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第3章 移動・移乗の介護技術
5

残存能力の活用と
麻痺の障害部位・程度

うごかない場所が
違うだけの4タイプ

四肢・対・片・単麻痺と介助の3つのコツ

フルセット/下半身ストップ/半身おやすみ/一本おでかけ中

🌸 アテナの導き

麻痺は「動かない場所」と「動かせる場所」をきちんと見分けることから始まりますわ。四肢麻痺・対麻痺・片麻痺・単麻痺──部位と程度が違うだけで、原因も介助のコツも変わります。今回は4タイプの違い・3つの落とし穴・3つの魔法を学び、残存能力を活かすケアの土台を作りますわ。

🌸 アテナの導き(本音モード)

「四肢麻痺・対麻痺・片麻痺・単麻痺」って漢字だけ見ると怖いですわよね?でも安心して。ぜんぶ「うごかない場所が違うだけ」。今日は4つのタイプにアテナがニックネームをつけました。フルセット麻痺/下半身ストップ/半身おやすみ/一本おでかけ中。これで一気に頭に入りますわ!

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5分でわかる動画解説
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🗺️
1. 麻痺の4タイプ図鑑
動かない場所と原因の違いを押さえる
1. うごかない場所が違うだけの4タイプ
ニックネームでスッキリ覚える

麻痺(まひ)は、運動神経や脳・脊髄の損傷によって筋肉を意のままに動かせなくなる状態。動かない場所(分布)と程度で4タイプに分類され、それぞれ原因部位・介助のポイントが変わります。

麻痺ってひとことで言っても、「どこが動かないか」で4種類あるんですの。手も足もぜんぶか/両脚だけか/片側だけか/一本だけか。動かない場所が違うと、原因の場所介助のしかたも全部違ってきますわ。

4タイプ図鑑(分布別)
4タイプ図鑑:覚えやすいニックネーム付き
🦴
① 四肢麻痺
① フルセット麻痺
(ししまひ)
手足ぜんぶ頸髄損傷など首の神経のトラブルで起こる。原則として体幹も影響を受け、最も介助量が多い
手も足もぜんぶ動かない首の神経のトラブル(頸髄損傷)で起きる。一番ケアが大変なタイプ
🦵
② 対麻痺
② 下半身ストップ
(ついまひ)
両下肢のみ。胸髄・腰髄損傷など背中・腰の神経のトラブルで起こる。上半身は動くので車椅子自走可能
両脚だけ動かない。手は使えるので車椅子は自分で動かせる人が多い。背中・腰の神経のトラブル
🧠
③ 片麻痺
③ 半身おやすみ
(かたまひ)
片側半身(右半身 or 左半身)。脳血管疾患(脳卒中)で起こる。介護現場で最頻出。健側活用が鍵
体の片側だけ動かない脳の血管が詰まる・破れる(脳卒中)で起きる。介護施設で一番よく出会うタイプ
👋
④ 単麻痺
④ 一本おでかけ中
(たんまひ)
一肢のみ(右腕だけ・左脚だけ等)。末梢神経の損傷・分娩麻痺ぶんべんまひなど。比較的軽症
手か足が一本だけ動かない。その場所の神経が傷ついた結果。比較的軽症で、リハで動かせるようになる人も多い
💡

麻痺の評価では「動かない場所(分布)」に加えて、「程度」(完全麻痺/不全麻痺)、「原因部位」(脳/脊髄/末梢神経)も把握する。同じ「片麻痺」でも、左右どちらか・利き手側か・感覚の有無によって介助内容が大きく変わります。

ニックネームで覚えるのは入口。実際は「どこが・どのくらい・なぜ動かないか」を3点セットで見ます。同じ「片麻痺」でも利き手側だと食事が大変、左側だと半側空間無視がある、など個別差大。

麻痺は「動かない部分」だけを見るのではなく、「動かせる部分(残存能力)」を見つけて活かすことが介護の本質。これが次の章の3つの魔法の土台になります。

麻痺ケアの本丸は、「動かない場所」より「動く場所」を見つけること。残ってる力を活かしてあげるのが、本当の自立支援ですわ。

⚠️
2. 3つの落とし穴(合併症)
床ずれ・関節拘縮・廃用症候群
2. 3つの落とし穴
放っておくと連鎖する困ったお客様

麻痺があると動かない時間が長くなり、合併症のリスクが増えます。代表的なのが①褥瘡(床ずれ) ②関節拘縮 ③廃用症候群の3つ。これらは互いに連鎖し、放っておくと寝たきりへ加速します。

麻痺で動かないと、体には3つのお客様がやってきますの。床ずれ/関節カチコチ事件/使わない病。1人来ると次々呼んでくる連鎖型ですわ。

1
①褥瘡(じょくそう)
①床ずれ
同じ姿勢が続くと骨の出っ張りに圧がかかり、皮膚と組織が壊死。仙骨部・踵・大転子が好発。麻痺側は感覚低下で気づきにくい
同じ姿勢が続くとお尻の骨や踵にぐじゅっと穴があく。麻痺の側は痛みを感じにくいから、本人は気づかないうちに進行
2
②関節拘縮(こうしゅく)
②関節カチコチ事件
関節を動かさない時期が続くと関節包・筋肉・腱が固まり可動域が制限される。一度進むと回復が困難
動かさない関節はコンクリート化。一度カチコチになると元に戻すのはとても難しい。予防が9割
3
③廃用症候群(生活不活発病)
③使わない病
動かないことで全身が衰える状態。筋萎縮・骨粗鬆症・心肺機能低下・認知機能低下・うつ・誤嚥性肺炎・静脈血栓など多彩。麻痺の3大合併症の中で最も影響範囲が広い
動かないこと自体が体を蝕む全身病。筋肉・骨・心臓・頭・気持ちまで全部巻き込む。連鎖の最終形態

3つの落とし穴は互いに連鎖します。動かさない→拘縮→さらに動けない→褥瘡→廃用症候群→寝たきり、の悪循環。早期に介入することが運命の分かれ道。

この3つはつながってる。1個放っておくと残り2個が呼ばれて来ます。だから「動かす習慣」をどこで仕込むかが介護の腕の見せ所。

3. 介助のコツ・3つの魔法
脱健着患・体位交換・関節ストレッチ
3. 3つの魔法
毎日のケアに仕込みやすい3つだけ
1
①脱健着患(だっけんちゃっかん)
①脱ぐは元気・着るはお休み中
脱ぐときは健側から着るときは患側(麻痺側)から。動きの自由度が高い側を後にすることで、衣服の着脱ちゃくだつがスムーズに
服を脱ぐときは動く側から。着るときは動かない側から。これだけで着替えが半分の時間で終わる魔法
2
②2時間おきの体位交換
褥瘡予防の鉄則。仰臥位⇔右側臥位⇔左側臥位を、原則2時間ごとに変える。アラームで習慣化
②2時間アラームの寝返り
床ずれ予防の絶対ルールは2時間おきに体の向きを変えること。アラームを使って忘れない仕掛けを作る
3
③関節ストレッチ(ROM訓練)
③お風呂ついでのストレッチ
関節可動域(ROM)訓練を毎日継続。本人ができる範囲は自動運動、できない範囲は他動運動で介助。入浴後は関節がほぐれて訓練効果UP
関節を毎日少しずつ動かす。これがカチコチ防止の魔法。お風呂のあとは体が温まってほぐれているのでチャンス。「ついで」で習慣化するのがコツ
🎯

3つの魔法は「日々の介助動作の中に組み込む」のがポイント。着替え、入浴、就寝のタイミングで自然に行えば、特別なリハの時間を確保しなくても予防できます。

魔法は「特別な時間を作らず、日常の動作にこっそり混ぜる」のがコツ。着替え・お風呂・寝る前──毎日のタイミングで自動的に予防できる仕組みを作る。

📝 テストに出るところ
📝 テストに出るところ、本音でまとめ
ここまで読んで「全部わかった!」という人は、
下のボタンは押さなくて大丈夫です。

...でも正直、「四肢麻痺・対麻痺・片麻痺・単麻痺」「脱健着患」って、
ちょっと頭に入りにくくないですか?
大丈夫。それ、普通です。みんな同じですから。
※ 試験に出る用語はそのまま。意味がスッと入ってくるだけです。
どうですか?さっきよりスッと入ってきたでしょう?

でも試験では「正式な言い方」で出題されます。
意味がわかった今なら、あの難しい文章もちゃんと読めるはず。
——試してみませんか?
※ 本音モード ↔ 元の説明、何度でも切り替えて読めます。
🗺️
通算47枚到達!

「残存能力の活用と麻痺の障害部位・程度」を学びました。
次回は関節可動域(ROM)・良肢位へ進みます。

📝
理解度チェック
学んだ内容を確認しましょう
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