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生活支援技術Ⅱ・第1章 Lesson 5-②
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入浴の介助|留意点と普通浴槽

「健側から入って健側から出る」浴槽の鉄則

入浴前・中・後の留意点と、普通浴槽での入浴介助の手順を、国試で答えられる形に整理。

温度差・洗う順番・浴槽出入りの足の順。数字と順序が国試で狙われます。

アテナ様の導き

入浴介助の全体像は「前・中・後」の3フェーズで考えます。前は温度差を24℃±2℃に。中は湯温40℃前後・末梢から体幹・5分まで・胸まで。後は水分補給・休息。身体を洗う順番は頭→上肢→胸→背→下肢→陰部・臀部。浴槽出入りは「健側から入って健側から出る」と覚えれば、麻痺がある利用者でも安全に介助できます。

アテナ様の導き(本音モード)

入浴は「気持ちいい時間」だけど「最も体力を消耗する時間」でもあります。だから前後の温度差を小さくして、ヒートショックを防ぐのが最優先。湯につかるのは胸まで・5分って意外と覚えにくいですが、これは心肺への負担を考えての時間制限。「気持ちいいから長湯」は介護現場ではNG。浴槽の出入りは杖と同じで「健側から登り・下り」のロジックなので、Lesson 2の杖階段(上り健・下り患)が分かれば応用できます。

1枚でつかむ:入浴介助の3フェーズ
前で温度差・中で順番・後で休息
🌡️

① 入浴前

温度差24℃±2℃/体調確認/物品・衣服準備

🛁

② 入浴中

かけ湯(末梢→体幹)/洗う順番/胸まで5分

💧

③ 入浴後

脱健着患/ドライヤー20cm/水分補給/休息

1. 入浴前の留意点
温度差・健康観察・物品準備
脱衣室と浴室の温度差
24℃±2℃
湯温(一般)
40℃前後

環境準備

脱衣室と浴室の温度差を小さく(24℃±2℃)。ヒートショック予防。浴室までの動線も整える。

健康観察

体調・食事摂取・排泄・身体痛・関節・バイタルサイン・表情・顔色を観察。水分補給済みかも確認。

意向確認

入浴を希望しているか、要望を聞いて入浴方法を決める。

物品・衣服

福祉用具・石鹸・タオルを利用者の好みに合わせて。衣服は事前に一緒に選ぶ。

💡 脱衣は脱健着患+羞恥心に配慮

脱衣は脱健着患を基本に。室温・プライバシー・羞恥心への配慮を忘れずに、必要な場合は介助する。

2. 入浴中の留意点
かけ湯・洗う順番・浴槽内の時間

入浴中はかけ湯(末梢→体幹)→洗う(順番)→浴槽(胸まで5分)→上がり湯の流れ。湯温は介護職が前腕内側で確認し、利用者にも健側で確認してもらってから心臓から遠い末梢部から湯をかけます。

身体を洗う一般的な順番

頭から下へ・末梢から中心へ
頭部 上肢 胸部 背部 下肢 陰部・臀部
陰部・臀部は最後。鼠径部・陰部・臀部は排泄物で汚染されていることもあるため丁寧に。陰部は可能な限り利用者自身に洗ってもらう。

⚠ 女性の陰部洗浄は「前→後ろ」

女性は尿道が短く、肛門と近接しているため、感染防止の観点から前(恥骨)→後ろ(肛門)に向かって洗う。逆方向は尿路感染症の原因になる。

湯につかる深さ
胸まで
湯につかる時間
5分程度
かけ湯の順
末梢→体幹

かけ湯

浴槽に入る前にかけ湯、陰部を洗う。湯温40℃前後を介護職が前腕内側で確認、利用者は健側で確認。末梢部から体幹へ。

洗う

生活習慣を尊重。シャワーチェアを活用。利用者自身が洗えるよう物品と声かけを工夫。

浴槽内

石鹸を十分流して滑らないように。胸までつかり、5分程度。バランス確認。

浴槽からでる

好みに応じて上がり湯。冷えないように身体を拭く。皮膚密着部・拘縮部は丁寧に。

3. 入浴後の留意点
脱健着患・ドライヤー・水分補給・休息

入浴後は脱健着患で着衣、ドライヤーは20cmくらい離して髪を乾かします(やけど防止)。爪・耳の手入れ、化粧水や保湿クリーム。水分補給と休息も忘れずに。

👕 着衣

事前に選んだ衣服を着る。脱健着患を基本に。

💨 ドライヤー

必ず介護職の手の甲で温度確認、乾かすときは20cmくらい離す。やけど防止。

💅 爪・耳・口腔

介護職ができる範囲(厚労省通知)。爪は糖尿病・化膿・炎症なしの場合に限る。耳垢は耳垢塞栓を除く

💧 水分補給・休息

居室移動後に水分補給、体調確認。しばらく休息をとる。日時・健康状態・反応・観察事項・実施者を記録

⚠ 介護職ができる手入れの範囲

厚労省通知で定められている:爪に異常なし+周囲皮膚に化膿・炎症なし+糖尿病等の専門管理不要の場合のみ爪切り。重度の歯周病なしの場合の日常の口腔ケア。耳垢塞栓を除く耳垢除去。

4. 普通浴槽での入浴介助
健側から入って、健側から出る

普通浴槽での介助は「健側の足から浴槽に入り、健側の手で立ち上がり、健側の足から先に出る」が原則。介護職は患側を保護します。麻痺がある場合はバスボードなどの福祉用具を活用します。

浴槽に入る(健側から)
1

シャワーチェアへ移乗

必要に応じて患側から腕と腰を支える。シャワーチェアを温めてから腰かけてもらう。介護職の膝を患側の膝に当てて膝折れ防止。座位安定確認。

2

かけ湯(末梢→全身)

シャワー温度を介護職前腕内側で確認、利用者は健側で確認。足先・手先から全身へ。

3

身体を洗う

石鹸つきタオルを渡し、できるところは自分で。臀部介助時は足元と手の泡を流してから、手すりを掴んで前傾姿勢で腰を浮かす。

4

洗髪・洗い流し

頭皮を指の腹でもむように洗う。こめかみから耳の後ろ・うなじまで洗い流す。最後に身体の泡+床の泡を流して転倒予防

5

浴槽に入る(健側の足から)

手すりなどを使い、麻痺がある場合はバスボードを活用。介護職は背中を支える。健側の足を浴槽に入れてから、患側の膝関節を支え浴槽に入れる。

6

湯につかる(胸まで・5分)

両足が入ったら、健側の手で手すりを掴み腰を浮かしてバスボードを外す。前かがみで健側の足を曲げ、ゆっくり湯につかる。後ろに倒れないよう姿勢を安定。

浴槽から出る(健側で立ち上がる)
7

健側で立ち上がる

健側の手で手すりを掴み、前かがみで健側の膝を伸ばして立ち上がってもらう。介護職は腰を支え、本人の力と浮力を利用して引き上げる。

8

縁・バスボードに座る

浴槽の縁またはバスボードに座ってもらう。介護職は背部と患側の膝関節を支えながら患側の足を浴槽からだす。次に健側の足をだす。

9

シャワーチェアへ移乗・上がり湯

浴槽の縁・バスボードからシャワーチェアへ移乗を介助。座位安定を確認し、上がり湯をかけてタオルで軽く水分を拭く。

10

脱衣室へ移動

脱衣室に移動し、バスタオルで身体を拭いてもらう。

💡 浴槽出入りの足の順は「上り健側/下り…健側で立ち、患側から先に出す」

入るとき:健側→患側。出るとき:健側で立つ→患側から出す→健側を出す。「健側で支えながら、患側を動かす」が共通ロジック。

5. 数字まとめ表
国試で頻出の数値
項目数値意図
脱衣室と浴室の温度差24℃±2℃ヒートショック予防
湯温40℃前後適温・やけど予防
湯につかる深さ胸まで心肺への負担を抑える
湯につかる時間5分程度のぼせ・脱水予防
ドライヤーの距離20cmくらい頭皮のやけど・乾燥予防
試験に出るところ
本音でまとめる
理解度チェック
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Q1. 脱衣室と浴室の温度設定として最も適切なのはどれ?

正解はB。脱衣室と浴室の温度差を小さくすることで、ヒートショック(急激な血圧変動)を予防します。24℃±2℃が目安です。

Q2. 身体を洗う一般的な順番として最も適切なのはどれ?

正解はB。一般的には頭から下へ進み、陰部・臀部は最後。汚染されている可能性が高い部位を最後にすることで、清潔な部位を汚染しないようにします。

Q3. 女性の陰部洗浄で、感染予防のために正しい洗い方はどれ?

正解はB。女性は尿道が短く肛門と近接しているため、感染防止の観点から前(恥骨)→後ろ(肛門)に向かって洗います。逆方向は尿路感染症の原因になります。

Q4. 片麻痺の利用者が普通浴槽に入るときの足の順序として正しいのはどれ?

正解はB。健側の足から浴槽に入ることで、患側に体重をかけずにすみます。介護職は患側の膝関節を支え、膝折れを防止します。「健側で支えて、患側を動かす」が基本ロジックです。
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