ベッド⇔車いす移乗・平地・坂道・段差を、国試で答えられる形に整理。Lesson 2の最終回。
坂道も段差も「下る方向=後ろ向き」。直感に反するから国試で狙われます。
車いす介助のキモは4つだけ。①移乗は健側に車いす/②ベッドと車いすは15〜20°(斜方接近法)/③下り坂は後ろ向き/④段差は直角に近づく。この4つを核に、利用者の安全を守る動き方が組み立てられます。前向きで下ると利用者は前のめりになって恐怖を感じます。「下る=後ろ向き」を体に染み込ませましょう。
車いすって普通に押せばいいと思いがちですが、坂を下るときに前向きで押すのは大事故のもと。スピードが出る・恐怖がある・止められない、で三重苦です。段差も同じで、下りるときは必ず後ろ向き。直感に反するから新人さんはよく間違える。覚え方は「上りは前、下りは後ろ」です。
車いすは利用者の健側に置く。立ち上がり後の動線を考える。
ベッドと車いすは15〜20°の角度(斜方接近法)。
急な坂・段差を下りるときは必ず後ろ向き。
段差に対して直角に近づく。斜めから上ろうとしない。
移乗の基本は「健側に車いす・斜方接近法・前傾姿勢で立ち上がり」。利用者の身体は健側を軸に動き、患側は介護職が保護します。
これから何をするかを伝え、利用者の同意を得る。
ベッドに浅く腰かけた端座位をとってもらい、安定を確認、靴を履いてもらう。
車いすを利用者の健側に置き、ベッドに対して15〜20°。フットサポートを上げ、健側ふくらはぎ辺りまで近づけ、ブレーキをかける。
健側の手で車いすのアームサポートをもつ。健側・患側のかかとを車いす側に向ける。介護職は患側を保護し、膝折れを防止する。
利用者に前傾姿勢をとってもらいながら立ち上がる。介護職は臀部を車いす側に向ける誘導と、健側の足での移乗を補助。
座面前面に位置していることを確認し、いっしょに腰を落として座る。前傾姿勢で深く座る。
健側の上肢・下肢を使って臀部を後ろに引いて深く座る。フットサポートを下ろし両足を乗せる(できれば自分で)。
ベッド→車いすの逆。15〜20°(斜方接近法)、ブレーキ、前傾姿勢の3つは共通。ベッド用介助バーがあれば健側でつかんでもらいます。
健側の手がベッド用介助バーに届く位置で、ベッドと車いすの角度15〜20°、ブレーキ。
健側でフットサポートを上げ、足を床へ。臀部をベッド側に向けて浅く腰かける。患側は介護職が介助。
ベッドに手をつくか介助バーをつかみ、健側に体重を乗せて前かがみ、腰を浮かせる。バランスを崩しやすい場合は介護職の足で患側のつま先を保護。
介護職は利用者の仙骨部を保護し、もう一方の手で患側の手または膝を支え、ベッドへの移乗を補助。
滑り落ちないようベッドの奥に座り直してもらい、姿勢・体調を確認。
平地では介護職は車いすの真後ろに立ち、両手でグリップをしっかり握ってゆっくり進みます。舗装されていない道では、キャスター(前輪)の軸に砂利が入らないようキャスターを浮かせた状態で進みます。
前向きで下ると、利用者は車いすから放り出されるような恐怖を覚え、介護職も全身で支えるのが難しくなる。急な坂は必ず後ろ向きで全身で車いすを支えるように下る。
砂利道ではキャスター(前輪)を浮かせた状態で進む。キャスター軸に砂や砂利が入ると故障の原因になる。後輪(駆動輪)だけで進むイメージ。
段差では利用者に不安を与えないよう、深く腰かけてもらい、安定した姿勢で声かけしながら介助します。段差に対しては直角に近づくのが原則。
車いすの後輪付近についている、足で踏み込むレバー。これを踏み込むとキャスター(前輪)が浮き、段差を越えられる。段差介助の必須テクニック。
| 場面 | 向き | コツ | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 平地 | 前向き | 真後ろから両手でグリップ | 舗装なし道はキャスター浮かす |
| 上り坂 | 前向き | 脇を締め、両足前後・全身で押す | 後ろに下がらないように |
| 下り坂 | 後ろ向き | 後ろの安全を確認しゆっくり | 前向きはNG・利用者が恐怖 |
| 段差を上がる | 前向き | 直角・ティッピングレバー | 膝の屈伸+大腿部で押し上げ |
| 段差を下りる | 後ろ向き | 直角・ティッピングレバー | 足先が段差に当たらないように |
Q1. 片麻痺の利用者をベッドから車いすへ移乗するとき、車いすの位置として最も適切なのはどれ?
Q2. 急な下り坂で車いすを介助するとき、最も適切な方法はどれ?
Q3. 車いすで段差を上がる介助で、最も適切なのはどれ?
Q4. 舗装されていない道で車いすを走行する際の介助として、適切なのはどれ?