ベッド上洗髪・全身清拭・目鼻耳の手入れを、国試で答えられる形に整理。Lesson 5の最終回。
寝たままできる清潔保持の総まとめ。ケリーパッド・腹部「の」の字・面を変える、を押さえれば◎。
入浴できない人にも清潔と気持ちよさを届けるのが洗髪・清拭・目耳鼻の手入れ。洗髪はケリーパッドを使ってベッドのままで。湯温は40℃、頭皮は指の腹で。清拭は42℃の湯、室温24℃±2℃、順番は顔・首→上肢→腹→背→下肢→陰部、腹部は「の」の字。目耳鼻は感染予防のため同じ面を繰り返さない、異常時は医療職へが共通の鉄則です。
ベッドの上で頭を洗えるって、知らない人には驚きですよね。ケリーパッドって装置は身近な新聞紙・タオル・ビニール袋で自作もできます。介護現場の知恵です。清拭の「の」の字は、大腸の流れに沿ってマッサージすることで便秘にも効く隠れ技術。目は「目頭→目尻」「使った面を繰り返さない」が感染予防の鉄則。23回(洗面)でやった内容の応用です。
ケリーパッド+湯40℃/頭皮を指の腹で
湯42℃/顔→末梢→中央→陰部/腹は「の」の字
面を変える/異常は医療職/鼻は臥位が見やすい
洗髪は頭皮と髪の毛の汚れを取るだけでなく、頭皮を刺激して血行を促進し、毛髪の成長を促す効果があります。通常の洗髪が困難な場合は湯で絞ったタオル、オイルシャンプー(皮脂が固まっている場合)、ドライシャンプー(湯不使用)などの選択肢もあります。
ケリーパッドは洗髪器のこと。臥床状態で洗髪をおこなう際に、頭にかけた湯がこぼれないよう湯の流れ道をつくる用具。市販品もあるが、現場で簡単に自作できます。
新聞紙を巻き、その上からバスタオルを巻く。
頭が乗る形にU字型に成形。
U字に曲げたものをビニール袋に入れ、端を洗濯ばさみで留める。
ビニール袋の下側をつまんで洗濯ばさみで留める(水が流れやすくなる)。
挨拶・健康確認・同意。物品と40℃程度の湯。室温調節、ベッド高さ調節、頭側サイドレール外す。防水シーツとバスタオルを頭から肩甲骨にかけて敷く。
頭部がベッドの端にくるよう移動。首にタオル、肩にバスタオル。腹筋の緊張を和らげるため、膝を少し曲げ膝下にクッション。
頭部を支えながらケリーパッドを頭の真下に。洗濯ばさみの金具が頭部に当たらないよう注意し、先端を汚水用バケツに入れる。頸部の圧迫感を感じる場合は空気で高さを調整。
顔の上にタオル、耳栓装着。ピッチャーの湯温を介護職の前腕内側で確認、生え際から湯をかけていく。介護職の手に湯を沿わせ、もう一方の手で耳を保護。
シャンプーで頭皮を指の腹で洗う。頭部をブロックに分けて順に。後頭部は頭部を左右に向けると洗いやすい。常に声をかけ、不快やかゆいところを確認。
泡をしごいて取り、十分にすすぐ。希望に応じてリンスし、十分にすすぐ。
片手で頭を支えながらケリーパッドを外す。肩にかけてあったタオルで頭を巻き、下に敷いてあったバスタオルで髪の水分を拭き取り、ドライヤーで乾かす。
清拭はタオルで身体を拭いて清潔を保つ方法。入浴できない場合や入浴環境が不十分な場合に行います。全身清拭は体力消耗が大きいため、利用者の体力に応じて選択。入浴・シャワー浴・清拭を交互におこなうのもよい工夫です。
高温の湯や蒸しタオルを使うのでやけど危険。タオルを浸す湯やピッチャーは利用者の近くに置かない。タオルは必ず介護職の前腕内側で温度を確認してから利用者に使用。やけど時は流水で冷やす(強く水を当てない)。
清拭は一般に顔・首→上肢→腹→背中→下肢→陰部の順番。湯温は42℃程度を準備し、ウォッシュクロス(最初に身体を拭くための布)を介護職の手に巻き付けて使うと、端が肌に触れて不快にさせない。
目は左右でタオル面を変え、目頭→目尻。顔は凹凸に沿って。顔面は石鹸不使用(利用者の好みあれば尊重)。
手首→肩に向かって(末梢→中枢)。関節は支え、指間・肘内側はしわを開いて丁寧に。
タオルが冷めないよう肌から離さず拭く。腋・乳房下側に汚れがたまりやすい。
「の」の字を書くように拭く(大腸の流れに沿う)。側腹部は上下。
熱めの蒸しタオルで温めてから、健側下の側臥位で。首から肩、臀部から脊柱に沿って肩方向へ。腋・肩甲骨から側腹部はらせん状。
膝を立てて、足首→膝→大腿部。膝が立てられない場合は膝裏にクッション。
女性は前→後ろ、男性は睾丸の裏のしわを伸ばし亀頭に配慮。臀部は外→内に円を描くように。
ウォッシュクロスは石鹸をつけて使うこともあるタオル。介護職の手に巻き付けて使用すると、端が利用者の肌に触れる不快感を防げる。
高齢者は涙の分泌減少で目やに、外耳に耳垢で聴こえづらく、鼻毛伸長と鼻垢で口呼吸になりがち。日常的な手入れで快適さを保ちつつ、異常があれば医療職へ報告するのが共通ルールです。
鼻からの出血は止まりにくいこともある。可能なら座位で前かがみになり安静。口腔にたまった血液は受け皿に吐きだす(飲み込まない)。出血の状態や顔色を観察し医療職に報告。
| 項目 | 数値・方向 | 備考 |
|---|---|---|
| 洗髪の湯温 | 40℃程度 | 頭皮は指の腹でもむ |
| 清拭の湯温 | 42℃程度 | 蒸しタオルは70〜80℃ |
| 清拭時の室温 | 24℃±2℃ | 気化熱対策 |
| 腹部の拭き方 | 「の」の字 | 大腸の流れに沿う |
| 背部・側腹部 | らせん状 | 健側下の側臥位で |
| 臀部 | 外→内に円 | 清潔を内へ |
| 目の方向 | 目頭→目尻 | 左右で面を変える/眼脂のない方から |
| 鼻の体位 | 座位より臥位 | 鼻腔がよく見える |
Q1. ケリーパッドを使った洗髪で、湯温として最も適切なのはどれ?
Q2. 全身清拭で腹部を拭く方向として最も適切なのはどれ?
Q3. 目の保持の介助で、最も適切な方法はどれ?
Q4. 鼻の保持の介助で、最も適切な体位と対応はどれ?