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生活支援技術Ⅱ・第1章 Lesson 2-②
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杖の種類と選び方

T字杖だけ貸与対象外、これが落とし穴

5種類の杖の特徴・適応・介護保険貸与の対象を、国試で答えられる形に整理。

T字杖は最もよく見るのに貸与対象外。ここを知らないと国試で1問落とします。

アテナ様の導き

杖は歩行を補助し、患側下肢にかかる体重を分散させる道具です。さらに支持基底面積を広げ、バランスを保ち、歩き方や速度を整えるはたらきもあります。種類は5つ。「支持面積が広い=安定/前腕で支える=筋力が弱くても使える」と整理して覚えましょう。介護保険の貸与対象からT字杖だけ外れているのが最大のひっかけポイントです。

アテナ様の導き(本音モード)

T字杖って一番ポピュラーな杖ですよね。だから「介護保険でレンタルできる」と思い込みやすい。でも実はT字杖だけ貸与対象外です。「使いやすくて安いものは自分で買ってね」という建付け。体重を強く預けないと使えない多点杖・ロフストランド・プラットホームは貸与OK。この線引きが国試の急所です。

1枚でつかむ:杖5種類とレンタル可否
支持面積が広いほど安定・遅い/前腕支持型は筋力が弱くても使える
🦯

T字杖

貸与×
🪴

多点杖

貸与○
🚶‍♀️

ウォーカー
ケイン

貸与○
💪

ロフストランド
クラッチ

貸与○
🤲

プラットホーム
クラッチ

貸与○

※T字杖だけ介護保険の福祉用具貸与の対象外。残り4種類は貸与対象。

1. 杖そのものの役割
補助・分散・安定の3機能

杖は単に「歩く助け」ではありません。具体的には次の3つのはたらきを持ちます。

① 体重を分散

患側下肢にかかる体重を杖と健側で受け止め、痛みや負担を減らす。

② 支持基底面積

立っている範囲を広げ、バランスを保ちやすくする。転倒を予防する。

③ 歩行の調整

歩き方・速度を整え、必要に応じて体勢を立て直す支えになる。

2. T字杖
最も普及しているが、介護保険の貸与対象外
🦯
貸与対象外

T字杖

最も普及している形・1点支持

比較的少ない支持で歩行できる場合に適しています。体重の支持、不安・疲労の軽減、バランスを崩したときの支えとして使います。

  • ファッション性に富む製品、折りたたみ式、伸縮式など多様
  • 利用者の身長・歩行状態に合わせた長さ調整が必要
  • 介護保険制度における福祉用具貸与の対象外(最大のひっかけポイント)

⚠ なぜT字杖だけ貸与対象外なのか

T字杖は普及度が高く価格が比較的安価で、利用者本人で購入しやすいため、介護保険の貸与対象から除外されています。試験では「最もよく使われる杖だから貸与対象である」のような誘導文に注意。

3. 多点杖・ウォーカーケイン
支持面積を広げて、バランスを補う
🪴
貸与対象

多点杖

3点・4点で支える

T字杖に比べて速度は遅くなるものの、支持面積が広く安定度が高いのが特徴です。バランスを崩しやすい人に向いています。

  • 脳血管障害の後遺症による片麻痺の歩行訓練に多用される
  • 車いすへの依存を防ぐ効果も期待される
  • 介護保険制度における福祉用具貸与の対象
🚶‍♀️
貸与対象

ウォーカーケイン

歩行器型杖

多点杖をさらに大型化したような形状で、歩行器に近い安定性を持ちます。多点杖と同じく、安定優先・速度低下のグループです。

  • バランスを崩しやすい場合に有効
  • 片麻痺の歩行訓練にも活用される
  • 介護保険制度における福祉用具貸与の対象
4. ロフストランド・クラッチ
前腕固定型:握り+前腕の2点支持
💪
貸与対象

ロフストランド・クラッチ

前腕固定型杖(ぜんわんこていがたつえ)

握りと前腕の2か所で支えるため、上肢の力を有効に使えます。手首・前腕の両方で杖を保持できるので、腕の筋力が弱い場合にも有効です。

  • 握りに加えて前腕カフ(カフ=輪っか)で支える
  • 手だけで体重を支えきれない人に適応
  • 介護保険制度における福祉用具貸与の対象
5. プラットホームクラッチ
前腕支持型:手指・手関節に負担をかけずに使える
🤲
貸与対象

プラットホームクラッチ

前腕支持型杖(ぜんわんしじがたつえ)

前腕全体を台(プラットホーム)に乗せて体重を支える杖です。手指や手関節に強い負担をかけられない人、肘関節に伸展制限がある人に使います。

  • 関節リウマチなどで手指・手関節に強い負担をかけられない場合
  • 肘関節に伸展制限がある場合
  • 介護保険制度における福祉用具貸与の対象
6. 5種類まとめ表
特徴・適応・貸与の有無を一覧で
杖の種類特徴主な適応介護保険貸与
T字杖最も普及。少ない支持で歩ける人向き軽度の歩行不安・疲労軽減対象外
多点杖3〜4点支持で安定度高い・速度は遅いバランスを崩しやすい人/片麻痺の歩行訓練対象
ウォーカーケイン歩行器型・支持面積が広いバランス不安・歩行訓練対象
ロフストランド・クラッチ握り+前腕の2点支持(前腕固定型)上肢の力が弱い人・腕の筋力低下対象
プラットホームクラッチ前腕全体を台に乗せる(前腕支持型)関節リウマチ・肘関節伸展制限対象
7. 杖の選び方
4つの条件を満たすものを選ぶ

選定の際は、利用者の免荷の程度手の機能に合わせます。さらに、丈夫であること、軽いこと、デザインに優れている(障害の部位・程度に適した形)ことも選定の条件になります。

※免荷(めんか)=骨折や捻挫などで、患部に体重をかけないこと。治癒に伴い免荷の程度は小さくなる。

⚖️

免荷の程度

どれだけ体重を分散する必要があるか

手の機能

握力・手指・手関節・肘関節の状態

🪨

丈夫さ・軽さ

毎日使うため耐久性と取り回し

🎨

デザイン

障害の部位・程度に適した形状/本人の好み

選び方で見落としがちなのが「デザイン」。本人が「これは持ちたくない」と感じる杖は、結局使ってもらえません。機能だけでなく、利用者が外に出たくなる杖を一緒に選ぶ視点を、介護職は持っておきたいです。最近のT字杖はファッション性に富んだ製品もたくさんあります。

試験に出るところ
本音でまとめる
理解度チェック
押すと答えが出ます

Q1. 介護保険の福祉用具貸与の対象外となる杖はどれ?

正解はA。T字杖は最も普及している杖ですが、介護保険の福祉用具貸与の対象外です。多点杖・ロフストランド・プラットホーム・ウォーカーケインはすべて貸与対象になります。

Q2. 関節リウマチで手指・手関節に強い負担をかけられない利用者に最も適切な杖はどれ?

正解はC。プラットホームクラッチ(前腕支持型)は前腕全体を台に乗せて支えるため、手指・手関節に負担をかけずに使えます。関節リウマチや肘関節伸展制限がある場合に適応されます。

Q3. ロフストランド・クラッチの特徴として正しいのはどれ?

正解はB。ロフストランド・クラッチは握りと前腕カフの2か所で支える前腕固定型。上肢の力を有効に使えるため、腕の筋力が弱い人にも有効です。Cはプラットホームクラッチ、Aは多点杖、DはT字杖の説明です。

Q4. 杖を選定するときの条件として、適切でないものはどれ?

正解はD。デザインは選定条件に入りますが、それは利用者本人が使う際の形状・好みです。介護職の使いやすさは選定基準ではありません。利用者中心の発想が大切です。
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