まだよくわからない

医学が発達しても「なんで靱帯が骨になるのか」はまだ完全には解明されてない。でもわかっていることはある:

遺伝がデカい。親兄弟にOPLLの人がいたら30%の確率で自分にもある。日本人に多いのも遺伝子レベルの話。

糖尿病と肥満がリスクを上げる。カルシウムの代謝がおかしくなることも関係してるっぽい。あとは首への慢性的な負担。でも「これが原因!」とは言い切れない。いろんな要素が重なって発症する。

🧬 遺伝的要因いでんてきよういん

・家族内発症率約30%
・日本人・東アジア人に多い
・複数の関連遺伝子が報告されている
・HLA抗原こうげんとの関連

🏥 全身的要因

糖尿病とうにょうびょう(最も強い関連)
肥満ひまん・メタボリック症候群
・カルシウム代謝異常たいしゃいじょう
成長せいちょうホルモン異常
・加齢による退行性変化たいこうせいへんか

⚡ 局所的要因

頸椎けいついへの繰り返しの力学的ストレス
椎間板ついかんばん変性へんせい
・慢性的な外傷
・長時間のデスクワーク

🧬 遺伝が一番デカい

家族にいたら自分も3割でアウト。日本人に多いのも遺伝子のせい。「運」の要素もある。

🏥 糖尿病&肥満

糖尿病持ちの人にめちゃ多い。太ってる人もリスクUP。カルシウムの代謝がバグるのも関係してる。

⚡ 首の酷使

首をよく使う仕事、デスクワーク、スマホ首...直接の原因かはわからないけど、首への負担は確実に良くない。

どうやって見つける?

🔍 X線 → CT → MRI の3ステップ

OPLLの診断は画像検査がぞうけんさが中心です。X線で疑い、CTで骨化の形状を確認し、MRIで脊髄せきずいの圧迫程度を評価します。

🔍 「撮って見る」のが基本。3段階で精度UP

血液検査とかじゃ見つからない。写真を撮って「骨化があるかどうか見る」のが診断の基本。まずレントゲンで「なんかあるぞ?」→CTで「どんな形?」→MRIで「神経どれくらいやられてる?」の3段階。

検査何がわかるか特徴
X線
(レントゲン)
骨化の有無をスクリーニング最初の検査。側面像で椎体ついたい後面の骨化像を確認。ただし見逃しもある
CT骨化の範囲・大きさ・形態の詳細骨化の評価に最も優れる。断面図で脊柱管せきちゅうかん内の占拠率せんきょりつがわかる
MRI脊髄の圧迫程度・脊髄の変性へんせい脊髄への影響の評価に最も優れる。骨化自体は低信号で見えにくい

🔎 脊柱管占拠率せきちゅうかんせんきょりつ

CTで骨化が脊柱管の何%を占めているかを測定します。占拠率40%以上脊髄症状せきずいしょうじょうが出やすいとされています。占拠率が高いほど、軽い外傷でも重症化するリスクが高まります。

📝 国試ポイント

・骨化の形態評価はCTが最適
・脊髄圧迫の程度はMRIが最適
・CTとMRIは相補的そうほてきな関係(両方必要)
・X線だけでは見逃すこともある

治療はどうする?

💊 軽症は保存療法ほぞんりょうほう、進行したら手術

OPLLの治療は症状の程度で大きく2つに分かれます。軽症なら保存療法で経過を見ますが、脊髄症状せきずいしょうじょうが明らかな場合は手術が検討されます。骨化自体を溶かす薬はまだ存在しません。

💊 残念ながら「骨を元に戻す薬」はない

一度骨になっちゃった靱帯を元のゴムバンドに戻す魔法の薬はまだ発明されてない。だから治療は:

軽いうち → 痛み止め飲んで、首にサポーター巻いて、「これ以上悪くならないように」がんばる
ヤバくなったら → 手術で骨を取り除くか、トンネルを広げて神経の逃げ場を作る

手術しても完全に元通りにはならないこともある。だからこそ「軽いうちにケアする」「転倒で悪化させない」が超大事。

🩹 保存療法ほぞんりょうほう

対象:症状が軽い場合

頸椎けいついカラー(首の装具):首の動きを制限して脊髄への負担を減らす

薬物療法消炎鎮痛薬しょうえんちんつうやく(痛みの緩和)、ビタミンB12(しびれの改善)

リハビリ:筋力維持、ストレッチ(首を反らす動作は禁止!)

生活指導:転倒予防、首への衝撃回避

🔪 手術療法

対象:保存療法無効、明らかな脊髄症状あり

前方除圧固定術ぜんぽうじょあつこていじゅつ:骨化を直接除去しプレートで固定。圧迫が著しい場合

後方除圧術こうほうじょあつじゅつ椎弓形成術ついきゅうけいせいじゅつ:後ろから脊柱管を広げる。骨化はそのまま残す

・手術で進行を止めることが目的(完全回復は難しい場合もある)

🩹 まず守りのケア

・首にカラー(コルセット)をつけて固定
・痛み止め+ビタミンB12で神経を守る
・筋トレとストレッチ(首を反らすのは絶対NG)
・転倒しない生活環境を作る

🔪 最終手段:手術

前から攻める:骨を削り取ってプレートで固定
後ろから広げる:トンネルを拡張して神経の逃げ場を作る
・「元通り」ではなく「これ以上悪くしない」が目標
・術後も骨化は進むことがあるから油断禁物

⚠️ 手術後も注意が必要

手術で症状が改善しても、骨化の進行が止まるわけではありません。手術をしていない部位に新たな骨化が出現したり、手術部位の骨化が再び大きくなることもあります。術後も定期的な経過観察が必要です。

介護で絶対守ること

🛡️ 「首を守る」と「転倒を防ぐ」が2本柱

OPLL患者のケアで最も重要なのは、首への衝撃を避けること転倒を予防することです。この2つを徹底てっていするだけで、急性悪化のリスクを大幅に下げられます。

🛡️ 介護士として覚えるのはたった2つ

OPLLのケアって複雑に見えるけど、根っこはシンプル

1. 首にショックを与えるな
2. 転ばせるな

この2つを守れば最悪の事態(急性脊髄損傷)は防げる。逆に言うとこの2つを破ると、さっきまで歩けてた人が急に車椅子になる。それくらい首が弱くなってる病気。

🚫
首を反らさない
上を向く動作は脊髄せきずいの圧迫を悪化させる。介助時に頸部けいぶ後屈こうくつさせない
🛏️
移乗いじょう時の首保護
体位変換たいいへんかん・移乗で首に急な力をかけない。ゆっくり丁寧に
🏠
転倒予防の環境整備
段差だんさ解消、手すり設置、滑り止めマット、十分な照明
🦯
歩行補助具の活用
歩行器・杖を早期から導入。「まだ大丈夫」を信用しない
🪑
住宅改修じゅうたくかいしゅう
トイレ・浴室の手すり、段差解消。介護保険で住宅改修費が使える
🍽️
自助具じじょぐの導入
太柄のスプーン、ボタンエイド、滑り止めマット。自立を支援する

⚠️ 介助者が絶対にやってはいけないこと

・介助中に首を急に動かす(特に後屈こうくつ
移乗いじょう時に頸部けいぶに衝撃を与える
口腔こうくうケアなどであごを上げすぎる
ささいな動作でも脊髄損傷せきずいそんしょうを起こす可能性があることを常に意識する

使える制度を知る

📋 介護保険 + 難病法なんびょうほう + 障害福祉の3本柱

OPLLは介護保険法の特定疾病とくていしっぺい(16疾病の1つ)であり、指定難病していなんびょう(第69号)でもあります。複数の制度を組み合わせることで、医療費・介護費の負担を大幅に軽減けいげんできます。

📋 3つの制度で「お金の心配」を減らせる

OPLLは国が「大変な病気」と認めてるから、お金の面でいろんな制度が使える。知らないと損する制度ばかりだから、利用者さんにも教えてあげよう。

特に大事なのは「40〜64歳でも介護保険が使える」ってこと。普通は65歳からだけど、OPLLは特別扱い。これ知らない人多い。

制度内容ポイント
介護保険
特定疾病とくていしっぺい
40〜64歳でも介護保険サービスが利用可能通常65歳以上が対象だが、OPLLは特定疾病のため第2号被保険者ひほけんしゃも利用可
難病法
(指定難病69号)
医療費助成じょせい。自己負担に月額上限が設定される所得に応じた上限額。申請には臨床調査個人票りんしょうちょうさこじんひょう(医師の診断書)が必要
障害福祉身体障害者手帳しんたいしょうがいしゃてちょう障害年金しょうがいねんきん、日常生活用具など脊髄症状せきずいしょうじょうで上下肢機能障害きのうしょうがいがある場合に申請可能

🔎 リハビリの150日制限が免除される

通常の整形外科疾患ではリハビリに150日の期限がありますが、OPLLは指定難病のため期限が免除されます。長期的なリハビリが継続できるのは大きなメリットです。

📝 国試ポイント

・OPLLは介護保険の特定疾病16種類の1つ
40〜64歳の第2号被保険者がOPLLで要介護状態ようかいごじょうたいになった場合、介護保険が使える
指定難病69号で医療費助成の対象
・特定疾病は「加齢に伴って生ずる」ことが要件

OPLL ― まとめと心得

🌟 7つの心得

1. 後縦靱帯こうじゅうじんたいが骨化して脊髄せきずいを圧迫する病気。靱帯は脊髄の「すぐ前」にある。

2. 日本人に特に多い。欧米の2〜3倍。遺伝的素因いでんてきそいんが強く、家族内発症30%。

3. 頸椎けいついが最多(約70%)。手のしびれ→巧緻運動障害こうちうんどうしょうがい→歩行障害と進行する。

4. 転倒が最大の敵。軽い外傷でも脊髄損傷せきずいそんしょうを起こしうる。環境整備が最重要。

5. 首を後ろに反らさない。介助中も口腔こうくうケア中も絶対に守る。

6. 骨化を溶かす薬はない保存療法ほぞんりょうほうで経過観察し、重症化したら手術。

7. 制度をフル活用特定疾病とくていしっぺい+指定難病69号+障害福祉の3本柱。

🌟 最後にこれだけ覚えて帰って!

1. 背骨の中のスジが石になって神経をつぶす病気。水道管にサビがたまるイメージ。

2. 日本人が世界一なりやすい。遺伝が強くて、家族にいたら3割アウト。

3. 首に7割できる。首の脊髄は全身の司令塔だから、ここがやられると手も足もダメになる。

4. 転んだら人生が変わる。普段はゆっくり進む病気だけど、転倒で一発KO。転倒予防が全て。

5. 首を反らすな。絶対。介助でも口腔ケアでも。上を向かせるだけで脊髄が危ない。

6. 治す薬はまだない。「悪化させない」が治療の目標。手術しても完全には戻らない。

7. 40歳から介護保険OK。難病の医療費助成もある。制度を知ってるだけで利用者さんを救える。

🔎 OPLLと他の脊椎疾患せきついしっかん鑑別かんべつ(国試でよく出る)

OPLLと脊柱管狭窄症せきちゅうかんきょうさくしょうの違い:OPLLは靱帯の骨化が原因、脊柱管狭窄症は椎骨ついこつ椎間板ついかんばん変性へんせいが原因。ただしOPLLは脊柱管狭窄を引き起こす原因の一つでもある。
OPLLと黄色靱帯骨化症おうしょくじんたいこっかしょう:OPLLは前から、黄色靱帯骨化症は後ろから脊髄を圧迫。合併することもある。

🎯 国試対策の鉄則

「OPLL = 後縦靱帯の骨化 → 脊髄圧迫 → 手のしびれから始まる」

頸椎けいついに最多、日本人に多い
・転倒による急性悪化 → 環境整備が最重要ケア
・首の後屈こうくつは絶対禁止
・介護保険の特定疾病16種類の1つ
・指定難病69号(医療費助成の対象)
40〜64歳でも介護保険が使える

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