神経系は中枢神経と末梢神経に大別される。脳(大脳・間脳・脳幹・小脳)と脊髄からなる中枢、体性神経(感覚・運動)と自律神経(交感・副交感)からなる末梢、そして神経細胞と反射のしくみまでを、国試で答えられる形に整理。
「緊張すると心臓がドキドキ」「休むと眠くなる」——それ、自分では動かせない自律神経の仕業です。脳のどこがどこを担うか、交感と副交感の取り違えをなくすページです。
神経系は、からだじゅうに張りめぐらされた情報の道。大きく中枢神経(脳と脊髄)と末梢神経に分かれます。中枢は受け取った情報を統合して処理・判断し、指令を出す司令塔。末梢は、その指令やからだの感覚を運ぶ通信網です。末梢はさらに、意思で動かす体性神経と、意思と無関係にはたらく自律神経に分かれ、自律神経は交感神経と副交感神経がバランスを取り合っています。この「大きな地図」を先に描いておくと、細かい部位の名前がすっと収まりますわ。
神経系はとにかく分類の言葉が多くて混乱するところ。でもコツは1つ、「中枢か末梢か」「意思で動くか動かないか」の二択を積み重ねるだけ。脳=大脳・間脳・脳幹・小脳の役割分担、交感=アクセル/副交感=ブレーキ、この2つを体で覚えれば大半は取れます。試験で狙われるのは交感と副交感の取り違えと延髄=呼吸・心拍の生命維持。ここだけは絶対に落とさない、で行きましょう。
まず中枢神経系と末梢神経系に分かれる。この最初の分岐がすべての土台。
情報を統合・処理・判断して指令を出す司令塔。脳は大脳・間脳・脳幹・小脳に分かれる。
運動や感覚に関与する体性神経系と、臓器のはたらきに関与する自律神経系。
感覚神経(求心性・からだ→中枢)と運動神経(遠心性・中枢→筋)。意思で動かせる。
意思と無関係にはたらく。交感=活動・緊張、副交感=休息・リラックスで綱引き。
神経系は、大きく中枢神経系と末梢神経系に分類されます。中枢神経系は脳と脊髄から成り立ち、受け取った情報を統合して処理・判断し、適切な指令を出す中枢部です。末梢神経系は、運動や感覚に関与する体性神経系と、臓器の運動や機能に関与する自律神経系に分けられます。まずはこの分類の「枝分かれ」を丸ごと頭に入れましょう。
ここは暗記より地図。神経系の枝分かれは「神経系→中枢/末梢→(末梢がさらに)体性/自律→(それぞれが)感覚・運動/交感・副交感」という4段のツリー。これを1回自分で書き出せば、あとの細かい部位は全部この地図のどこかに収まります。中枢は「脳と脊髄」、末梢は「それ以外の全部(脳・脊髄から伸びる線)」とざっくり掴めばOK。
| 大分類 | 中分類 | さらに細分 |
|---|---|---|
| 中枢神経系 (司令塔) | 脳 | 大脳/間脳/脳幹(中脳・橋・延髄)/小脳 |
| 脊髄 | 脳と末梢をつなぐ連絡路。31対の脊髄神経が出入り | |
| 末梢神経系 (通信網) | 体性神経系 | 感覚(知覚)神経=求心性/運動神経=遠心性 |
| 自律神経系 | 交感神経/副交感神経(意思と無関係) |
分類には「機能的分類」(体性/自律)と「構造的分類」(脳から出る脳神経=12対/脊髄から出る脊髄神経=31対)の2つの切り口がある。混同注意。
中枢神経は脳と脊髄からなります。脳は頭蓋骨の強固な骨に納まり、周囲を髄液と軟膜・くも膜・硬膜の3層の膜で保護されています。脳は大脳・間脳・脳幹(中脳・橋・延髄)・小脳に分類され、それぞれ役割が異なります。取り違えやすいので、下の表で「どこが何を担うか」を固めましょう。
| 部位 | 主なはたらき | 国試ポイント |
|---|---|---|
| 大脳 | 左右の半球からなる大きな器官。運動・感覚・言語・記憶・意思・思考・判断など、人間らしく生きるために必要な機能 | 左脳と右脳は脳梁でつながる |
| 間脳 | 感覚神経の中枢である視床と、自律神経の中枢である視床下部がある | 視床下部は自律神経・ホルモン分泌の中枢 |
| 脳幹 (中脳・橋・延髄) | 姿勢やバランスに関与。延髄は呼吸や心拍の調整をつかさどり、嚥下・嘔吐なども制御する生命維持の要 | 延髄=呼吸・心拍の生命維持中枢。頻出 |
| 小脳 | 姿勢保持、平衡機能、緻密な運動の協調性などを調節する | 「運動の微調整・バランス係」 |
脊髄は、脊椎骨で作られた管(脊柱管)の中にあり、延髄に続く長さ約45cm・太さ約1cmの組織で、脳と同様に3層の膜に覆われています。脳への信号・脳からの信号を伝える連絡路のため、脊髄の一部が損傷すると、それより下の部位は脳と連絡できず、運動麻痺や知覚麻痺を起こします。
脳の正中断面の模式図(オリジナル・イメージ図/実際の形状とは異なります)。上部を占める大脳、中心の間脳、脳の奥から下へ伸びる脳幹(中脳・橋・延髄)、後方の小脳、そして延髄に続く脊髄。延髄=呼吸・心拍の生命維持中枢という位置関係を掴むのが目的。
末梢神経系は、機能で見ると体性神経と自律神経に分かれます。体性神経はさらに、眼や耳などの感覚器からの刺激を中枢へ伝える感覚(知覚)神経=求心性と、筋への運動指令を伝える運動神経=遠心性に分けられます。自律神経は、心臓の収縮や血管の収縮・弛緩など、臓器のはたらきを無意識に制御している神経です。
からだ(感覚器)→ 中枢へ。「感じた情報が入ってくる」方向。
中枢 → からだ(筋)へ。「動けの指令が出ていく」方向。
末梢神経を構造的に分類すると、脳に接続する脳神経(左右12対、主に頭部・頸部に分布。うち迷走神経は頸部を下降し胸部・腹部の内臓に分布)と、脊髄に接続する脊髄神経(左右31対、主に四肢や体幹の運動・感覚を制御)に分けられます。12対・31対という数字は問われやすいので押さえておきましょう。
「体性/自律」は機能での分け方、「脳神経/脊髄神経」はどこから出るか(構造)での分け方。切り口が違うだけで、同じ末梢神経を別の角度で見ている。
自律神経は、交感神経と副交感神経に分類されます。交感神経はからだを興奮させ、闘争する態勢を整える作用があり、活動時や不安・怒り・ストレスを感じる緊張時にはたらきます。副交感神経はゆっくりからだを休ませてエネルギーを蓄える作用があり、休息・リラックス時にはたらきます。人の内部環境は、この2つの神経のバランスによって一定に保たれています。
覚え方は交感=アクセル、副交感=ブレーキ。ライオンに追われている場面を想像すると全部つながります——心臓バクバク(脈拍↑)、血圧上がって、瞳孔カッと開いて(よく見える)、消化どころじゃない(胃腸は抑制)。逆に、ごはん後にまったりしている時が副交感。試験は「瞳孔は交感で拡大か縮小か」みたいに1個ずらして聞いてきます。表の縦の対比で丸暗記が一番強いです。
| 器官・項目 | 交感神経(活動・緊張時) | 副交感神経(休息・リラックス時) |
|---|---|---|
| 心臓(脈拍) | 速くなる | 遅くなる |
| 末梢血管 | 収縮する | 拡張する |
| 血圧 | 上昇する | 低下する |
| 瞳孔 | 拡大する | 縮小する |
| 胃腸(消化) | 抑制される | 活発になる |
| 気管支 | 緩む(広がる) | 収縮する |
| 発汗 | 亢進する(増える) | 低下する |
「どちらか一方だけがはたらく」のではなく、両方が常にはたらき、そのバランスで内部環境が保たれる。緊張が続くと交感優位に傾く、と押さえる。
神経系を構成する基本単位が神経細胞(ニューロン)です。ニューロンは、情報を受け取る樹状突起、細胞のからだである細胞体、情報を送り出す長い軸索からなります。ニューロンとニューロンのつなぎ目をシナプスといい、ここで情報が次の細胞へ受け渡されます。こうして電気信号と化学物質のリレーで、からだじゅうに情報が伝わります。
反射とは、刺激に対して意思とは無関係に起こる、素早く決まった反応のことです。熱いものに触れて思わず手を引く反応(屈曲反射)や、膝の腱を叩くと足が跳ね上がる膝蓋腱反射が代表例。多くの反射は大脳を経由せず、脊髄などが中枢となって起こる(脊髄反射)ため、判断を待たずに一瞬で反応でき、危険からからだを守るのに役立ちます。経路は「刺激 → 感覚神経 → 脊髄(中枢)→ 運動神経 → 筋」で、これを反射弓といいます。
ポイントは「反射は大脳の判断を待たない」こと。だから速い。熱い・痛いから手を引くのは、考える前にからだが動いている。
意思とは無関係に、心臓の拍動・血管の収縮/弛緩・消化・発汗など、臓器のはたらきを無意識に制御している末梢神経。活動・緊張時にはたらく交感神経と、休息・リラックス時にはたらく副交感神経からなり、両者のバランスで内部環境(恒常性)が保たれる。その調節中枢は間脳の視床下部にある。「自分の意思で止められないはたらき=自律神経」と覚えるとよい。
Q1. 中枢神経系を構成するものの組み合わせとして、正しいものはどれ?
Q2. 脳の各部位のはたらきの説明で、適切なものはどれ?
Q3. 交感神経がはたらいたとき(活動・緊張時)のからだの反応として、適切なものはどれ?