生活支援とは・観察・ニーズの把握
介護のスタートライン、まずは「見る・聞く・知る」
3冊目(生活支援技術 I)スタート! 介護の根っこは「その人らしい生活が続くこと」。今回は、生活支援とは何か、利用者を「観察」してニーズをつかむ「アセスメント」までを学びましょう。技術論の前に、姿勢を整える大切な回ですわ。
3冊目「生活支援技術」シリーズ、はじまりますわ!介護の根っこにあるのは、「その人らしい暮らしがちゃんと続くこと」。今回は、そもそも"生活支援"ってなに?利用者さんをどう"見る"の?必要なこと(ニーズ)をどう見つけるの?というスタートラインのお話。技術や手順を覚える前の、気持ちのチューニング回ですわ。
生活とは、人間が生命を維持するために必要な営みであると同時に、利用者の歴史・習慣・文化・家族関係・地域とのつながりなど、個別性が強く重層的なものです。
その人が生きてきた歴史や価値観、考え方を尊重しておこなう支援が生活支援。利用者の主体的な自己決定を尊重し、その人らしい生活が継続できることを目指す支援です。
「生活」って、ただ「食べて寝る」だけじゃないですわ。今までどう生きてきたか、どんな習慣・文化のなかで育ってきたか、家族や地域とどうつながっているか——人によって全部違う、何層にも重なった営みのこと。
その人の歴史や価値観を大事にして寄り添うのが「生活支援」。「介護する側がどうしたいか」じゃなくて、「本人が自分で決めて、その人らしく暮らし続けられる」を目指す応援ですの。
生活支援の視点:「できないところを援助する」だけでは不十分。生き方や価値観(個人)と社会・人間関係(環境)を重視し、生活習慣・生活歴を尊重した支援が必要。これは「介護保険法」の目的「尊厳の保持」にもつながります。
大事な視点:「できないことを代わりにやる」だけが介護じゃないんですわ。その人の考え方(個人)と、人間関係や社会(環境)もまるごと見て、これまで積み上げてきた習慣を大切にする——これが本物の生活支援。これがそのまま「介護保険法」が一番大事にしてる『尊厳の保持』につながりますの。
介護福祉士養成カリキュラムでの位置づけ:「尊厳の保持」の観点から、どのような状態でも自立・自律を尊重し、潜在能力を引き出したり見守ったりすることを含めた、安全な援助技術と知識を修得する科目とされています。
介護福祉士の養成カリキュラムでは:「尊厳を守る」という土台の上で、どんな状態の人でも自分でやる力(自立)と自分で決める力(自律)を尊重して、隠れた力を引き出したり、見守ったり——そういう「ちゃんとした技術と知識」を学ぶ科目、と決められていますの。
※ いずれも「自立に向けた」がキーワード。
生活リズムとは、目覚め→更衣→整容→食事→排泄→入浴→睡眠といった1日の流れのこと。日常生活行為の方法・時間・手順、こだわりや習慣・価値観は人によって違います。これらを包括した介護こそが介護職の専門性です。
「生活リズム」=朝起きてから着替え・身だしなみ・食事・トイレ・お風呂・夜寝る、までの1日の流れのこと。やり方も時間も順番も、こだわりも価値観も、人によって全っ然違うのが当たり前。それを全部ひっくるめて支えられること——これが介護職のプロらしさですの。
観察とは:相手をありのままに捉え、状況・状態・思考・価値観・真意を察知すること。介護職が客観的に把握するものと、利用者から引き出すものがあります。観察で得た内容は、介護の必要性を判断する重要な情報になります。
「観察」って何?=決めつけずにありのままの相手を見ること。状況、表情、考え、価値観、本当の気持ちを察する力です。自分で気づける部分と、本人の話から引き出す部分の両方がありますの。観察で集まった情報は、「どんな介護が必要か」を判断する一番の材料になります。
ニーズの把握:利用者の課題を明らかにするため、日常生活動作(ADL)を把握し、生活と周辺情報を十分に収集する。生活行為がどんな動作・思いで成り立っているかを細分化し、利用者の状態・ニーズ・思いを抽出。これらを介護の専門職として分析・統合して課題を明確化し、具体的な介護方法を判断します。
「ニーズをつかむ」って?=利用者さんが「今どこで困ってるか」をハッキリさせるために、毎日の動作(ADL)と暮らし回りの情報をとことん集めること。「料理する」一つでも、どんな動きや気持ちで成り立ってるのか細かく分けて見て、本人の状態・必要なこと・思いを引き出して、介護のプロとして組み立てて課題をはっきりさせる。それから「じゃあどう支えるか」を決めますの。
運動機能だけで判断するのは不十分。心身機能の低下による生活上の困難は、複数の問題が複合的に混在し、多領域にまたがっていることが多いからです。
「体が動くか動かないか」だけで判断するのはダメですわ。心や体の力が落ちて起こる「困った」は、いろんな問題が絡まり合って、複数の領域にまたがっていることがほとんどなんですの。
アセスメントとは:観察から得られた情報を介護の専門職としての視点で整理し、「介護として何が必要か」を根拠を明確にして判断することです。「なんとなく」ではなく、理由を説明できる支援が専門職の証。
アセスメントを一言でいうと:観察で集めた情報を、介護のプロの目線で整理して、「なぜこの支援が必要か」をちゃんと説明できる形で判断すること。「なんとなく良さそうだから」じゃなくて、「こういう理由でこうします」と言えるのがプロの仕事ですの。
次回は、生活支援を支える土台となるICF(国際生活機能分類)を学びます。「できない」というマイナス面ではなく、「潜在能力」「できること」に着目し、生活機能というプラス面を重視する考え方です。
次回は、生活支援を支える大きな土台ICF(国際生活機能分類)を学びますわ。「できない」「ダメ」というマイナスの目線じゃなくて、「隠れている力」「できていること」に注目して、その人の「生きる力」をプラスの面から見る新しい考え方ですの。お楽しみに!
生活支援は、技術より先に「姿勢」から始まります。相手の歴史と価値観を尊重し、ありのまま観察し、根拠をもって判断する——この3つを身体に染み込ませれば、技術論はぐっと飲み込みやすくなりますわ。
生活支援って、技術や手順より先に「気持ちの持ち方」から始まるんですの。①相手のこれまでの人生と大切にしてるものを尊重する/②決めつけずにそのまま見る/③なぜそうするか説明できる判断をする——この3つを身体に染み込ませておけば、これから出てくる細かい技術もスッと入ってきますわ。一緒に学んでいきましょうね!
「生活支援技術 I」シリーズ、ここから始まります。
次回(②)はICFの視点とアセスメント。プラス面に注目する考え方を学びましょう。