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人体の構造と機能 Lesson 2
06

消化器系・泌尿器系のしくみ

「食べたものの行方」と「体の浄水場」

口から入った食物が、どこで・何によって消化・吸収され、残りがどう排出されるのか。消化管と消化腺(肝臓・胆嚢・膵臓)、三大栄養素と消化酵素、そして腎臓・ネフロンによる尿生成のしくみを、国試で答えられる形に整理。

食事も排泄も、毎日の介護の中心。だからこそ「体の中で何が起きているか」を知ると、食事介助も水分管理も見え方が変わる——そんな一枚です。

アテナ様の導き

からだは、食べたものをそのまま吸収できません。大きな栄養素を、腸の壁から取り込める小さな粒まで分解する——これが消化で、その主役が消化酵素です。糖質にはアミラーゼ、タンパク質にはペプシンやトリプシン、脂質にはリパーゼ。相手(基質)ごとに担当が決まっているのがポイントですわ。そして体を巡った血液から不要なものをこし取り、尿として捨てるのが腎臓。その最小単位がネフロンです。「入れる(消化・吸収)」と「捨てる(尿生成)」——生命を保つ二つのしくみを、いっしょに追いかけましょう。

アテナ様の導き(本音モード)

この単元、暗記が多くて心が折れがち。でも試験で狙われるのは「どの酵素が、どの栄養素を分解するか」のペアと、尿ができる順番(ろ過→再吸収)のたった2点にほぼ集約されます。酵素はよく入れ替えて引っかけてくる(アミラーゼで脂質を分解、みたいに)ので、ペアで覚えるのが最短。腎臓は「毎日150〜180Lもこし取って、99%を戻して、残り1%だけ尿にする」——このスケール感を掴むと、脱水も浮腫も納得できます。現場の水分管理に直結する話ですよ。

1枚でつかむ:食物の消化・吸収の旅
口腔 → 食道 → 胃 → 小腸 → 大腸
1

口腔(こうくう)

歯で咀嚼(そしゃく)し、唾液と混ぜて食塊(しょっかい)をつくる。唾液のアミラーゼが糖質の消化を始める。

2

食道(しょくどう)

約25cmの管。蠕動運動(ぜんどううんどう)で食塊を胃へ送る。ここでは消化・吸収はほぼしない。

3

胃(い)

入口=噴門、出口=幽門。胃液(ペプシン等)と混ざり、収縮して粥状(かゆじょう)に。一時的な貯蔵と消化を担う。

4

小腸(しょうちょう)

全長約6〜7m。胆汁・膵液・腸液で化学的に消化し、栄養のほとんどをここで吸収する消化の中心。

5

大腸(だいちょう)→ 肛門

全長約1.5m。残りから水分を吸収して糞便を形成し、肛門から排泄する。

1. 消化器系の全体像
消化管と消化腺/消化と吸収とは

消化器系は消化管消化腺からなります。消化管は口腔・咽頭・食道・胃・小腸(十二指腸・空腸・回腸)・大腸(盲腸・結腸・直腸)・肛門と一本につながる管。消化腺は唾液腺・肝臓(胆汁を分泌)・膵臓(膵液を分泌)などで、消化液を出して消化を助けます。消化器系の役割は、食物を摂取し、腸管から吸収できる大きさまで消化して栄養分を吸収し、残りかす(食物残渣)を排泄することです。

ざっくり言うと、体は「管(消化管)」と「その管に消化液を出す工場(消化腺)」でできています。管を通りながら、工場から出る消化液で食べ物をバラバラに分解し、栄養だけ吸収して、いらないものは便として出す。消化=小さくする、吸収=取り込む。この2語の意味が分かれば、あとの細かい話は全部この上に乗っかるだけです。

● 消化器系は「管」と「腺」の2つ

消化管(食物の通り道)

  • 口腔 → 咽頭 → 食道 → 胃
  • 小腸(十二指腸・空腸・回腸)
  • 大腸(盲腸・結腸・直腸)→ 肛門

消化腺(消化液を出す)

  • 唾液腺 … 唾液(アミラーゼ)
  • 肝臓 … 胆汁を生成
  • 膵臓 … 膵液(多くの消化酵素)

用語整理:消化管=食物が実際に通る一本道消化腺=そこへ消化液を注ぐ器官。肝臓・膵臓は管の外にあり、管(十二指腸)へ分泌する「付属器」です。

2. 消化管の各器官のはたらき
口腔から肛門まで/どこで消化・吸収するか

同じ「管」でも、器官ごとに役割は違います。消化と吸収の主役は小腸で、大腸は主に水分の吸収を担う——ここが混同されやすいポイントです。食道は運ぶだけ、胃は一時的にためて消化する場所、と役割で押さえましょう。

器官主なはたらき国試ポイント
口腔歯で咀嚼し、唾液と混ぜて食塊を形成。唾液のアミラーゼが糖質の消化を開始機械的消化(かむ)+化学的消化(酵素)の入口
食道咽頭と胃をつなぐ約25cmの管。蠕動運動で食塊を胃へ送る生理的な狭窄部が3か所。消化・吸収はほぼしない
食物を一時的に貯蔵し消化。胃液と混ざり粥状になる入口=噴門、出口=幽門。胃液のペプシンがタンパク質を分解
小腸全長約6〜7m。胆汁・膵液・腸液で消化し、栄養を吸収栄養のほとんどを吸収。壁の絨毛が表面積を広げる
大腸全長約1.5m。小腸で吸収された残りから水分を吸収し糞便を形成盲腸・結腸・直腸に区分。栄養吸収ではなく水分吸収が主

吸収の主役=小腸/水分吸収=大腸。「栄養は大腸で吸収」は誤り。定番の引っかけです。

3. 三大栄養素と消化酵素
基質と酵素の対応(取り違え注意)

大きな栄養素は、そのままでは吸収できません。消化酵素が「分解ばさみ」となって、吸収できる最小単位まで切り分けます。大切なのは「どの酵素が、どの栄養素(基質)を担当するか」。試験ではこのペアを入れ替えて出題されるので、セットで覚えます。

栄養素(基質)主な消化酵素出る場所分解後(吸収される形)
糖質(炭水化物)アミラーゼ唾液・膵液ブドウ糖などの単糖
タンパク質ペプシントリプシン・キモトリプシンペプシン=胃液/トリプシン等=膵液アミノ酸
脂質(脂肪)リパーゼ膵液(胆汁が乳化を助ける)脂肪酸・モノグリセリド

膵液は「消化酵素のオールスター」で、糖質のアミラーゼ・タンパク質のトリプシン/キモトリプシン/カルボキシペプチダーゼ・脂質のリパーゼをまとめて含みます。なお胆汁には消化酵素は含まれません。胆汁は脂肪を細かい粒にする乳化で、リパーゼが働きやすくする「下ごしらえ」役です(脂肪の消化吸収を間接的に促す)。ここも狙われます。

覚え方:ミラーゼ=糖(甘い)/プシン・リプシン=タンパク(プロテイン)/パーゼ=脂(ピッド)。頭文字で基質とひもづける。

4. 肝臓・胆嚢・膵臓(消化の付属器)
消化液を送り込む3つの工場

消化管の外側にあって、十二指腸などへ消化液を送り込むのが肝臓・胆嚢・膵臓です。この3つは名称とはたらきの結びつきがよく問われます。

器官主なはたらき国試ポイント
肝臓グリコーゲンの貯蔵、解毒作用、不要なアミノ酸を分解して尿素を生成、胆汁を生成成人で約1,300g。血管が2種=栄養素を運ぶ門脈・酸素を運ぶ肝動脈。出る血液は肝静脈へ
胆嚢肝臓でつくられた胆汁を濃縮してためる。食事時に十二指腸へ送るナス形・約70mL。胆汁は総胆管→ファーター乳頭から十二指腸へ。胆汁に消化酵素はない
膵臓外分泌=十二指腸へ消化酵素(膵液)を分泌/内分泌=血糖を調節するホルモンを分泌約15cm。内分泌はランゲルハンス島。インスリン(血糖↓)・グルカゴン(血糖↑)

肝臓=つくる、胆嚢=ためる(胆汁の関係)。膵臓は消化(外分泌)とホルモン(内分泌)の二刀流。この役割分担が頻出。

5. 泌尿器系と尿生成のしくみ
腎臓・尿管・膀胱・尿道/ネフロンとろ過・再吸収

泌尿器系は、体内で不要になった老廃物を尿として捨てるしくみです。尿を生成する腎臓と、尿を運び出す尿路(尿管・膀胱・尿道)からなります。腎臓は横隔膜の下、腰の高さの背中側に左右1対あり、長さ約10〜12cm・重さ約100〜120gのそら豆形。中央内側のくぼみを腎門といい、腎動脈・腎静脈・尿管が出入りします。

段階場所何が起きる
① ろ過糸球体(→ボウマン嚢)腎動脈の血液が糸球体でこし取られ、尿のもと=原尿ができる(1日150〜180L
② 再吸収尿細管原尿からアミノ酸・ブドウ糖・水・ナトリウムなど必要な物質の約99%を血液へ戻す
③ 分泌尿細管血液中に残った不要物を尿細管から尿へ追加で捨てる(尿の調整)
④ 排出腎盂→尿管→膀胱→尿道残り約1%(1.5〜1.8L)が尿として体外へ。膀胱に150〜200mLたまると尿意

スケール感:150〜180Lをこし取り、99%を戻し、残り1%だけ尿にする。だから体は水分・電解質を細かく調節できる。尿道は男性約16〜18cm/女性約3〜4cmと長さが違い、女性は尿路感染を起こしやすい。

消化管の流れと消化腺(付属器) 口腔 食道 噴門→幽門 小腸(十二指腸・空腸・回腸) ★ 消化・吸収の中心 大腸 水分吸収→便 肛門 消化腺(十二指腸へ分泌) 肝臓 胆嚢 膵臓 肝臓=胆汁生成 膵臓=膵液(酵素)

食物は口腔→食道→胃→小腸→大腸→肛門と一本の管を進む。栄養は小腸でほぼ吸収され、大腸で水分を吸って便になる。肝臓・胆嚢・膵臓は管の外から十二指腸へ消化液を送る「付属器」。※教科書の図を書き写したものではなく、しくみを整理したオリジナル模式図です。

ネフロン(腎臓の最小単位)と尿ができる流れ 腎臓 そら豆形・左右1対 尿管→膀胱 ネフロン=腎小体(糸球体+ボウマン嚢)+尿細管 糸球体 ボウマン嚢 ①ろ過 → 原尿(150〜180L) 尿細管 ②再吸収 (約99%を血液へ) → 残り1%が尿へ

血液は糸球体でろ過されて原尿になり(1日150〜180L)、尿細管を通る間に必要な水分・栄養の約99%が再吸収される。残った約1%が尿となり、腎盂→尿管→膀胱→尿道へ。糸球体+ボウマン嚢+尿細管の一組がネフロンで、腎臓1個に約100万個ある。※しくみを整理したオリジナル模式図です。

WORD:ネフロン
国試で問われる用語

ネフロン(腎単位)とは、腎臓で尿をつくる最小単位の構造。腎小体(糸球体+ボウマン嚢)と、それに続く尿細管を一組にしたもので、糸球体でこし取り(ろ過)、尿細管で必要なものを取り戻す(再吸収)という一連の尿生成を担う。ネフロンは腎臓1個に約100万個あり、これらが並行して働くことで、体は水分・電解質・老廃物を精密に調整している。

試験に出るところ
本音でまとめる
理解度チェック
押すと答えが出ます

Q1. 三大栄養素と消化酵素の組み合わせで、正しいものはどれ?

正解はA。タンパク質は胃液のペプシン、膵液のトリプシン・キモトリプシンなどで分解され、アミノ酸になります。Bは逆で、脂質を分解するのはリパーゼ。Cも逆で、糖質を分解するのはアミラーゼ。アミラーゼ=糖質、リパーゼ=脂質、ペプシン/トリプシン=タンパク質、とペアで覚えましょう。

Q2. 腎臓での尿の生成に関する記述で、適切なものはどれ?

正解はB。尿生成は糸球体でろ過(原尿:1日150〜180L)→尿細管で約99%を再吸収という順序。残り約1%(1.5〜1.8L)が尿になります。Aはろ過と再吸収の場所が逆。Cは誤りで、原尿は尿細管で大部分が再吸収され、そのまま膀胱にたまるわけではありません。

Q3. 消化器系のはたらきに関する記述で、適切なものはどれ?

正解はC。肝臓は胆汁を生成し(胆嚢が濃縮・貯蔵)、膵臓は消化酵素を含む膵液を十二指腸へ分泌します。Aは誤りで、栄養のほとんどは小腸で吸収され、大腸は主に水分を吸収します。Bも誤りで、胆汁に消化酵素は含まれません。胆汁は脂肪を乳化してリパーゼの働きを助ける役割です。
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