📚 Library of Care
← 国試の間 (3冊目-7 排尿・排便) に戻る

ブリストルスケール
便のかたち7タイプ図鑑

便の形は体からのお手紙。1〜7の数字で共通言語きょうつうげんごになる ─ 介護記録・チーム共有・観察の物差しに

📋
全7ページ
🏛️
女神アテナ
スクロールして次へ

便のかたちを、世界共通の物差しで

📏 便の性状せいじょうを1〜7の7段階で評価する国際スケール

ブリストルスケール(Bristol Stool Form Scale)は、1997年に英国・ブリストル王立病院のHeaton博士が開発した便形状の分類スケールです。世界中の医療・介護現場で使われる国際標準

便の硬さ・形状を1(コロコロ便)〜7(水様便)の7段階で評価し、4が理想。番号で記録できるため、言葉のばらつきを排除した共通言語として機能します。

📏 うんちのかたちを「数字」で記録できる便利な物差し

「ちょっと硬めの便」「やわらかい感じ」って、人によって言い方バラバラですわよね?それを1〜7の番号にしたのがブリストルスケール1=コロコロ/4=理想/7=水様

これがあると、申し送りで「今日は3でした」「昨日は6だったので注意」と一発で伝わる。職員みんなが同じ言葉で話せる、超便利な道具ですわ。

🔎 なぜ「数字」なのか

「やわらかい便」と書くと、人によってイメージがバラバラ。数字で記録するとブレない。職員交代があっても、医師に伝えるときも、同じ便を指せるのがブリストルスケールの最大の強み。

📝 国試ポイント

ブリストルスケール=便形状の国際分類スケール
1〜7の7段階。1が最硬・7が最軟
4が理想的な普通便
・1997年 英国ブリストル王立病院 Heaton博士が開発
・介護記録・医療連携の共通言語として活用

便のかたち、ぜんぶ7タイプ

📖 1〜7の特徴を一気に把握

便のかたちは水分量と腸内通過時間で変わります。番号が大きいほど水分が多く・通過が早い。介護現場では4を中心に上下にどれくらいズレているかを見ます。

📖 7人姉妹みたいな7タイプ

1〜3は硬めの3姉妹(便秘より)、4は理想の真ん中ちゃん、5〜7はやわらかめの3姉妹(下痢より)。覚え方は「真ん中(4)が理想」これだけ。

1

🟤コロコロ便(兎糞状)コロコロちゃん

硬く木の実状の便。排泄に苦痛を伴う。最も便秘が進んだ状態。腸内通過時間100時間超うさぎのフンみたいに小さくて硬い。出すのに時間がかかってつらい。便秘の最終形態

2

🟤硬い便(ソーセージ状で硬い)硬めソーセージ

ソーセージ状でゴツゴツ硬い便。ひと塊にまとまるが排出はやや困難。便秘傾向ソーセージみたいだけどゴツゴツ硬い。ちょっと出しにくい便秘よりタイプ

3

🟤やや硬い便(ソーセージ状で表面ひび割れ)ひび割れソーセージ

表面にひび割れがあるソーセージ状の便。やや硬めだが排泄はスムーズソーセージ型で表面にひびが入った感じ。普通寄りで、排便はそんなに困らない

4

普通便(ソーセージ状で滑らか)理想の真ん中ちゃん★ 理想

滑らかで柔らかいソーセージ状(バナナ状)。痛みなくスルッと出る。理想的な便。腸内通過時間約24時間ツルッとしたバナナ型。アテナ的にこれが目指したい便。「快便ですわ!」状態

5

🟢やや軟便(柔らかい半固形)やわらかぽってり

はっきりしたしわのある柔らかい半固形。輪郭はあるが押すと崩れる。やや軟便だが正常範囲内やわらかいけど形はある。下痢の入口くらい。まだ普通の範囲

6

🔵泥状便(境界がほぐれた泥状)泥っぽいやつ

境界が不明瞭でドロッとした泥状の便。下痢に分類される。脱水・電解質異常に注意形がなくドロドロ。下痢のサイン。脱水が起きやすいので水分補給を意識

7

💧水様便(液状)水っぽいやつ

固形物を含まない液状の便。重度の下痢。腸内通過時間10時間以下。感染症・脱水を強く疑う水みたいな下痢。発熱を伴うなら感染を疑って即報告。脱水で命に関わる場合も

📝 国試ポイント

1〜2は便秘(硬く・コロコロ・木の実状)
3〜5は普通範囲(3=ひび割れ、4=理想、5=やや軟)
6〜7は下痢(泥状・水様)
・水様便+発熱は感染症を疑う

3つのゾーンで一発判定

🎯 1〜7を3ゾーンに分けて見る

7タイプ全部を覚えるのは大変。実用的には3ゾーンで十分です。1〜2は便秘 / 3〜5は普通 / 6〜7は下痢。これだけで現場の判断ができます。

🎯 3つのゾーンに分けて覚える

7個も覚えられない…という方は、3つのゾーンでOK。硬い側(1〜2)・普通(3〜5)・やわらかい側(6〜7)。これだけで判定できますの。

1〜2
便秘ゾーン
硬い・コロコロ・木の実状
排便困難・残便感あり
3〜5
普通ゾーン
理想は4(滑らかソーセージ)
3-5の範囲なら問題なし
6〜7
下痢ゾーン
泥状・水様
脱水・感染症に注意

⚠️ 緊急性が高い組み合わせ

7+発熱 → 感染性腸炎(ノロ・カンピロバクター等)を強く疑い、即医務報告
1+5日以上排便なし → 重度便秘・糞便塞栓ふんべんそくせん(糞詰まり)疑い
1〜2と6〜7が交互 → 過敏性腸症候群・大腸の通過障害疑い
黒色便(タール便)はブリストルとは別軸 → 消化管出血を疑う

📝 国試ポイント

便秘=1〜2(または3日以上排便なし)
下痢=6〜7
4が理想便(滑らかソーセージ状)
3〜5は問題なしと判断

腸の中にいる時間で硬さが変わる

⏱️ 通過時間が長いほど便は硬くなる

便の硬さは大腸での水分吸収量で決まります。通過時間が長いほど水分が抜けて硬くなり(便秘)、通過時間が短いほど水分が残って柔らかくなる(下痢)。通過時間=便のかたちとほぼ直結します。

⏱️ 腸に長くいるほど水が抜けて硬くなる

便がぐしゃぐしゃか・カチカチかは、大腸でどれだけ水を抜かれるかで決まりますの。長居すれば水抜けすぎてカチカチ、すぐ通れば水びちゃびちゃ、というシンプルな話。

1
コロコロ便:水分が極端に抜けた状態
100時間超
2
硬いソーセージ:水分やや少ない
約72時間
3
表面ひび割れ:水分まだ少なめ
約48時間
4
理想便:水分バランス◎
約24時間
5
やや軟便:水分多め
約18時間
6
泥状便:水分かなり多い
約12時間
7
水様便:ほぼ水分のまま
10時間以下

🔎 大腸=水分回収工場

大腸の主な仕事は水分の吸収。便が長くとどまるほど水が抜けて硬くなり、通過が速いと水分回収が間に合わず軟便になります。だから「便のかたち」は腸の動き(蠕動)を映す鏡です。

記録は数字すうじりょういろ

📝 排便記録の3点セット

排便記録は「ブリストル番号 + 量 + 色」の3点セットで残すのが標準。番号があるおかげで、夜勤と日勤の引き継ぎでも便の状態が正確に伝わります。

📝 「番号・量・色」の3点で記録

記録に書くのは3つだけブリストル番号 / 量 / 色。「BS4・中量・茶」みたいに書けば、誰が見ても便の状態が分かる。

🔢

①番号(BS)

1〜7のブリストル番号で形を記録。
例:BS4(理想)

📏

②量

少量・中量・多量(または
g数で測定する施設も)

🎨

③色

茶(普通)・黒(消化管出血)白(胆汁分泌障害)赤(下部出血)

⚠️ 色で疑うべき疾患

黒色便(タール便) → 上部消化管出血(胃・十二指腸)
白〜灰白色便 → 胆汁分泌障害(胆道閉塞・肝疾患)
赤色便(鮮血便) → 下部消化管出血(大腸・直腸・痔)
緑色便 → 緑黄色野菜大量摂取・抗生剤・乳児では正常

🔎 排便日誌の活用

毎日の「日時・BS番号・量・色・腹痛の有無」を1週間記録すると、便秘パターンが見えてきます。「3日に1回しか出ない」「夕食後が多い」など、その人の排便リズムを把握してケアプランに反映できる。

📝 国試ポイント

・排便記録は「番号・量・色」の3点セット
黒色便=上部消化管出血/白色便=胆汁障害/赤色便=下部出血
排便日誌で個別の排便リズムを把握

便のかたちは食事しょくじ水分すいぶんでつくる

🥗 4(理想便)を作る2大要素

ブリストル4(理想便)を作るには食物繊維と水分がカギ。便秘なら繊維と水を増やし、下痢なら一時的に繊維を控える。ケアの質は食卓の質に直結します。

🥗 「4番」を作るのは食物繊維+水

理想の便を作るレシピは食物繊維と水の2本柱。繊維で量を増やし、水でやわらかさを保つ。これだけで7割は解決ですの。

🌾 食物繊維(便の量と硬さを整える)

不溶性繊維(便のかさ増し):野菜・きのこ・豆・全粒穀物

水溶性繊維(便を柔らかく):海藻・果物・オクラ・大麦

目安:成人で1日18〜21g以上

💧 水分(便を硬くしないために)

1日1500mL前後が目安(食事の水分含む)

朝のコップ1杯の白湯は胃結腸反射を促進

高齢者は口渇感が低下するため、声かけで水分摂取を促す

🔎 便秘・下痢の食事ポイント

便秘なら:繊維+水分+発酵食品(ヨーグルト・納豆)+運動
下痢なら:一時的に繊維を控える・経口補水液・消化のいい食事(おかゆ・うどん)
共通NG:脱水を放置・絶食を続ける(腸が動かなくなる)

📚 関連リソース

国試の間 ⑦ 排尿・排便のメカニズム ─ おしっこの旅・うんちの旅・介護の3つのコツ

排泄ケアの基礎 ─ 観察・陰部洗浄・便秘予防

移動・移乗のICFアセスメント ─ 「できること」を見つける地図

アテナ様の神殿(公式サイト)

🎬 関連動画 ── 排尿・排便のメカニズム

📺 「専門用語ゼロ」シリーズ | YouTubeで見る

🌸 アテナからの一言

便のかたちは「体からのお手紙」。毎日のBS番号を眺めるだけで、その方の体調が手に取るようにわかりますわ。「いつもと違う」を見逃さないこと──それが介護現場での観察力のひとつですの。

1 / 7