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人体の構造と機能 Lesson 2
05

呼吸器系・循環器系のしくみ

息をして、血をめぐらせる——生きている証拠

酸素を取り込み二酸化炭素を出す呼吸器系と、それを全身に運ぶ循環器系。外呼吸と内呼吸、呼吸器の通り道、心臓の4つの部屋、体循環と肺循環、動脈・静脈・毛細血管、血圧までを、国試で答えられる形に整理。

「呼吸」と「血のめぐり」はワンセット。肺で酸素を積んで、心臓が全身へ配達する——この物流が止まると命が止まる。だから介護でも呼吸と脈は真っ先に見るんです。

アテナ様の導き

口や鼻から入った空気の中の酸素は、肺の肺胞で血液に取り込まれ、血液が全身の細胞まで運びます。細胞が酸素を使って生じた二酸化炭素は、また血液で肺へ戻され、呼気として外へ吐き出されます。この酸素と二酸化炭素の受け渡しを担うのが呼吸器系、それを全身へ運ぶポンプと管が循環器系。ふたつは切っても切れない密接な関係にあるのです。肺で血液を"きれいにし"、心臓が"配達する"——このめぐりのしくみを、いっしょに解き明かしましょう。

アテナ様の導き(本音モード)

ここは国試の"暗記の山場"です。とくに肺循環と体循環の向きは毎年ひっかけで出ます。コツはひとつ、「肺動脈には汚れた血(静脈血)、肺静脈にはきれいな血(動脈血)が流れる」。名前と中身が逆に感じるでしょう?そこが狙われる。動脈=きれい、静脈=汚い、と丸暗記すると足をすくわれます。血管の名前は"心臓から出るか/戻るか"で決まる、と体で覚えてください。図で血の流れを一周させれば、もう間違えませんよ。

1枚でつかむ:酸素が届くまで
吸う → 外呼吸 → 血液が運ぶ → 内呼吸 → 心臓がめぐらせる
1

空気を吸う(換気)

鼻・口→咽頭→喉頭→気管→気管支を通って、空気が肺・肺胞に届く。この通り道が気道

2

外呼吸(肺胞 ⇄ 血液)

肺胞で、酸素が血液へ・二酸化炭素が血液から出るガス交換。血液は"きれいな"動脈血に。

3

血液が運ぶ(循環器)

酸素を積んだ血液を心臓がポンプで全身へ。酸素・二酸化炭素の運搬はすべて血液が担う。

4

内呼吸(血液 ⇄ 細胞)

全身の毛細血管で、酸素を細胞へ・二酸化炭素を血液へ。細胞が生きるためのガス交換

5

心臓がめぐらせる

4つの部屋が体循環と肺循環で血液を一周させる。呼吸器系と循環器系はワンセット。

1. 呼吸とは(外呼吸と内呼吸)
2種類のガス交換/呼吸器系と循環器系の連携

口・鼻から入った空気中の酸素は、肺・肺胞に達して肺胞から毛細血管に取り込まれ、血液から各組織の細胞へ供給されます。酸素を利用する過程で生じた二酸化炭素は血液中に戻され、肺に運ばれて呼気により外界に排出されます。この一連の過程を呼吸といいます。酸素や二酸化炭素の運搬は血液がおこなうため、呼吸器系と循環器系は密接な関係にあります。

「呼吸=息をすること」だけだと国試では足りません。ポイントはガス交換が2か所で起きること。肺胞での交換が外呼吸、全身の細胞での交換が内呼吸。名前が似てて混同しがちだけど、「外=肺(からだの外に近い)」「内=細胞(からだの中)」とイメージで覚えると迷いません。そして運ぶのは全部血液。だから呼吸の話なのに心臓・血管が必ずセットで出てくるんです。

比較外呼吸内呼吸
場所肺胞と血液の間細胞と血液の間
酸素の向き肺胞 → 血液(取り込む)血液 → 細胞(渡す)
二酸化炭素の向き血液 → 肺胞(吐き出す)細胞 → 血液(回収する)
意味血液を"きれいに"する(動脈血へ)細胞に酸素を届け生命活動を支える

外呼吸=肺胞内呼吸=細胞。どちらも「酸素を受け取る側」と「二酸化炭素を出す側」が逆向きになっている点に注目。

2. 呼吸器の構造(空気の通り道)
鼻・口 → 咽頭 → 喉頭 → 気管 → 気管支 → 肺・肺胞/上気道・下気道

呼吸器系は口・鼻、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺、肺胞で構成されます。空気が鼻腔から入って肺に達するまでの通り道を気道といい、口・鼻腔から喉頭まで上気道喉頭を境として気管・気管支下気道と呼びます。咽頭は飲食物も通る消化管の役割を兼ね、喉頭の入り口の喉頭蓋が、飲み込むときにフタをして食物が気管へ入らないようにしています。

鼻・口 咽頭 喉頭 ← 喉頭蓋がフタ 気管 気管分岐部 気管支 右肺 上・中・下葉(3葉) 左肺 上・下葉(2葉) 肺胞(ここで外呼吸=ガス交換) 上気道 下気道 口・鼻腔〜喉頭 気管・気管支

上気道(口・鼻腔〜喉頭)と下気道(気管・気管支)。空気は鼻・口から一本道で肺胞まで届き、肺胞で外呼吸が行われる。右肺は3葉、左肺は2葉。

呼吸運動は主に横隔膜と肋間筋の収縮・弛緩による。安静時は横隔膜中心の腹式呼吸が優勢、運動時は肋間筋も加わる胸式呼吸が加わる。

3. 心臓のしくみ(4つの部屋)
2心房2心室/血液を送り出すポンプ

心臓は胸腔内で心膜に包まれ、左右の肺に挟まれて横隔膜の上に位置します。収縮と拡張を繰り返し、全身に血液を送り出すポンプです。内部は上部の心房と下部の心室が左右に分かれた2心房・2心室(右心房・右心室・左心房・左心室)からなります。心臓は1分間に収縮と拡張を約60〜80回繰り返し(=心拍数)、送り出す血液量は1分間に5〜7Lにもなります。

肺(ガス交換) 全身(各組織) 毛細血管で内呼吸 右心房 静脈血 右心室 静脈血 左心房 動脈血 左心室 動脈血 三尖弁 僧帽弁 大静脈 肺動脈 肺静脈 大動脈 =動脈血 =静脈血

血液の一周:全身→大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→左心室→大動脈→全身。右心系は静脈血(青)、左心系は動脈血(赤)。肺動脈に静脈血・肺静脈に動脈血が流れる点が頻出。

4. 体循環と肺循環
2つのめぐりの経路と向き

血液のめぐりには2つのルートがあります。体循環(大循環)は、左心室から送り出された動脈血が大動脈を通って全身をめぐり、酸素を渡して静脈血となり、大静脈から右心房へ戻る流れ。肺循環(小循環)は、右心室から送り出された静脈血が肺動脈を通って肺へ行き、ガス交換で動脈血となって肺静脈から左心房へ戻る流れです。心臓の右側(右心房・右心室)には静脈血、左側(左心房・左心室)には動脈血が流れています。

2つのルートを丸暗記するより、「左=全身へ発射、右=肺へ発射」で覚えると楽です。左心室は全身(遠い)まで血を飛ばすからいちばん筋肉が厚い。右心室は肺(近い)まででいいから薄い。そして超重要な引っかけ——肺動脈には静脈血、肺静脈には動脈血。「動脈=きれいな血」と思い込むとここで落ちます。血管名は"心臓から出る=動脈/心臓へ戻る=静脈"で決まる、中身とは別、と割り切って。

比較体循環(大循環)肺循環(小循環)
スタート左心室右心室
経路左心室→大動脈→全身→大静脈→右心房右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房
目的全身の細胞へ酸素を届ける(内呼吸)肺で血液をきれいにする(外呼吸)
出ていく血液動脈血(大動脈)静脈血(肺動脈)
戻ってくる血液静脈血(大静脈)動脈血(肺静脈)

経路には弁も登場:体循環は左心房→僧帽弁→左心室、肺循環は右心房→三尖弁→右心室。弁は血液の逆流を防ぐ。

5. 動脈・静脈・毛細血管と血圧
3種類の血管/血圧の見かた

血管は動脈・静脈・毛細血管の3種類。動脈は心臓から送り出される血液が流れる血管で、高い圧力に耐えるため壁が厚く弾力性があります。静脈は心臓へ戻る血液が流れる血管で壁は薄く、逆流を防ぐがあります。毛細血管は動脈と静脈をつなぐ非常に細い血管で、ここで酸素・二酸化炭素や栄養・老廃物の交換(内呼吸)がおこなわれます。

比較動脈静脈
向き心臓から出ていく血液心臓へ戻る血液
厚く弾力性がある(高い圧に耐える)薄い
ないある(逆流を防ぐ)
注意ふつう動脈血だが、肺動脈は静脈血ふつう静脈血だが、肺静脈は動脈血

血圧とは、血液が血管の壁を押す圧力のこと。心臓が収縮して血液を送り出したときが最も高く収縮期血圧(最高血圧)、心臓が拡張して次の血液をためているときが最も低く拡張期血圧(最低血圧)といいます。血圧は運動・入浴・食事・緊張・気温などで変動するため、介護の場面でも安静時に測るのが基本です。

WORD:肺循環(小循環)
国試で問われる用語

右心室から送り出された静脈血が、肺動脈を通って肺へ行き、肺胞での外呼吸(ガス交換)で酸素を受け取って動脈血となり、肺静脈を通って左心房へ戻る、心臓と肺の間の血液の流れ。「右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房」。肺動脈に静脈血、肺静脈に動脈血が流れるという"名前と中身が逆"の点が、国試最頻出の引っかけどころ。

試験に出るところ
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Q1. 肺循環(小循環)の経路として、正しいものはどれ?

正解はA。肺循環は「右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房」。右心室から出た静脈血が肺でガス交換し、動脈血になって左心房へ戻ります。Bは体循環(大循環)の経路。Cはスタートと血管が混ざった誤りです。

Q2. 外呼吸と内呼吸の説明として、適切なものはどれ?

正解はB。外呼吸は「肺胞と血液」の間、内呼吸は「細胞と血液」の間のガス交換です。Aは外呼吸と内呼吸が入れ替わった誤り。Cのように両方が肺胞で起きるわけではありません(内呼吸は全身の細胞で起きます)。

Q3. 血管と血液に関する記述で、適切なものはどれ?

正解はC。肺静脈には、肺で酸素を受け取った動脈血が流れ、左心房へ運ばれます。Aは逆で、肺動脈に流れるのは静脈血。Bも逆で、逆流を防ぐ弁があるのは静脈です。血管名(動脈・静脈)は「心臓から出るか/戻るか」で決まり、血液の中身とは一致しないことがある点に注意。
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