評価の4視点・6ポイント、目標未達時の理由分析と再アセスメントまで。
評価は「ダメ出し」じゃない。次のアセスメントを良くするための原料探し。
評価(evaluation)は、目標にどこまで近づけたか、実施内容は適切か、このまま継続してよいかを判定する段階。介護過程における評価は、計画で実践した介護・支援の達成度を測ること。「○○できる」が「○○できた」になれば目標達成。逆になっていれば、計画と目標設定を見直すための分析が始まりますわ。
新人さんが誤解しがちなのは、評価=「うまくいったかどうかの採点」だと思うこと。違いますの。評価は「次のアセスメントを賢くするための原料探し」。達成できた→なぜできた?/達成できなかった→何が原因?──この「なぜ」を掘ることが次の介護過程の質を決めますわ。「介護過程はらせん状」、評価はその螺旋を上に進める力ですの。
できた/できなかった/それはなぜか
した/しない/わからない/なぜか
満足か/負担はないか
利用者の状態変化に着目
評価は介護計画に位置付けられた目標達成の時期に、ひとつひとつの目標に対しておこないます。目的は2つ。
実施した介護によって利用者の生活が改善されたかを確認する。
計画を継続するか/修正するか/終了するか/追加するかを判断する。
評価日は、短期目標で設定した最終日。ただし、利用者の状況が変化した場合は、この日よりも前に評価をおこないます。評価の基準は短期目標。長期目標を直接評価するのではなく、段階的な短期目標で測るのが基本ですわ。
評価が「介護職の感覚」になってしまわないように、6つのポイントで客観性・多角性を担保しますわ。
「何をもって達成とするか」が定義されていないと、評価が成り立たない。
「積極的に」ではなく「事前に声かけなしで自ら会場に行く」のように具体化。
足の腫れならサイズ測定や写真で客観性を高める。
意図したケア/利用者の反応/介護職の気づき──を分けて記録する。
介護職・多職種・利用者・家族の主観と客観の両方から評価。
短期目標の評価は、長期目標の達成に向かっているかを意識する。
褥瘡の大きさ、足の浮腫、歩行距離など、数値・画像で残せるものはできるだけ記録に残します。誰が見ても同じ判断ができる根拠が増えるほど、評価の信頼性は上がりますわ。
短期目標が達成できなかった場合、その理由を探り分析することが大変重要。これは介護過程全体を評価することにもなりますわ。原因は大きく3パターンに分かれます。
| 状況 | 達していない理由・分析 | 今後の方向性 |
|---|---|---|
| 計画どおりに実施できなかった | 利用者の同意が得られず実施できなかった | 計画内容の説明をおこなう。利用者と話し合い希望を確認し修正 |
| 計画がわかりにくく実施できなかった | 計画をわかりやすく書き直す。カンファレンスで全員が理解 | |
| 援助方法が現実的でなく実施できなかった | 現実的な援助方法にアセスメントをやり直し修正 | |
| 計画どおり実施したが計画内容が不適切 | 目標が高すぎて達成できなかった | 達成可能な目標に修正 |
| ニーズ・課題がずれ、計画が不適切だった | アセスメントをやり直し、計画を修正 | |
| 利用者に変化が生じ計画が不適切に | 変化の予測ができていなかった | 情報収集を改めて実施しアセスメントをやり直す |
| 予測していない状況が生じた | 情報収集を改めて実施しアセスメントをやり直す |
未達成の理由を分析することが次のアセスメントの質を上げる。「達成できなかった」と書いて終わるのではなく、「なぜ達成できなかったか」まで掘り下げて初めて、介護過程が前に進みますわ。
介護過程は評価で終わりではありません。支援が必要な限り取り組みは継続。短期目標が達成できなかった場合は、その理由を考え、修正していくために再アセスメントをおこないます。達成できた場合も同様に、好転した状況を維持するために再アセスメントを実施しますわ。
評価は長期間の経過を振り返るもの。複数のチームメンバーが参加できるカンファレンスを設けることが必要。多角的な意見を集めて総合的な評価をおこないますの。実施記録(経過記録)は重要な資料になりますわ。
アセスメント→計画→実施→評価→再アセスメント→計画修正→実施→評価…と、何度も回しながら少しずつ上に登っていくのが介護過程。直線ではなくらせん階段のイメージですわ。
Q1. 介護過程の評価日として最も適切なのはどれか?
Q2. 評価の6ポイントに含まれないのはどれか?
Q3. 短期目標が達成できなかった場合の最も適切な対応はどれか?
Q4. 短期目標が達成できた場合の対応として最も適切なのはどれか?