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生活支援技術Ⅱ・第1章 Lesson 6-①
31

トイレ・ポータブルトイレ排泄介助

「トイレで」「自分で」を最後まで守るのが介護

車いす→トイレへの移乗、ポータブルトイレでの排泄介助を、国試で答えられる形に整理。

プライバシー・ナースコール・健側で立つ・患側で介護職が支える。この4つで全部解けます。

アテナ様の導き

排泄介助の核は「尊厳」です。座位が保てる人は基本はトイレで、できない場合はポータブルトイレを使います。車いす→トイレでは車いすを便座の斜め前に置き、利用者は健側で立ち上がり、介護職は患側で支える。排泄中はナースコールを手の届く位置に置いてその場を離れるのがプライバシーの基本。排泄物は色・量・臭い・形状を観察し、異常があれば医療職へ。

アテナ様の導き(本音モード)

排泄介助で一番大事なのは「見られたくない」「自分でやりたい」という気持ちを最優先することです。排泄が自立から介助に変わる瞬間って、本人にとってすごく重い体験。だから「まずトイレに行けるか」「ダメならポータブルか」「それも無理なら尿器/便器/おむつ」と段階的に考えます。ナースコール置いて離れる、っていう一見冷たい手順も、「見ない」が尊厳を守るからなんです。

1枚でつかむ:排泄介助の4原則
尊厳・自立・観察・連携
🚪

プライバシー

ナースコール置いて離れる

💪

健側で立つ

介護職は患側で支える

👁️

排泄物観察

色・量・臭い・形状

📞

異常は医療職

判断は介護職だけで決めない

1. 排泄介助の基本姿勢
段階的に「より自然な方法」を選ぶ

排泄は人間の尊厳と直結する行為です。車いすで日常生活を過ごしている人にも尿意・便意はあり、座位が可能であれば基本はトイレでの排泄介助を選びます。トイレへの移動が困難ならポータブルトイレを、ベッドから起き上がれない場合は尿器・便器・おむつと、段階的に選択肢を変えていきます。

🚽 トイレ

座位可能、移動できれば第一選択

🪑 ポータブル

座位可能、トイレ移動困難

🥤 尿器

ベッド上、起き上がれない(次回32回)

🩲 便器・おむつ

全介助レベル(次回32回)

便
2. トイレでの排泄介助(車いす→便座、右片麻痺の場合)
車いすは便座の斜め前に

車いすの配置

便座と車いすの位置関係
🚽
便座

斜め前

車いす
車いすは便座の斜め前。利用者の健側の手で手すりをつかめる位置に配置。
トイレに移乗(健側で立ち上がる)
1

挨拶・健康確認・同意

排泄の介助内容を説明し利用者の同意を得る。車いすをトイレへ誘導。

2

車いすを便座の斜め前に

利用者の健側の手で手すりをつかめる位置に、便座の斜め前に車いすを置く。

3

ブレーキ+フットサポート

利用者にブレーキをかけるよう声かけ。フットサポートから足を下ろし、邪魔にならないよう開く

4

浅く座り直す・健側で立つ

健側の手でアームサポートをもち、浅く座り直してもらう。健側の足で立ち上がる。介護職は患側に位置し、腰を支え、介護職の膝を患側の膝に当てて膝折れ防止

5

身体の向きを変える・ズボンを下ろす

立位安定確認。手すりにつかまってもらい、腰を支え便座方向に身体の向きを変える。同意を得てからズボンと下着を下ろす。

6

便座に座る・離れる

前傾姿勢で便座に座るのを介助。座位安定を確認し、終了時に声をかけるよう伝え、その場を離れる。

排泄後(再び車いすへ)
7

戻ったら確認・清拭

声をかけられたらすっきりしたか、残便感はないか確認。拭き残しがあれば、使い捨ての手袋をはめ、前傾姿勢でトイレットペーパーや清拭用タオルで陰部清拭。手袋を外し汚物入れへ。

8

座位のまま下着・ズボンを上げる

健側の手で下着・ズボンを膝上まで上げてもらう。

9

立ち上がり・衣服を整える

手すりにつかまり、介護職は患側で立ち上がりを介助。立位後、下着とズボンを腰まで上げ衣服を整える。

10

車いすへ移乗

車いすを元の位置に準備しブレーキ。手すりにつかまり腰を支え、車いす方向に身体の向きを変える。車いすへ移乗。深く座れているか確認、フットサポートに両足を乗せる。

11

排泄物観察・流す

排泄物の色・量・臭い・形状を観察し、流す。

12

手洗い・体調確認・記録

洗面台まで移動し手洗い、患側は介助。介護職も手を洗う。体調確認、物品片付け、日時・健康状態・反応・観察事項・実施者を記録。

3. ポータブルトイレの選定ポイント
利用者・介護職双方が使いやすいもの

ポータブルトイレは、利用者の身体状況に合ったもので、利用者・介護職双方にとって使いやすいものを選びます。

📏

便座の大きさ

利用者の臀部にフィットするか

👣

高さ

座ったとき足底が床につく高さか

↩️

足を引くスペース

立ち上がり時に必要

💪

立ち上がり動作

無理なくできるか

🛋

座り心地

材質・クッション性

🪑

背もたれ

あるか/必要か

🔧

肘かけ

取り外しできる

🧹

清掃のしやすさ

介護職の負担も考慮

P
4. ポータブルトイレでの介助(右片麻痺の場合)
ベッドと同じ高さに揃える

⚠ ベッドの足元に敷物と滑り止めマット

ポータブルトイレはベッドの足元に設置するため、敷物と滑り止めマットを敷いてから置く。ベッドはポータブルトイレと同じ高さに調節する。

1

挨拶・健康確認・同意・ベッド安全

排泄の介助内容を丁寧に説明し同意を得る。ベッドの安全確認(キャスターのストッパー)。

2

ポータブルトイレを設置

ベッドの足元に敷物+滑り止めマットを敷き、ポータブルトイレを置く。ベッドをポータブルトイレと同じ高さに調節。

3

健側で立ち上がる(介護職は患側)

健側の手で介助バーをもち健側の足で立ち上がってもらう。介護職は患側に位置患側のかかとを保護。腰を支え、介護職の膝を患側の膝に当てて膝折れ防止

4

位置確認・ズボン下ろす

立位安定確認。ポータブルトイレを近づけ、利用者に位置を確認してもらう。健側の手でズボンと下着を下ろす(できないところは介助)。

5

便座に座る・バスタオル・ナースコール

介助バーを持って便座に座る。腹部から大腿部にバスタオル、トイレットペーパーを近くに。ナースコールを手の届く位置に置き、その場を離れる。カーテンやスクリーンで隠してプライバシー配慮。

6

戻ったら確認・清拭

声をかけられたら素早く戻り、すっきりしたか確認。拭き残しがあれば使い捨て手袋で介助。

7

下着・ズボンを上げる・立ち上がる

座位のまま膝上まで上げる。介助バーで立ち上がり、介護職は患側。立位後、衣服を整える。

8

ベッドに座る・空気入れ換え

ベッドに座る(腰を支えて介助)。カーテン・スクリーンを外して空気を入れ換え、臭いが気になるときは消臭剤

9

排泄物確認・洗浄・手洗い・記録

ポータブルトイレのバケツをトイレに、排泄物の状態を確認。異常があれば医療職に報告。異常がなければ排泄物を捨ててポータブルトイレを洗浄。元に戻し、手をよく洗う。記録。

5. 排泄物の観察ポイント
毎回必ず4項目をチェック
🎨
📏
👃
臭い
🔍
形状

💡 観察は「次回の介護」のため

排泄物の観察は、体調変化の早期発見水分・食事の調整に直結する。普段と違いがあれば必ず記録し、異常時は医療職に報告。介護職だけで判断せず連携する。

6. トイレ vs ポータブルトイレ まとめ
違いを一覧で確認
項目トイレポータブルトイレ
適応座位可・トイレ移動可能座位可・トイレ移動困難
配置車いすを便座の斜め前ベッドの足元、敷物+滑り止めマット
立ち上がり支援手すり介助バー
立ち上がり時健側で立つ/介護職は患側/膝折れ防止
離席時声かけで終了報告ナースコールを手の届く位置に
プライバシー個室で確保カーテン・スクリーン+空気入れ換え+消臭剤
試験に出るところ
本音でまとめる
理解度チェック
押すと答えが出ます

Q1. 右片麻痺の利用者を車いすでトイレに誘導するとき、車いすの最も適切な配置はどれ?

正解はB。車いすは便座の斜め前、利用者が健側の手で手すりをつかめる位置に置きます。健側で支えながら身体を回転させて座る動線になります。

Q2. ポータブルトイレを設置する際の準備として最も適切なのはどれ?

正解はB。ベッドの足元に敷物と滑り止めマットを敷いてからポータブルトイレを置き、ベッドの高さをポータブルトイレと同じに調節します。これで安全に移乗できます。

Q3. 排泄中の利用者への対応として最も適切なのはどれ?

正解はB。排泄中は尊厳・プライバシーを守るため、ナースコールを手の届く位置に置いて介護職はその場を離れます。「見ない」ことが配慮になります。何かあればナースコールで呼んでもらいます。

Q4. 排泄物の観察として、必ず確認する4項目はどれ?

正解はB。排泄物は色・量・臭い・形状を観察します。これが体調変化の早期発見につながり、異常があれば医療職に報告する判断材料になります。
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