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生活支援技術Ⅱ・第1章 Lesson 6-②
32

尿器・便器・おむつ交換の介助

「おむつは最後の手段」介護職の都合では絶対に使わない

ベッド上での尿器・便器の介助とおむつ交換を、国試で答えられる形に整理。

尿器は男性側臥位、便器は女性陰部覆い、おむつは尿取りパッド併用。覚える「組み合わせ」が多い回。

アテナ様の導き

ベッドから起き上がれない利用者には、尿器・便器、それでも難しい場合はおむつを使います。尿器は男性は側臥位のほうが排尿しやすいケースあり。便器は仰臥位で膝を曲げ腰を上げて差し込み、女性は排尿に備えてトイレットペーパーで陰部を覆い、男性は尿器を併用。おむつは自尊心を傷つけるため、介護職の都合では絶対に使わず、利用者の気持ちを最優先に検討します。

アテナ様の導き(本音モード)

おむつ使用って、本人にとっては「もう自分でできない」と認めさせられる瞬間です。だから「介護職が楽だから」とか「夜のオムツ交換が面倒だから」では絶対に使わない。動ける人にはトイレ・ポータブル・尿器・便器を最後まで提案するのが介護職の仕事。覚えるテクニックは「テープ止めの留め方」と「パンツタイプとテープ止めの使い分け」と「尿取りパッド併用」。この3つで国試はクリアできます。

1枚でつかむ:ベッド上の排泄介助3つ
尿器・便器・おむつの使い分け
🥤

尿器

排尿のみ/男性は側臥位がしやすい

🪣

便器

排便用/女性は陰部覆い/男性は尿器併用

🩲

おむつ

全介助レベル/最後の手段

尿
1. 尿器での排泄介助
ベッドから起き上がれない場合に使用

尿器はベッドから起き上がれない場合などに使用します。男性は側臥位になると排尿しやすくなるため、利用者の同意があれば側臥位への介助も行います。

1

挨拶・健康確認・同意・カーテン

排泄介助の内容を丁寧に説明し同意を得る。カーテンを閉めてプライバシー保護。

2

防水シーツ・体位

布団を足元にたたみ、利用者に側臥位になってもらい防水シーツを敷く。仰臥位に戻し、ズボン・下着を下ろし、腰部と膝上にバスタオル

3

尿器を挿入

利用者に尿器を挿入してもらう。男性は側臥位がしやすい場合、同意を得て側臥位を介助。

4

離席

終了時に声をかけるよう伝え、その場を離れる。

5

戻ったら確認・尿道口を拭く

声をかけられたら戻り、残尿感はないか確認。尿器を外しトイレットペーパーで尿道口を拭いてもらう。

6

手洗い・衣服

手洗いまたはおしぼり、下着・ズボンを上げる。寝具・衣服の汚れを確認。

7

後片付け・記録

カーテンを開けて空気入れ換え、消臭剤。尿をトイレに捨て尿器を洗浄。物品片付け、手洗い、記録。

💡 男性の尿器使用と側臥位

男性は仰臥位だと尿の勢いで尿器から漏れることがあるため、側臥位のほうが排尿しやすく漏れも少ない。ただし同意が前提。

便
2. 便器での排泄介助
仰臥位で膝を曲げ腰を上げて差し込む

便器はベッドから起き上がれない場合などに使用します。仰臥位で膝を曲げ腰を上げ、便器を臀部の下に差し込み、肛門部が便器の中央にくるようにします。

1

挨拶・同意・準備

説明と同意。カーテンで配慮。布団を足元にたたみ、側臥位で防水シーツ。仰臥位に戻しズボン・下着を下ろし、腰部・膝上にバスタオル。

2

膝を曲げて腰を上げる・便器差し込み

利用者に膝を曲げて腰を上げてもらう。介護職は腰部を支え、もう一方の手で便器を臀部の下に差し込む。肛門部が便器の中央にくるように。

男女別の対応

🌸

女性の便器使用

排尿に備えて
トイレットペーパーで陰部を覆う

排便時にも排尿が同時にあることを考慮。陰部をトイレットペーパーで覆うと、尿の飛び散りを防げる。

男性の便器使用

尿器を併用挿入

男性は便器に座っているだけでは尿が漏れる。尿器を挿入することで便器と分けて受け止められる。

3

バスタオル・ギャッチアップ・離席

バスタオルをかけ直し、ベッドをギャッチアップ。終了時に声をかけるよう伝え、その場を離れる。

4

戻ったら確認・拭く

戻ったらすっきりしたか確認。尿器を外しトイレットペーパーで陰部・臀部を拭く(自力できない場合は使い捨て手袋で介助)。

5

便器を外し・皮膚状態確認

便器を外し、蒸しタオルで清潔にしながら肛門周囲・皮膚の状態を確認。手袋を外す。

6

下着・衣服・空気入れ換え

下着・ズボンを上げ、衣服・寝具の汚れ確認。手洗い、カーテンを開けて空気入れ換え、消臭剤。

7

排泄物確認・洗浄・記録

排泄物の状態を確認、異常があれば医療職に報告。異常なければ便器・尿器を洗浄。物品片付け、手洗い、記録。

💡 便器の差し込み方法

仰臥位:膝を曲げて腰を上げた状態で差し込む(基本)。側臥位:横向きの状態で背後から差し込む(腰を上げられない場合)。便器の種類は和式・洋式・ゴム製(エアー式)がある。

3. おむつ使用の前提
「最後の手段」という意識を常に

⚠ おむつは自尊心を傷つける可能性がある

おむつを使用することは、自尊心を傷つけ自信を喪失することにつながる。介護職の都合で使用することは絶対に避ける。利用者の気持ちを最優先し、最後の手段であることを理解したうえで使用を検討する。

ただし、移動可能な利用者で外出時に尿漏れの不安がなくなるといった場合もあります。本人の希望と生活の質向上の観点から、おむつが選択肢のひとつになることもある、と理解しておきます。

4. おむつの種類と選び方
パンツタイプ vs テープ止めタイプ

おむつはサイズ・身体状況・1回の排尿量・使用時間に合わせて選びます。現在は紙おむつが中心で、パンツタイプテープ止めタイプがあります。布おむつは施設では現在ほとんど使われません。

👖

パンツタイプ

排泄の自立訓練時
一部介助で自分でズボンを下ろせる場合
  • 下着のように履ける
  • 動ける利用者向け
  • 外出時にも対応
  • 自尊心への影響が比較的少ない
🩲

テープ止めタイプ

長期臥床
排泄の全介助を要する場合
  • テープで固定
  • 寝たまま装着
  • 全介助レベル向け
  • サイズ調整がしやすい

💡 尿取りパッドの併用が経済的

紙おむつは使い捨てだが、尿取りパッドを併用するとパッドだけ交換すればよく、経済的+利用者の身体的・心理的負担も軽減できる。介護現場の定番テクニック。

5. おむつ交換の手順(テープ止め+尿取りパッド)
陰部洗浄・清拭・新しいおむつの装着

事前に新しいおむつをセットしておきます。手順の核心は「古いおむつを汚れた面を内側に丸める」「陰部洗浄→清拭→新しいおむつ装着」「ギャザーは内側、テープは骨盤に沿うように」です。

1

準備・挨拶・同意

事前に新しいおむつをセット。挨拶・説明・同意。寒くないか尋ね、カーテンを閉める。バスタオルをかけ、布団は足元。

2

仰臥位・ズボン下ろす・膝立てる

仰臥位、ズボンを下ろす。膝を立ててもらう(できない場合介助)。

3

手袋装着・「失礼します」

手袋装着、「失礼します」と声かけ。テープ止め紙おむつと尿取りパッドを開く。

4

排泄物確認・おむつを丸める

排泄物の状態を確認。おむつの汚れた部分を内側にして丸める

5

陰部洗浄

陰部洗浄を実施。パッド汚れ少→開いたまま、汚れ多→丸めて側臥位で取り外し、仰臥位に戻して洗浄。
(女性は前→後ろ、男性は包皮を引いて亀頭まで。前回29回参照)

6

陰部の清拭・皮膚状態確認

蒸しタオルで陰部を拭き、側臥位で臀部・肛門部を拭く。皮膚状態を確認

7

古いおむつを丸めて取り外し

古いおむつは汚れた面を内側に丸めて小さくまとめる。その外側に新しいおむつを当てる。仰臥位に戻し古いおむつを取り除き、汚物入れへ。手袋を外してポリ袋に入れて廃棄

8

新しいおむつを当てる

新しいおむつを広げる。おむつの中心と臀部の中心を合わせ、おむつの上端を腸骨部に当てる。必要に応じてパッドを併用(ギャザーの内側にはみ出さないように)。

9

鼠径部・ギャザー・圧迫感

おむつを鼠径部に沿わせて当てる。鼠径部はきつくならないように、ギャザーに隙間がないようにする。圧迫感がないか利用者に確認。

10

テープを留める

テープは骨盤に沿うように留める(次のセクション参照)。

11

後片付け・記録

ズボンを上げ衣服を整え、布団を戻す。終了を伝えねぎらう。カーテンを開けて空気入れ換え、手洗い、記録。

テープの留め方

下のテープと上のテープで方向が違う
下のテープ
下 → 上向き ↗
上のテープ
上 → 下向き ↘
どちらも骨盤に沿うように留める。テープがしっかり骨盤を包むことで、ずれや漏れを防ぐ。
6. 3方法まとめ表
適応と使い分け
方法適応固有のポイント
尿器排尿のみ、起き上がれない男性は側臥位がしやすい
便器排便、起き上がれない仰臥位で膝曲げ腰上げ/女性は陰部を覆う男性は尿器併用
パンツタイプおむつ排泄自立訓練/一部介助下着のように履ける/動ける利用者
テープ止めおむつ長期臥床/全介助テープは骨盤に沿う/下は上向き/上は下向き/尿取りパッド併用
試験に出るところ
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Q1. 男性が尿器で排泄するとき、最も排尿しやすい体位はどれ?

正解はB。男性は仰臥位だと尿の勢いで尿器から漏れることがあるため、側臥位のほうが排尿しやすく漏れも少なくなります。利用者の同意が前提です。

Q2. 女性が便器で排泄する際の介助として最も適切なのはどれ?

正解はB。女性は便器使用時に排尿があると尿が飛び散ることがあるため、トイレットペーパーで陰部を覆って受け止めます。男性は尿器を併用挿入します。

Q3. 排泄の自立訓練時や、自分でズボンを下ろせる利用者に適したおむつタイプはどれ?

正解はA。パンツタイプは下着のように履けるため、排泄の自立訓練時や一部介助で自分でズボンを下ろせる利用者に向いています。テープ止めは長期臥床の全介助向けです。

Q4. テープ止め紙おむつのテープを留める方向として最も適切なのはどれ?

正解はB。下のテープは下から上向き、上のテープは上から下向きに、骨盤に沿うようにクロスして留めます。これでテープが骨盤をしっかり包み、ずれや漏れを防ぎます。
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