5種類の尿失禁・5種類の便失禁、便秘・下痢の対処方法を、国試で答えられる形に整理。
蓄える障害/出す障害/環境障害の3カテゴリで整理すれば、暗記の負担が一気に減ります。
排泄障害は「ためられない(蓄尿/蓄便障害)」「うまく出せない(排尿/排便障害)」「環境のせいで間に合わない(環境障害)」の3カテゴリで整理します。これに当てはめると、5種類の尿失禁も5種類の便失禁も覚えやすくなります。失禁があってもすぐにおむつにせず、原因を見極めて医療職と相談するのが第一歩。腹圧性は骨盤底筋訓練、切迫性は膀胱訓練、機能性は環境整備+誘導と、対処方法と原因はペアで覚えます。
失禁って聞くと「もう仕方ない、おむつだね」と思いがちですが、原因によって対処は全然違うんです。くしゃみで漏れる人(腹圧性)は骨盤底筋を鍛える、急に来て間に合わない人(切迫性)は膀胱訓練で我慢の時間を伸ばす、トイレが遠くて間に合わない人(機能性)は手すりやポータブルで環境を変える。これだけで失禁が解消することは現場でもよくあります。「失禁=おむつ」じゃない、これがLesson 6-③の本音です。
蓄尿/蓄便障害/腹圧性・切迫性
排尿/排便障害/溢流性・反射性(尿)・疑似性下痢(便)
環境障害/機能性失禁
排尿・排便が正常な状態。意思によってコントロールできる。
尿や便が自分の意思と関係なく漏れること。心理的・社会的にも影響。
尿や便が漏れるだけでなく、出にくくなる、頻繁にトイレに通うことも含めて排泄障害といいます。
失禁があってもすぐにおむつを使用せず、失禁の原因を見極め、排泄の状態を観察して医療職と相談する。原因ごとに対処方法が変わる。
尿がでにくくなっていること。神経が障害されているものを神経因性膀胱という。
1日10回以上の排尿。夜間に多いのは夜間頻尿。緊張・外出時にも増える。
失禁がみられたときには手際よく始末し、利用者の人格を傷つける言葉や態度は避ける。「またですか」「困りますよ」などのつぶやきも禁物。
便失禁は尿失禁以上に臭いがあり、心理的・社会的な影響が大きい問題。蓄便障害・排便障害・環境障害の3カテゴリで整理します。
便の水分が多くなり、泥状または液体の状態。
便が硬くなり、排便しにくい状態が何日も続く。苦痛を伴う。
排便回数が多いこと。
便秘は食生活・水分摂取・疾患・薬の影響・活動量・排便環境・生活習慣・心理などが影響します。原因を知り、薬は補助的な手段と考えて、気持ちよく排便できる工夫を組み合わせます。
寝床から起き上がると腸の運動が促され、大腸の便が直腸へ動く。
朝食を摂り、便意があったら必ずトイレ。排便反射が起こると便意を催すが、我慢すると消失し便秘につながる。
便座に座り、前かがみで膝と腰を曲げ、腹圧をかけやすくする姿勢。
不溶性=水分吸収して膨らみ大腸ぜん動運動を活発化/水溶性=腸内環境を整える。
水分不足が便秘の原因。朝起きがけにコップ1杯の水で消化管を刺激し腸の運動を活発に。
上体ひねり・股関節屈伸・両膝を抱えるなどの運動が排便を促す。
腹部全体を温めると腸を刺激し排便を促す。
「朝起きてコップ1杯の水→朝食→便意があったらすぐトイレ」が黄金パターン。この生活リズムを支える環境整備が介護職の腕。
下痢には、感染症による一時的な食中毒、過食・脂質過剰・水分過剰・腹部の冷え、薬剤・下剤の服用、心理的影響などが原因となります。激しい痛みや血便、嘔吐・吐き気、持続的腹痛がないかも観察し、続くなら受診します。
体内の水分と電解質(ナトリウム・カリウム)が失われる。白湯・スポーツドリンクで補給。コーヒー・アルコールは刺激物なので避ける。
脂肪の多い食べ物を避け、消化吸収の良いものを摂る。
下腹部を温め、腸のぜん動運動を緩やかにする。
急な下痢を伴う場合は感染症の恐れ。排泄物で汚れた衣類は次亜塩素酸ナトリウムで処理。
ノロウイルスなど胃腸炎の感染対策には次亜塩素酸ナトリウムが有効。アルコール消毒では効果が不十分なウイルスもある。施設では希釈方法を含めて運用が決まっていることが多い。
| 分類 | 種類 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|---|
| 蓄尿 | 腹圧性尿失禁 | 骨盤底筋群が緩む | 骨盤底筋訓練・パッド |
| 蓄尿 | 切迫性尿失禁 | 脳血管障害など | 薬剤・膀胱訓練・水分コントロール |
| 排尿 | 溢流性尿失禁 | 前立腺肥大症など | 薬剤・手術・カテーテル導尿 |
| 排尿 | 反射性尿失禁 | 上位排尿中枢損傷 | カテーテル導尿・排尿訓練 |
| 環境 | 機能性尿失禁 | 運動低下・認知症 | 住環境整備・誘導 |
| 蓄便 | 腹圧性便失禁 | 肛門括約筋低下 | 下痢止め・専門医 |
| 蓄便 | 切迫性便失禁 | 下痢・括約筋損傷 | 下痢の改善 |
| 排便 | 溢流性便失禁 | 便がたまっている | 下剤・浣腸・生活習慣 |
| 排便 | 疑似性下痢 | 硬い残便の間を下痢 | 便秘の改善 |
| 環境 | 機能性便失禁 | 運動低下・認知症 | 住環境整備・誘導 |
Q1. 出産・加齢で骨盤底筋群が緩み、くしゃみなどで漏れる尿失禁はどれ?
Q2. 運動機能低下や認知症でトイレに間に合わず漏れる尿失禁の対処として最も適切なのはどれ?
Q3. 直腸に硬い残便があり、その間を下痢が漏れでる状態を何という?
Q4. 下痢を起こした利用者への対応として最も適切なのはどれ?