機械浴(特殊浴槽)と、湯につかれない人向けのシャワー浴の方法を、国試で答えられる形に整理。
機械浴=ストレッチャー+二人介助、シャワー浴=温度高めに+足浴で保温。これだけ覚えれば◎。
歩行・立位・座位の保持が困難になっても、清潔を保つ権利は奪いません。機械浴(特殊浴槽)を使えば仰臥位のままで入浴でき、全介助では二人介助が基本。シャワー浴は湯につかれない場合に行い、気化熱で皮膚が冷えやすいため、室温は22℃より高め、湯温は通常より1〜2℃高くします。寒さを訴えたら足浴で身体を温めるのも有効です。
機械浴って病院や施設で見ると「すごい装置だな」と思いますが、本質は「立てなくても、座れなくても入浴できる」という尊厳を守る道具なんです。「もうお風呂は無理ですね」じゃなくて、「機械浴があります」と言える介護職になりたい。シャワー浴は気化熱が敵。シャワーから上がるとサーッと身体が冷えるあの感覚、あれが利用者には命に関わる寒さになることもあります。だから室温と湯温を高めに、足浴で底冷えを防ぐ。地味だけど大事な技術です。
歩行・立位・座位が保てる人。前回(27)で扱った標準的な方法。
歩行・立位・座位の保持が困難な人。仰臥位で入浴できる。
湯につかれない人、こまめに清潔を保ちたいとき。体力消耗少。
体力や筋力の低下があっても、身体を清潔に保つことは大切な行為です。歩行・立位・座位の保持が困難になっても、機械浴(特殊浴槽)などの設備があれば、仰臥位の状態で入浴できます。全介助の場合は二人介助を基本とし、特殊浴槽やリフトの使用を検討します。
歩行・立位・座位の保持が困難な利用者。全介助レベル。
仰臥位のまま入浴。立てなくても入れる。
全介助は二人介助が基本。リフトも併用。
スライディング機能つきストレッチャーに移動。ベルトをしっかり締める。ベルトの冷たさを感じるので、胸や陰部にタオルをかける。
スライディング機能で浴槽に水平移動。ストレッチャーを下げて湯につかってもらう。
身体を洗うときはストレッチャーを上昇させ、スライディング機能で再移動。
介護職は前腕内側で温度確認、利用者は健側で確認。足先・手先の末梢部から全身へ。
石鹸つきタオルを渡し、できるところは自分で。背中は側臥位で洗う。介護職は転落防止のため体位変換を介助。
必要に応じて洗髪、目・耳・口のまわりは手順に沿って清拭。
シャワーで身体の泡を流す。温度は前腕内側+健側で確認。
泡が残っていないか確認、利用者の身体を拭く。羞恥心に配慮し、疲労最小限になる手順で手早く。
ストレッチャーで脱衣室に移動し、必要に応じて介助しながら新しい衣服を着てもらう。
機械浴は安全装置があるが転落リスクは0ではない。体位変換時は必ず介護職が支える。また、装置の中で長時間は疲労が大きいため、手早く効率的に進める。
シャワー浴は湯につかれない場合に適します。入浴に比べて体力の消耗が少ないため、失禁などの部分的な汚れや汗をかいたとき、こまめに清潔を保ちたいときにも使えます。心臓・呼吸器への影響もあまりありません。
シャワー浴は気化熱で皮膚温度が急速に下がる。湯につかったときの「温まった感じ」が得にくいことがあるため、乾いたタオルで身体をすぐに拭くなど湯冷め予防の工夫が必要。
介助方法は基本的に「普通浴槽の入浴介助」に準じます。ただしシャワー浴では保温が課題なので、独自の工夫を加えます。
自分で身体を洗ってもらっている間、背中をタオルで覆い、かけ湯をして保温に努める。
洗っていない部位にも適宜かけ湯を行い、身体が冷えないようにする。
シャワーだけで寒さを訴える場合は、洗面器やバケツに湯を張り、足浴を併用する。足を温めると身体全体が温まり、浴槽に入った場合と同様の効果と爽快感が得られる。
シャワー終了後は乾いたタオルで身体をすぐに拭く。湯冷め予防の最大のポイント。
シャワー浴で寒さを訴える利用者には、洗面器の湯で足を温めるのが効果的。足が温まると身体の中心も温まるため、浴槽に入ったような満足感が得られる。足をつける湯は冷めないよう気を配る。
シャワー浴は湯に身体がつからないため温まり感が得られにくく、気化熱で皮膚から熱が奪われる。これを補うために室温も湯温も普通入浴より高めに設定する。
| 方法 | 適応 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 普通浴槽 | 歩行・座位保持が可能 | 標準的な入浴 | 胸まで5分、健側から入る |
| 機械浴(特殊浴槽) | 歩行・立位・座位困難 | 仰臥位で入浴可、ストレッチャー使用 | 全介助は二人介助、転落防止、疲労最小 |
| シャワー浴 | 湯につかれない、こまめに清潔保持したい | 体力消耗少、心肺負担少 | 気化熱で冷える、温度高め、足浴併用 |
Q1. 機械浴(特殊浴槽)の説明として最も適切なのはどれ?
Q2. シャワー浴の特徴として正しいのはどれ?
Q3. シャワー浴での温度設定として最も適切なのはどれ?
Q4. シャワー浴中に利用者が寒さを訴えた場合の対応として最も適切なのはどれ?