骨折を伴う骨粗鬆症を知る
骨が脆くなり、転倒や咳だけで骨折する ― 要介護の引き金となるサイレントな病気。寝たきりに直結する最大のリスク
骨が脆くなり、転倒や咳だけで骨折する ― 要介護の引き金となるサイレントな病気。寝たきりに直結する最大のリスク
骨粗鬆症は、骨の強度が低下し、骨折の危険性が高まる骨格疾患と定義されます(WHO)。骨の強度は「骨密度(70%)」と「骨質(30%)」で決まり、どちらかが低下すると骨折リスクが上がります。
特徴は自覚症状がほとんどないこと。多くの人は骨折して初めて自分が骨粗鬆症だと気づきます。このため「沈黙の疾患(サイレントディジーズ)」と呼ばれています。
日本の推定患者数は約1,280万人(男性300万人・女性980万人)。高齢化に伴い増加の一途をたどっており、65歳以上女性の2人に1人が骨粗鬆症または予備群といわれます。
健康な骨って、中身がぎっしり詰まった発泡スチロールみたいな構造。でも骨粗鬆症になると、その中身がスカスカの軽石みたいになる。見た目は同じでも、中身が空洞だらけ。
だからちょっとした衝撃でパキッといく。転んだ時はもちろん、くしゃみ、咳、立ち上がり、布団のあげおろしだけで背骨が折れる。これが骨粗鬆症。
しかも折れるまで気づかない。痛くないし、見た目も変わらない。だから「サイレント」って呼ばれる。気づいた時には手遅れってパターンが多い。日本だけで1,280万人いる。65歳以上の女性は2人に1人。つまり、施設の女性利用者は半分以上が骨粗鬆症だと思って接するべき病気。
推定1,280万人(男性300万・女性980万)。65歳以上女性の50%が該当。80歳以上では2人に1人以上が圧迫骨折経験者。
男女比は約1:3。閉経後のエストロゲン急減で骨吸収が一気に進むため。閉経後10年が最も危険。
骨折による寝たきりは、認知症・脳血管疾患に次ぐ要介護原因の上位。特に大腿骨近位部骨折は、生存率と生活の質を大きく下げる。
日本で1,280万人。おばあちゃんの2人に1人。おじいちゃんも5人に1人。施設の利用者はほぼ全員なってると思ったほうが正解。
女性は男性の3倍なる。理由は閉経で女性ホルモン(エストロゲン)が激減して、骨がボロボロ崩れる。閉経後10年がとくに危ない。
骨折→入院→筋力低下→歩けない→寝たきり、のゴールデンコース。足の付け根(大腿骨)を折ったら1年後に2割の人が亡くなる。ガチでヤバい。
介護保険法の特定疾病16種類には「骨折を伴う骨粗鬆症」と明記されています。つまり骨粗鬆症があるだけでは対象にならず、実際に骨折している(または既往がある)ことが要件です。
これは、骨粗鬆症自体は症状が乏しく、日常生活に直接の支障を与えないためです。一方で骨折を契機に自立度が急激に低下し、要介護状態に陥ることが多いため、骨折の有無が分水嶺となります。
40〜64歳の第2号被保険者でも、骨折を伴う骨粗鬆症が原因で要介護状態になった場合は介護保険サービスが利用できます。
特定疾病16個のうちの一つだけど、名前に「骨折を伴う」ってついてる。つまり実際に骨を折ってからじゃないと介護保険の対象にならない。
「骨粗鬆症ですね」って診断だけじゃダメ。「圧迫骨折があります」とか「大腿骨頸部骨折しました」があって初めて、40〜64歳でも介護保険が使える。
なぜかっていうと、骨粗鬆症だけなら普通に生活できるから。だけど骨折した瞬間から人生が変わる。寝たきり、車椅子、家事できない、トイレ行けない。そこから介護が必要になる、というロジック。
✓ 新しい骨折(外傷なく起こった脆弱性骨折)
✓ 既往骨折(過去の圧迫骨折・大腿骨近位部骨折など)
✓ 不顕性骨折(画像で確認される「いつの間にか骨折」も含む)
対象となる骨折は「軽微な外傷でも起きる骨折」が原則。強い外傷(交通事故など)での骨折は除外される場合があります。
・特定疾病は「骨折を伴う骨粗鬆症」と明記
・骨折の既往なしは対象外
・40〜64歳(第2号被保険者)でも対象になる
・65歳以上(第1号被保険者)は原因を問わないが、骨粗鬆症性骨折は要介護原因の代表
骨は生きた組織で、常に古い部分が破骨細胞によって壊され(骨吸収)、骨芽細胞によって新しく作られています(骨形成)。このサイクルを骨のリモデリング(再構築)といい、3〜5年で全身の骨が入れ替わります。
若い頃は骨形成が骨吸収を上回るため骨量が増え、20歳前後でピーク(最大骨量)に達します。その後は維持期に入り、女性は閉経後、男性は70歳前後から急激に骨吸収が優位となり骨量が減少します。
骨粗鬆症は、このバランスが骨吸収>骨形成に大きく傾いた状態です。壊すスピードに作るスピードが追いつかず、骨はどんどんスカスカになります。
骨って固まったら一生そのまま、と思いがち。でも違う。毎日、解体と新築が同時進行してる。家でいうリフォームをずっとやってるイメージ。
解体屋さんが「破骨細胞」。大工さんが「骨芽細胞」。若い時は大工のほうが優秀で家がどんどん立派になる。20歳でピーク。そこから少しずつ大工が老けてくる。
女性は閉経で大工が一気に引退する。すると解体屋だけが元気で、家がどんどん壊されていく。これが骨粗鬆症。作る人より壊す人が多いから、家がボロボロになる。
0〜20歳:骨量が急激に増加。20歳前後で最大骨量(ピーク骨量)到達
20〜40歳:維持期。ピーク骨量を保つ
女性40歳〜:ゆるやかに減少開始
女性50歳前後(閉経):急峻に減少(閉経後10年で約20%低下)
男性70歳〜:男性も加齢による減少が顕在化
・骨は「破骨細胞による骨吸収」と「骨芽細胞による骨形成」を繰り返している
・最大骨量は20歳前後。ここまでにどれだけ骨を貯められるかが勝負
・閉経後のエストロゲン低下は破骨細胞を活性化し骨吸収を促進する
・カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、運動が骨形成に関わる
骨粗鬆症は、原因となる病気があるかないかで2種類に大別されます。介護現場で出会う大多数は原発性(約90%)です。
原因で2つに分かれる。ほとんど(9割)は歳のせい+閉経のせいの原発性。残り1割は糖尿病とか甲状腺の病気が引き金の続発性。対応は基本同じだけど、続発性は元の病気も治す必要がある。
明らかな原因となる他の病気がないタイプ。以下の2つに分けられます:
● 閉経後骨粗鬆症(女性に多い):閉経によるエストロゲン低下が主因。50〜70歳に好発し、海綿骨(椎体など)の骨折が多い。
● 老人性骨粗鬆症(男女とも):加齢に伴う骨形成低下が主因。70歳以上で顕在化し、皮質骨(大腿骨など)の骨折も多くなる。
他の病気や薬が原因で起こるタイプ。代表的な原因:
● ステロイド長期使用:最多の原因薬剤。関節リウマチ、喘息、自己免疫疾患などで使用
● 糖尿病:骨質を低下させる。骨密度が高くても折れる
● 甲状腺機能亢進症:代謝が亢進し骨吸収が進む
● 慢性腎臓病、関節リウマチ、アルコール依存、栄養不良など
プレドニゾロン5mg/日を3ヶ月以上内服していると、高リスク。施設利用者で関節リウマチや喘息、COPDでステロイド常用している方は、骨粗鬆症が進行している前提でケアを組み立てます。
・原発性は閉経後と老人性に分類される
・続発性の代表はステロイド性骨粗鬆症
・糖尿病は骨密度が正常でも骨質低下で骨折しやすい
・関節リウマチ(特定疾病7)患者はステロイド使用で二重に骨折リスクが高い
骨粗鬆症で折れやすい部位は以下の4つ。高齢者の骨折の大部分がここに集中します。
「背骨・太もも付け根・手首・肩」の4ヶ所。これを覚えておけば9割はカバー。介護現場で骨折といえばまずこのどれか。
| 部位 | 通称 | 特徴・原因 |
|---|---|---|
| 椎体 | 背骨の圧迫骨折 | 最多。重いものを持つ・咳・くしゃみ・転倒で起こる。痛みが出ないケースが約2/3で「いつの間にか骨折」と呼ばれる |
| 大腿骨近位部 | 足の付け根 | 転倒で起こる。手術が原則で、1年以内死亡率約20%。生存しても半数が歩行レベル低下 |
| 橈骨遠位端 | 手首 | 転倒時に手をついた時に起こる。「コーレス骨折」とも。初めての骨粗鬆症性骨折として多い |
| 上腕骨近位部 | 肩の付け根 | 横向きに転倒した際に起こる。高齢女性に多く、肩が上がらないADL低下を招く |
骨粗鬆症の骨折は1回で終わらないのが最大の特徴。1回の椎体骨折後、1年以内に次の椎体骨折を起こすリスクは4〜5倍に跳ね上がります。また椎体骨折がある人は大腿骨骨折リスクも2倍。最初の骨折を「スタート」にして連鎖する ― これを骨折ドミノと呼びます。
・骨粗鬆症性骨折の4大部位:椎体・大腿骨近位部・橈骨遠位端・上腕骨近位部
・椎体骨折は最多、多くは「いつの間にか骨折」
・大腿骨近位部骨折は寝たきりの最大原因。1年以内死亡率約20%
・手首の骨折(コーレス)は初発骨折のシグナル
椎体圧迫骨折は、背骨の本体である椎体が上下方向の圧力で潰れて変形する骨折です。骨粗鬆症の最多の骨折で、80歳以上女性の半数以上に経験があります。
特徴的なのは約2/3が無症状または軽い腰痛程度で見逃されること。転倒しなくても、重いものを持ち上げた、くしゃみをした、布団を上げ下ろしした程度のきっかけで起こります。このため「いつの間にか骨折」と呼ばれます。
1個の圧迫骨折で身長が約1cm低下します。複数の椎体に圧迫骨折が起こると、背中が前に曲がった円背(亀背)が完成します。
背骨って、お菓子のマカロンみたいな形の骨(椎体)が積み重なってる。骨粗鬆症だとそのマカロンがスカスカで、上から重さがかかるとクシャッと潰れる。これが圧迫骨折。
こわいのは「痛くない」ケースが2/3ってこと。転んでもないのに、くしゃみ一発で潰れてる。本人も周りも気づかない。気づいたら背中が丸くなってた、ってのが典型パターン。
1個潰れるごとに身長が1cm縮む。5個潰れたら5cm縮む。身長が縮んできたら高確率で圧迫骨折してる。背中が丸いおばあちゃんは、背骨が何個も潰れた結果。これが「円背(えんぱい)」。
以下のサインが出たら、本人が「痛くない」と言っても圧迫骨折を疑う。医務・受診につなげる。
● 急に背中が丸くなった(数週間〜数ヶ月で変化)
● 前より身長が2cm以上縮んだ
● 起き上がり動作で腰〜背中に痛みを訴える
● 仰向けで寝ると背中が痛い、夜間覚醒がある
● 最近重いものを持った/くしゃみが続いたエピソードがある
背中が丸くなると、見た目だけの問題ではありません:
● 肺活量低下 → 肺炎リスク増大
● 胃の圧迫 → 逆流性食道炎・食欲低下
● 視線が下向き → 前方注意力低下 → 転倒リスク増
● バランス低下 → 次の骨折を招く悪循環
・椎体圧迫骨折は最多の骨粗鬆症性骨折
・約2/3が無症状(いつの間にか骨折)
・1個の骨折で身長約1cm低下。円背(亀背)が形成される
・円背は肺活量・食欲低下・転倒リスク増を招く悪循環
大腿骨近位部骨折は、太ももの骨の付け根(股関節周り)で起こる骨折です。骨折の位置で頸部骨折(関節包内)と転子部骨折(関節包外)に分類されます。
日本で年間約20万人が発生。多くは立位からの転倒(立った姿勢から横や後ろに倒れる)が原因。1年以内死亡率は約20%、5年後には約半数が亡くなるという重篤な疾患です。
治療は手術が原則。頸部骨折は人工骨頭置換術、転子部骨折は内固定術が一般的です。受傷後48時間以内の手術が生命予後を改善するため、現在は早期手術・早期離床が標準です。
太ももの骨の一番上、おしりの付け根あたりで折れる。転倒一発でいく。年間20万人がなる、めちゃくちゃ多い。
これが寝たきりゴールデンコースの出発点。骨折 → 手術 → 入院 → 動かない → 筋肉落ちる → 認知症も進む → 退院しても歩けない → 寝たきり、の流れ。
数字がエグい。1年で5人に1人が亡くなる。5年後には半分が亡くなってる。命も、生活も、認知機能も一気に奪う。介護現場で「転倒させない」が死語じゃない理由はこれ。
だから今は折れたら48時間以内に手術して、即動かすのが鉄則。ベッドで安静にさせるほど悪化する。
| タイプ | 部位 | 特徴 | 治療 |
|---|---|---|---|
| 頸部骨折 | 関節包の中(球に近い) | 血流が悪く、骨癒合が難しい。偽関節・骨頭壊死のリスク | 人工骨頭置換術(球を人工物に置き換え) |
| 転子部骨折 | 関節包の外(やや下) | 血流が豊富で骨癒合しやすい。出血は多い | 内固定術(金属で骨をつなぐ) |
転倒直後の方で以下のサインがあれば、すぐ医療につなぐ。動かさない:
● 立てない・歩けない(体重がかけられない)
● 足の付け根〜鼠径部の強い痛み
● 患側の足が外側に倒れて短く見える(外旋・短縮)
● 体動で激痛が走る
レントゲンで写らない骨折(偽陰性)があります。特に高齢者の恥骨・仙骨・大腿骨頸部は、レントゲンで異常なしと言われてもMRIで骨折が判明するケースがあります。転倒後に立てない・歩けない・痛みが持続する場合は、レントゲンで異常なしでも精査が必要です。
・大腿骨近位部骨折は年間約20万人発生
・1年以内死亡率約20%、5年後には半数が死亡
・頸部骨折は人工骨頭置換術、転子部骨折は内固定術
・早期手術・早期離床が予後を改善する
・骨折後の廃用症候群(筋力低下・認知機能低下)予防が最重要課題
骨粗鬆症の危険因子は「変えられないもの(不可逆因子)」と「変えられるもの(可逆因子)」に分けて考えます。介護職が介入できるのは後者です。
「女で高齢で家系に骨折多い」はどうにもならない。でも運動・食事・日光浴・禁煙・節酒は今からでも変えられる。諦めない。
● 女性(男性の3倍リスク)
● 高齢(年齢とともに直線的に増加)
● 白人・アジア人
● 家族歴(両親に大腿骨骨折歴があると2倍)
● やせ型(BMI 18.5未満)
● 早発閉経(45歳未満)・卵巣摘出
● カルシウム・ビタミンD・ビタミンK不足
● 運動不足(特に荷重運動の不足)
● 日光浴不足(ビタミンD合成障害)
● 喫煙(エストロゲン代謝を乱す)
● 過度のアルコール(1日2合以上で2倍リスク)
● カフェイン過剰(1日4杯以上)
● 極端なダイエット、偏った食事
● ステロイド長期使用(最多の薬剤性)
● 関節リウマチ・慢性炎症性疾患
● 糖尿病(骨質低下)
● 甲状腺機能亢進症・副甲状腺機能亢進症
● 慢性腎臓病(CKD)
● 栄養吸収不良(胃切除、慢性下痢、セリアック病)
● 抗けいれん薬、ヘパリン長期使用、芳香化酵素阻害薬(乳がん薬)
以下の方は骨粗鬆症高リスクとして、転倒予防とケアを強化:
● やせた高齢女性(BMI 18.5未満)
● ステロイド服用中の方(RA・喘息・COPDなど)
● 糖尿病のある高齢者
● 過去に骨折歴がある方(再骨折リスクが高い)
● 円背が進行している方
・主要な危険因子:女性・高齢・やせ型・家族歴
・生活習慣ではカルシウム・ビタミンD・運動不足が3大要因
・ステロイドは最多の薬剤性骨粗鬆症の原因
・糖尿病は骨密度が正常でも骨質低下で骨折しやすい
骨粗鬆症の診断は、①骨密度測定と②既往骨折(脆弱性骨折の有無)の2軸で行います。
骨密度測定のゴールドスタンダードはDXA(デキサ)法:腰椎と大腿骨近位部を二重エネルギーX線で測定し、YAM(若年成人平均値)との比で評価します。
診断はシンプル。若い時(20〜40歳)の平均値を100%とした時、今の骨密度が何%かで判定する。この割合がYAM(ヤム)。
若いとき100% → 今80%なら「注意」
今70%以下 → 「骨粗鬆症」の診断
骨折歴あり+骨密度80%未満 → 即「骨粗鬆症」
測るのはDXA(デキサ)っていうレントゲン機械。腰と足の付け根に2種類のX線あてて測る。健診で受けられる。
● YAM 80%以上:正常
● YAM 70〜80%:骨量減少(予備群)
● YAM 70%未満:骨粗鬆症
● YAM 80%未満 + 脆弱性骨折:骨粗鬆症(骨折を伴う)→ 特定疾病対象
| 検査 | 何を見るか | 精度 |
|---|---|---|
| DXA(デキサ)法 | 腰椎・大腿骨の骨密度(ゴールドスタンダード) | ★★★ |
| 超音波法(踵) | 踵の骨で簡易測定(健診でよく使われる) | ★★(スクリーニング用) |
| MD法 | 第2中手骨のX線画像で推測 | ★★ |
| 骨代謝マーカー(血液・尿) | 骨形成・骨吸収の「速さ」を見る | 治療効果判定に使用 |
| レントゲン(脊椎側面) | 既往の圧迫骨折有無を確認 | ★★★(骨折診断) |
WHOが開発した10年以内の骨折確率を算出するツール。年齢・性別・BMI・既往骨折・家族歴・喫煙・ステロイド使用などを入力。主要骨折確率15%以上で薬物治療の検討が推奨されます。
・骨密度診断の基準はYAM(若年成人平均値)
・YAM 70%未満またはYAM 80%未満+脆弱性骨折で骨粗鬆症
・測定法のゴールドスタンダードはDXA(二重エネルギーX線吸収法)
・測定部位は腰椎と大腿骨近位部
骨粗鬆症の治療は①薬物療法、②食事療法、③運動療法の3本柱。これに転倒予防を加えた4つが軸になります。
治療は3点セット。薬だけじゃ効かない。ごはんだけでも足りない。運動だけでもムリ。全部やるのが正解。
● ビスホスホネート製剤(アレンドロン酸、リセドロン酸、ミノドロン酸、ゾレドロン酸):破骨細胞を抑制。第一選択薬。内服薬は朝食前に多めの水で服用、服用後30分は横にならないが鉄則(食道潰瘍予防)
● デノスマブ(プラリア):6ヶ月ごとの皮下注射。強力な骨吸収抑制効果
● SERM(ラロキシフェン):閉経後女性向けエストロゲン類似作用
● テリパラチド(フォルテオ、テリボン):骨形成促進剤。重症例で使用、使用期間制限あり(2年)
● ロモソズマブ(イベニティ):骨形成促進+骨吸収抑制の両効果。12ヶ月限定
● 活性型ビタミンD3製剤(エルデカルシトール、アルファカルシドール):Ca吸収促進と骨質改善
● カルシウム製剤、ビタミンK2製剤:補助的
バランスよく。特にカルシウム・ビタミンD・ビタミンK・タンパク質。高齢者は低栄養がベースにあるため、まずは食事全体量の確保が大切。
● 荷重運動(ウォーキング、片足立ち、踵落とし):骨に重力負荷をかけると骨形成が刺激される。水中歩行は負荷が少ないため骨密度増強効果は限定的
● 筋力トレーニング:大腿四頭筋・体幹・股関節周り。転倒予防にも直結
● バランス運動(片足立ち、太極拳、ロコモ体操):転倒予防
● 椎体骨折急性期・骨折直後は運動は担当医指示に従う
● 起床後すぐ、食前30分以上に服用
● コップ1杯以上の水で飲む(お茶・牛乳・ジュース不可)
● 服用後30分間は横にならない(逆流性食道炎・食道潰瘍予防)
● 歯科治療時は必ず服用を申告(顎骨壊死リスク)
● 週1回・月1回の製剤もあるので、曜日管理・日付管理を徹底
・治療は薬物・食事・運動の3本柱
・第一選択薬はビスホスホネート製剤
・内服時は起床時・多めの水・30分横にならないが3鉄則
・荷重運動が骨に有効(水中歩行は限定的)
・カルシウム・ビタミンD・K・タンパク質が重要栄養素
介護士が骨粗鬆症に対してできることは3つ:
① 転倒させない環境づくり(一次予防)
② 骨折のサインを見逃さない(早期発見)
③ 服薬・栄養・運動の生活支援(治療サポート)
薬を出すのも、手術するのも医者の仕事。介護士の仕事は「折らせない」。具体的には「転ばせない」。
1回の転倒で大腿骨折 → 寝たきり → 数ヶ月で認知症進行 → 人生終了レベルのダメージ。これを止められるのは、24時間そばにいる介護士だけ。
転倒後や体動時痛の出現時:
1. 動かさない(特に大腿骨・背骨)。無理に起こさない
2. 痛みの部位、体位、外旋・短縮の有無をバイタルと共に記録
3. NSに即報告。受診・救急搬送の判断を仰ぐ
4. 搬送まではクッション・枕で安楽な体位を保ち、保温
5. 食事・水分・服薬は一旦中止(手術可能性を考慮)
・骨粗鬆症ケアの最重要事項は転倒予防
・荷重運動・日光浴・バランス食を生活の中に組み込む
・ビスホスホネートは起床時・水・30分横にならない
・骨折疑い時は動かさず即報告が鉄則
骨折を伴う骨粗鬆症は介護保険の特定疾病16種類の1つに指定されており、40〜64歳でも介護保険サービスが利用可能です。
特定疾病の要件は「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病」。骨粗鬆症は加齢と関連が強いため含まれています。
「骨折を伴う骨粗鬆症」で要介護状態になったら、40〜64歳でも介護保険が使える。これを知らないと、必要な人にサービスを届けられない。
| 制度 | 対象 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 介護保険 (特定疾病) | 40〜64歳の第2号被保険者 (骨折を伴う骨粗鬆症で要介護) | 訪問介護、福祉用具、デイサービス、住宅改修、特養入所など |
| 介護保険 (第1号被保険者) | 65歳以上の要介護・要支援認定者 | 原因を問わず利用可能 |
| 住宅改修 | 要介護・要支援認定者 | 手すり設置、段差解消、すべり防止(上限20万円) |
| 福祉用具 | 要介護・要支援認定者 | 歩行器、杖、車椅子、特殊寝台、ポータブルトイレなどの貸与・購入 |
| 高額療養費 | 医療保険加入者 | 手術・入院時の自己負担軽減 |
| 障害年金 | 骨折後に障害が残った方 | 歩行困難等で1級〜3級の可能性 |
● 訪問リハビリ:骨折後の機能回復
● デイケア:筋力・歩行訓練を通所で
● 住宅改修:段差解消・手すり設置
● 福祉用具貸与:歩行器、杖、介護用ベッド
● 訪問介護:入浴・排泄・家事の介助
● 短期入所:家族のレスパイト・機能訓練
・「骨折を伴う骨粗鬆症」は特定疾病16種類の1つ
・40〜64歳の第2号被保険者でも介護保険が使える
・「骨折の既往」があることが要件。骨折のない骨粗鬆症は対象外
・住宅改修・福祉用具は転倒予防にも直結するサービス
1. 骨粗鬆症は骨密度と骨質の低下で骨折しやすくなる病気。日本に1,280万人、65歳以上女性の2人に1人。
2. 「骨折を伴う」という条件付きで特定疾病16種類の1つ。40〜64歳でも介護保険が使える。
3. 破骨細胞>骨芽細胞のアンバランスで骨が減る。閉経後のエストロゲン急減が最大の引き金。
4. 好発骨折は椎体・大腿骨近位部・橈骨遠位端・上腕骨近位部の4大部位。
5. 椎体圧迫骨折の2/3は無症状(いつの間にか骨折)。円背・身長低下は危険サイン。
6. 大腿骨近位部骨折の1年以内死亡率は20%。寝たきり・認知症進行の最大の引き金。
7. 介護士にできる最大のケアは「転ばせない」。環境整備・栄養・運動・服薬管理が4本柱。
1. 骨がスカスカになって、くしゃみで折れる病気。日本に1,280万人、女性の2人に1人。
2. 「骨折してから」じゃないと介護保険の特定疾病に入らない。名前に「骨折を伴う」とついてるのはそのため。
3. 閉経で女性ホルモンが激減→ 骨を壊す破骨細胞が大暴れ → 骨がどんどん減る。これが原因。
4. 折れる場所は4つ:背骨、足の付け根、手首、肩。背骨が一番多い。
5. 背中が丸くなって身長が縮んだら、圧迫骨折を何個もしてる。痛くないから本人も気づかない。
6. 足の付け根を折ったら人生ほぼ終わり。1年で5人に1人亡くなる。絶対折らせない。
7. 介護士の仕事は「転ばせない」。これが全て。薬は医者、手術は病院、転倒予防は介護士。
関節リウマチ(特定疾病7)と重なる人が多い。RAのステロイド治療は骨粗鬆症を悪化させるダブルパンチ構造。
脊柱管狭窄症(特定疾病10)と圧迫骨折は同じような腰痛を訴えるため鑑別が難しい。両方併発していることも多い。
パーキンソン病(特定疾病3)は転倒しやすい+抗パーキンソン薬でビタミンD代謝に影響 → 骨折リスクが高い。
「骨粗鬆症 = 骨密度低下 → 脆弱性骨折 → 要介護」
・YAM 70%未満または80%未満+脆弱性骨折で診断
・最多は椎体圧迫骨折(2/3が無症状)
・大腿骨近位部骨折は寝たきり・死亡率の要因
・第一選択薬はビスホスホネート。起床時・水・30分横にならない
・転倒予防が最大の介護。住環境・下肢筋力・バランス
・介護保険の特定疾病16種類(「骨折を伴う」条件付き)
・40〜64歳でも介護保険対象