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生活支援技術Ⅱ・第1章 Lesson 4-②
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衣服着脱の介助(一部介助)

「脱健着患(だっけんちゃっかん)」これだけで全部解ける

前開き上衣・ズボン・かぶり上衣の着脱手順を、脱健着患の原則で整理。

「脱ぐ=健側から/着る=患側から」。これ1つで上衣もズボンもかぶり物も全部いけます。

アテナ様の導き

衣服着脱介助の中心は、たった1つの原則です。「脱健着患(だっけんちゃっかん)」。脱ぐときは健側から、着るときは患側から。理由は、患側を最後まで袖の中に守る最初に袖の中に入れて固定するためです。介護職は患側に立ち、できるところは利用者自身に、できないところを介助します。バスタオルで露出を最小限にし、プライバシーへの配慮も忘れずに。

アテナ様の導き(本音モード

「だっけんちゃっかん」って初めて聞くと暗号みたいですが、漢字を読み下すと簡単。「脱」は「健」から、「着」は「患」から。たったこれだけ。理屈は「弱い側はできるだけ動かさない」です。脱ぐとき先に健側を外せば、患側はぶら下げたまま最後まで残せる。着るとき先に患側を通せば、その後の動作で患側を引っ張らなくて済む。介護職が患側に立つのは、急な転倒・脱臼に備えるため。「弱い側を守る」が全部の核です。

1枚でつかむ:衣服着脱の4原則
脱健着患・介護職は患側・露出最小・本人選定
🔄

脱健着患

脱は健側から、着は患側から

🧍

介護職は患側

転倒や脱臼に備えて患側に立つ。

🛡️

露出最小限

バスタオルなどで肌の露出を抑える。

👗

本人と選ぶ

衣服は事前に利用者と一緒に選んでおく。

1. 脱健着患の原則
これさえ覚えれば全シーン共通
📐 衣服着脱の絶対ルール「脱健着患」
脱(だつ)
健側患側
着(ちゃく)
患側健側
脱ぐときは健側から、着るときは患側から
「弱い側(患側)を最後まで/最初に動かす」ことで、痛み・脱臼・転倒のリスクを下げる。

なぜ脱は健側から?

健側を先に外せば、その後の動作で患側を引き伸ばさずに脱げる。患側はぶら下げたまま最後に袖を抜く。

なぜ着は患側から?

患側を先に通せば、健側は自分で動かして袖に通せる。患側を後から動かさずに済む。

2. 着脱前の共通準備
どの衣服でも同じ手順

どの衣服を着脱する場合でも、最初の準備は共通です。挨拶・説明・同意→健康確認→環境調整→ベッド安全確認の流れで進めます。

1

挨拶・説明・同意

着脱の介助内容を説明し、利用者の同意を得る。

2

健康状態の確認

体調・痛み・気分などを確認する。

3

ベッドの安全確認+高さ調整

キャスターのストッパーを確認し、介助しやすい高さにする。

4

室温・プライバシー保護

部屋の温度を確認、カーテン・スクリーンで仕切る。バスタオルで肌の露出を最小限にする。

5

衣服を一緒に選ぶ

着替える衣服は事前に利用者と一緒に選んでおく。介護職は患側に立つ。

3. 前開き上衣の着脱
ボタン式シャツ・カーディガンなど

前開き上衣は、ボタンを外して肩から下げる→袖を脱ぐ→新しい上衣を着るという流れ。脱・着のどちらも「脱健着患」を守ります。

脱ぐ(健 → 患)
1

端座位・健側でボタンを外す

利用者にベッドで端座位になってもらい、健側の手でボタンを外し、患側の肩の上衣を下げる。

2

健側の袖を脱ぐ

健側の袖を先に脱いでもらう。利用者ができるところは自分で、できないところを介助。

3

患側の袖を脱ぐ

患側の袖を脱ぐ。腕を高く上げない、ひねらないように介助する。

着る(患 → 健)
4

新しい上衣を患側の手に通す

利用者に患側の手から新しい上衣の袖に通してもらう。健側の手で肩まで上げる。できないところは介助。

5

健側の袖に通す

介護職がもう一方の袖を健側の手にもっていき、利用者に健側の手を袖に通してもらう。

6

ボタンを留める・整える

利用者に健側の手でボタンを留めてもらう。介護職は襟元・裾が乱れていないか確認し整える。着心地を確認する。

4. ズボンの着脱
立位+端座位の組み合わせ

ズボンは立位で下ろし→端座位で脱ぐ/通す→立位で上げるの流れ。立位の場面で介護職は患側に立ち、転倒に備えます。

脱ぐ(健 → 患)
1

立位でズボンを下ろす

立った状態で、利用者にズボンを膝あたりまで下ろしてもらう。介護職は倒れないように注意。

2

端座位になる

ベッド上で端座位になるか、いすに腰かけてもらう。

3

健側の足からズボンを脱ぐ

健側の手で、健側の足→患側の足の順にズボンを脱いでもらう。できないところは介助。

着る(患 → 健)
4

患側の足からズボンを通す

健側の手で、患側の足→健側の足の順にズボンを通してもらう。

5

健側の手でズボンを上げる

端座位のまま、健側の手でできるだけズボンを上げてもらう。

6

立ち上がってズボンを上まで

健側の手でバーをもち、健側の足で立ち上がってもらう。介護職は患側に立ち、必要に応じて支える。ズボンを上まで上げ、整える。

5. かぶり上衣の着脱
Tシャツ・トレーナー・セーターなど

かぶり上衣は頭を抜く/通す動作があるため、前開きより少し複雑。利用者の状態によって順番が変わることもありますが、原則は同じ「脱健着患」。

脱ぐ(健 → 患)
1

裾と襟をたくし上げる

健側の手で前身頃と後身頃を胸までたくし上げてもらう。

2

後ろ襟首をもち頭を抜く

健側の手で後ろ襟首をもって頭を抜く。うまく抜けない場合は介助。

3

健側→患側の順に袖を脱ぐ

健側の袖を肘から脱ぎ、次に患側の袖を脱ぐ。
※利用者の状態によっては健側の袖→頭→患側の袖の順になる場合もある。

着る(患 → 健)
4

新しい上衣を患側に通す

患側の手に袖を通し、健側の手で肩まで上げる。

5

頭を通す

健側の手で後ろ襟首と裾をもって頭を通す。難しいところは介助。

6

健側の手をもう一方の袖に通す

もう一方の袖に健側の手を通す。

7

整える

前身頃と後身頃を下ろし、利用者に整えてもらう。裾の乱れも確認。

6. 3種類まとめ表
脱と着、どの部位から進めるか
衣服脱ぐ手順着る手順
前開き上衣ボタン外す → 健側袖 → 患側袖患側袖 → 健側袖 → ボタン留める
ズボン立位で下ろす → 端座位 → 健側足 → 患側足患側足 → 健側足 → 立位で上げる
かぶり上衣裾上げ → 後ろ襟首で頭抜く → 健側袖 → 患側袖患側袖 → 頭通す → 健側袖 → 整える
試験に出るところ
本音でまとめる
理解度チェック
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Q1. 片麻痺の利用者の前開き上衣の着脱介助で、正しい順序はどれ?

正解はB。「脱健着患」の原則。脱ぐときは健側から、着るときは患側から。患側を「動かさない側」として最後/最初に扱うことで、痛み・脱臼・転倒のリスクを下げます。

Q2. 片麻痺の利用者の衣服着脱介助で、介護職が立つ位置として最も適切なのはどれ?

正解はB。介護職は患側に立ちます。患側はバランスを崩しやすく、立位の場面では転倒、関節の動きでは脱臼などのリスクがあるため、患側で支える位置に立ちます。

Q3. ズボンの着脱介助で、立位の場面の介助として最も適切なのはどれ?

正解はB。ズボンを上げ下ろしする立位の場面では、介護職は患側に立ち、必要に応じて支えます。患側の方が転倒リスクが高いため、その側を介護職が支える位置取りが基本です。

Q4. 衣服着脱介助での共通の配慮として、最も適切でないものはどれ?

正解はD(適切でない)。衣服は介護職の都合ではなく、利用者の希望や好みを尊重して一緒に選びます。利用者の自尊心・自己決定権を守るのが介護の基本です。
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