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排泄はいせつケアの基礎

排泄ケア、
やさしく解説

― 観察・陰部洗浄いんぶせんじょう・便秘予防 ―

技術の前に、
「気持ちへの配慮」が全部の土台

🚽 排泄ケアは介助を必要とする方の気持ちを理解することが土台。プライバシーに配慮し、安全・快適・清潔に排泄が行える環境を整えましょう。
💬 オムツを実際に巻いてもらうと想像以上にゴワゴワする。寝てる時は気にならないのに座ると気持ち悪い。
利用者さんが感じてるこの感覚を忘れずにケアしたい。
📚 まずメカニズムから学びたい方は 国試の間 ⑦ 排尿・排便のメカニズム

基本原則

大事なこと

プライバシー配慮・
羞恥心への配慮・
その方の「いつも」を知る

恥ずかしさに寄り添う・
いつもと違うに気づく・
技術は二の次

技術面のポイント

手順の要点

尿路感染予防の陰部洗浄・
便秘ケアと排泄パターン把握

前から後ろ洗い・男女別注意・
水分と運動で便秘予防

📋 全8ページ
🏛️ 女神アテナ
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なぜ「気持ちへの配慮」が土台なのか

💭 排泄は最もプライベートな行為

排泄ケアは、介助を必要とされるご本人の気持ちを十分に理解することが重要です。プライバシーに配慮し、気持ちよく排泄できる環境を整えて、ご本人が安全・快適・清潔に排泄が行えるよう必要な介助を行いましょう。

手技が正確でも、羞恥心への配慮を欠いたケアは利用者の尊厳を傷つけます。技術より先に「自分が介助されることを想像する」姿勢が全ての土台です。

💭 自分がされる側だったら?を常に考える

排泄は「誰にも見られたくない」行為の代表格。それを他人に任せる、しかも毎日。利用者さんの気持ち、ちょっと想像するだけで胸が詰まる。

だから技術の前に「自分がされる側なら」を想像する。カーテン閉めてる?タオルかけてる?声かけしてる?ここをサボると、手技が完璧でも利用者はつらい。

🎯 排泄環境の整え方

🎯 環境づくりの基本

  • トイレのドアやカーテンをしっかり閉める
  • 閉めることが困難な場合は、居室のカーテンと居室入り口のドアを閉める
  • オムツ交換時も居室のカーテンと居室入り口のドアを閉める
  • 介助者からも見えにくいように腰にタオルをかける
  • 排泄後は換気をしたり、消臭剤を使用する
  • ドア・カーテンを必ず閉める(閉めずにやる人いるけどNG)
  • 閉められないなら居室入口のドアとカーテンを閉める
  • オムツ交換時も扉は閉め切る
  • 腰にタオルをかけて、介助者からも見えにくく
  • 終わったら換気・消臭。匂いが残ると本人も気にする

その方の「いつも」を把握する

📊 排泄は疾患や加齢の影響を受けやすい

排泄は、疾患や加齢による影響を受けやすいため、一般的な平均回数や量ではなく、その方の「いつも」が大事になります。その「いつも」と違う様子がないかに注意し、違う場合には看護職員や関係者に相談しましょう。

📊 平均値より「その人の普通」を知る

「1日に尿何回、便何日に1回」の教科書数字も大事だけど、それ以上にその人の「いつもの状態」を覚えとく。山田さんは1日10回、鈴木さんは3日に1回が普通…って感じで。

それが急に変わった時にだけ気にする。いつもより尿が少ない、色が濃い、便が固い、失禁が急に増えた—これが病気のサイン

項目 標準の目安 観察ポイント
尿量 成人1日 1,000〜1,500ml 一回量、色(濃さ)、におい、にごり、血液混入の有無
排尿回数 1日 5〜8回(高齢者は10回以上も多い) 急に増えた・急に減った・夜間頻尿
便回数 1日 1〜2回(2〜3日に1回でも快適なら可) 色、量、性状(硬便・普通便・軟便・泥状便でいじょうべん・水様便)、血液混入、未消化便みしょうかべんの有無

⚠️ 普段失禁しない方の急な失禁 → 要報告

⚠️ 急に失禁 = 脳のトラブルかも

通常は尿失禁・便失禁をしない方が急に失禁された時は、脳に何らかの障害が起こっている可能性もあるため、すぐに看護職員に相談しましょう。

「あれ、今まで失禁しなかったのに」は脳梗塞や脳出血のサインかも。「気にしなくていっか」じゃなく即ナース報告。命に関わる。

陰部洗浄はなぜ必要か

💧 尿路感染症にょうろかんせんしょうと皮膚トラブルの予防

陰部洗浄を行うことで、尿路感染症や皮膚トラブルを予防することができます。排泄後の清潔保持は、介護現場における基本中の基本です。

💧 感染症と皮膚荒れを防ぐ超大事な手技

陰部洗浄はサボると尿路感染症・皮膚炎まっしぐら。特に尿路感染症は重症化すると敗血症で死ぬこともある。地味だけど命を守る手技。

尿路感染症(UTI)とは

尿路感染症って何?

尿道口から病原菌が侵入し、膀胱・腎臓等が炎症を起こす病気です。発熱・血尿などの症状があり、重症化して敗血症を引き起こすと命の危険があります。

おしっこの出口からバイ菌が入って、膀胱・腎臓が炎症。発熱、血尿、場合によっては敗血症で死亡ケースもある。高齢者は症状が出にくいからこそ怖い。

📘 尿路感染症 (UTI) の詳細ページへ →

🛠️ 必要物品・交換準備

🛠️ 準備するもの

必要物品

  • オムツ
  • 清拭タオル
  • 洗浄用ボトル
  • 使い捨て手袋

交換準備

  • お湯 38〜39℃
  • 室温・掛け物の調整
  • ベッド高さ(身長の40%程度)
  • 手袋は二重に装着
  • 吸収シーツの準備(汚染対策)

陰部洗浄は男女で注意点が違う

♀♂ 構造の違いを理解して洗浄する

男女で身体構造が違うため、洗浄時の注意点も異なります。同じやり方ではなく、それぞれに合わせた手技が必要です。

♀♂ 男と女で全然違う

「陰部洗浄」で一括りにしがちだけど、男女で注意ポイントが真逆。男性は皮の中の汚れ、女性は洗う方向がキモ。

♂ 男性の場合

①陰嚢部と鼠径部(太ももの付け根)は皮膚が密着して汚れがたまりやすいのでよく洗いましょう

①玉袋の周りと足の付け根(鼠径部)は皮と皮がくっついてる場所。汚れが溜まりやすい。しっかり広げて洗う。

②皮を剥いて洗える場合は洗いましょう。皮膚の中に汚れが溜まっていると、尿路感染や包皮炎ほうひえんの原因になります。

包皮は剥いて洗う。中の汚れを放置すると包皮炎や感染症に直結。利用者の状態を見て無理なく。

♀ 女性の場合

①必ず前から後ろ(ちつ → 肛門)の順で洗います。肛門付近を洗った後に膣に触れると尿路感染のリスクが高くなります

絶対に「前から後ろ」。肛門の菌が膣の方に行くと尿路感染一直線。これだけは絶対守る。

②お湯で洗浄をしっかり行う。周りに流れるのが心配な場合、清拭などを当てながら行うのがおすすめ。

ティッシュを添えてから流すとシーツを汚さない。小ワザだけど効く。

洗浄後は水分をしっかり拭き取りましょう。

③拭き残しは皮膚トラブル・感染の元。最後まできっちり。

🔎 共通の注意点

🔎 男女共通で押さえるところ

  • お湯が周囲に流れる心配がある場合は、清拭タオルやティッシュを添える
  • 便が出ていた場合は、パットを抜く時に大まかに便を拭き取ると洗浄が楽になる
  • 汚染されたオムツは内側に丸めて下へ差し込む
  • 手袋は二重にしておくと、外側だけ脱いで清潔な手袋で次の工程へ移れる
  • シーツにお湯が流れないようティッシュで堰を作る
  • 便がついてたら先に清拭で拭き取る。洗浄が10倍楽になる
  • 汚れたオムツは内側に丸めて処理
  • 手袋二重にしておくと、汚れた外側だけ捨てて清潔な手で続行できる

オムツ交換の流れ(基本)

📋 基本手順は共通、製品の特性は施設マニュアルに従う

オムツ交換の基本的な流れは共通ですが、オムツの種類・吸収量・巻き方の細部は製品ごとに異なります。具体的な装着方法は施設で使用している製品のマニュアルに従ってください。ここでは普遍的な手順の骨組みをおさえます。

📋 手順の骨組みは同じ、メーカーごとの違いは現場で覚える

オムツはメーカーや種類で巻き方が微妙に違う。吸収量、テープ位置、伸び方、全部違う。細かい巻き方は施設の先輩から直接教わるのが一番確実。ここではどの製品でも共通の骨組みだけ。

1
ズボンを脱がす ― お尻を上げてもらえない場合は、横を向いてもらい、少しずつズボンを下げる。横を向く時は手を前に組み、膝を立てて横向き。
2
側臥位そくがいで皮膚観察 ― 背中・お尻に床ずれとこずれなど皮膚トラブルがないかしっかり観察。
3
陰部洗浄・清拭 ― お尻は陰部と同じく肛門付近からお尻への方向で洗う。お湯がシーツに流れない様に注意。
4
汚れたオムツを丸める ― 内側に丸めて、お尻の下へ巻き込む。
5
新しいオムツを差し込む ― 新しいオムツの片方を内側に丸めて、汚れたオムツの下へ差し込む。
6
反対側に向いてもらい、汚れたオムツを除去
7
仰向けで新しいオムツを装着 ― 最後に服のしわを必ず伸ばす。しわは床ずれの原因になる。

⚠️ オムツの使用についての注意

⚠️ オムツに頼りすぎない

安易に使用することで意欲の低下・自信の低下につながることを理解した上で、必要なときには失禁の不安を取り除くために効果的に使うようにしましょう。歩行能力があればトイレへ、座位保持が可能ならポータブルトイレを検討します。

「楽だからオムツ」はNG。オムツに頼ると本人の意欲もガクッと下がる。歩ける人はトイレ、座れる人はポータブル、オムツは最後の選択肢。そのあたりの判断は看護職員と相談しながら。

便秘予防の5つのポイント

💩 日頃の予防が何より大事

ご本人が苦しい思いをしないためにも、日頃から便秘を予防するようにしましょう。脳出血の既往のある方、をお持ちの方にとっては、便秘の予防は特に重要です(いきみで再出血・症状悪化のリスク)。

💩 いきむと命に関わる人もいる

便秘は本人も苦しい。そして脳出血の既往がある人・痔の人は、いきむことで再出血や悪化するから便秘予防はガチで大事。「出ないなー」で放置は危ない。

① 便意をのがさない

「今じゃない」と我慢すると便意が消えて便秘に。行きたい時にすぐトイレへ。

② 水分と食事

水分不足・食事量減少は便秘の元。バランスよく召し上がっていただくようお声かけ。

③ 身体を動かす

杖歩行・伝い歩きができれば少しでも歩く。座位で足踏み・上体ひねり、臥位でも膝の曲げ伸ばしが有効。

④ 便器に座る習慣

座位が可能なら、便意がなくても朝食後に1日1回便器に座る。腹圧がかかり排便しやすくなる。

⑤ マッサージ・温め

おへそを中心に時計回りに手のひらで腹部マッサージ蠕動運動ぜんどううんどうを促す。ウォシュレットで肛門刺激、腹部・腰・背中を温めるのも効果的。

🔎 排泄パターンの把握

🔎 その人のリズムを知る

お一人おひとりの排泄にお連れするタイミングや1日のパターンを把握することは重要ですが、その日の体調や活動(外出したか、どんな食事をしたか等)にも合わせてタイミングを調整する必要があります。

「山田さんは朝食後がタイミング」ってパターンを覚えとく。でも外出した日や食事が少ない日は普段と違う。機械的にじゃなく、その日の状態を見て声かけ。

頻尿・失禁・下痢のときに

🧭 残存機能と本人の想いを尊重する

排泄障害があっても、ご本人の想いや残存機能を考え、想いに沿った自然な排泄ができるようにケアをしましょう。

🧭 できることを奪わない

失禁したから即オムツ、じゃない。「歩ける」「座れる」をまだできる限り活かす。それが利用者の尊厳を守る介護。

✅ 対応の基本方針

✅ こう動く

  • 歩行能力があればオムツを外しトイレへ誘導。移動が難しい場合も座位保持ができればポータブルトイレを使用
  • 失禁を気にして社会生活が消極的にならないように、外出時にはパッドを使うなど工夫する
  • 尿意・便意がない、または訴えない場合も定期的に排泄にお連れしてみる
  • 失禁の原因はお一人おひとりさまざまなので、看護職員に対応を相談する
  • 歩ける→トイレ誘導/座れる→ポータブル/最後の手段がオムツ
  • 外出が消極的にならないようパッド活用で安心感を
  • 訴えない人も時間決めて声かけ・誘導する
  • 原因は人それぞれ。独断せず看護職員と相談

⚠️ オムツを「楽だから」で使わない

⚠️ オムツ依存は意欲を奪う

オムツの安易な使用は利用者の意欲・自信の低下につながることを理解した上で、必要なときに効果的に使うようにしましょう。

「忙しいから全員オムツ」は、利用者の尊厳と残存能力を両方奪う。本当に必要な人にだけ、必要なタイミングで。

排泄ケアの核心

排泄ケア ― 5つの要点

① 気持ちへの配慮が土台

プライバシー配慮・羞恥心への気遣いが、手技の正確さより先にくる。

② その方の「いつも」を知る

標準値より「その人の普通」を覚える。急な変化は即報告。

③ 陰部洗浄は男女別に

女性は前→後、男性は皮の中。尿路感染予防の基本。

④ 便秘予防は毎日の積み重ね

水分・食事・運動・習慣・マッサージの5点セット。

⑤ オムツは最後の手段

安易な使用は意欲低下を招く。トイレ→ポータブル→オムツの順。

⑥ 製品別は施設マニュアル

オムツの具体的な巻き方は現場で先輩から学ぶ。

結局これだけ押さえとけば十分

① 自分がされる側なら?

技術より先に想像力。ドア閉めてる?タオルかけてる?

② 「その人の普通」を覚える

平均値より大事。いつもと違ったら即ナース報告。

③ 女性は前→後、男性は皮の中

これだけは絶対。尿路感染のリスクが違う。

④ 便秘予防は毎日コツコツ

水分・食事・運動・習慣・マッサージ。地味だけど効く。

⑤ オムツは最後に使う

「楽だから」で使わない。意欲を奪ってしまう。

⑥ 巻き方は現場で覚える

メーカーごとに違うから先輩に直接教わるのが早い。

技術より先にくるのは想像力
「自分がされる側なら」を忘れない。

オムツは思ったよりゴワゴワする
利用者が感じるこの違和感を忘れずにケアしたい。

女神アテナ

関連:国試の間 ⑦ 排尿・排便のメカニズムブリストルスケール尿路感染症(UTI)

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