ターミナルケア(エンドオブライフケア)の意義、4つの痛み、キューブラー・ロスの5段階を、国試で答えられる形に整理。
否認→怒り→取り引き→抑鬱→受容。理想は受容、現実は抑鬱。これが国試の急所。
ターミナルケア(エンドオブライフケア)は、回復が見込めない終末期にある方への援助です。疾患の治療や延命治療はおこなわず、身体的・精神的・社会的・霊的(スピリチュアル)の4つの痛みをできる限り取り除き、自己決定を尊重してQOLの向上を目指します。キューブラー・ロスの死にゆく心理過程5段階「否認→怒り→取り引き→抑鬱→受容」は国試の超頻出。理想は受容で迎えることですが、実際は抑鬱のまま亡くなる方が多いことも押さえます。
ターミナルケアは「治す」を諦める介護じゃありません。「最期まで生きる」を支える介護です。痛みを和らげ、その人らしく時間を過ごし、家族と最期を共有する。これがホスピスの考え方。霊的な痛みって国試独特の表現ですが、「何のために生まれてきたんだろう」という存在そのものへの問い。答えは出ません。介護職にできるのは共感的にそばにいること。これが意外と難しい。
痛み・倦怠感・苦痛
→医療職と連携
不安・恐怖・悲しみ・諦め
→共感的に耳を傾ける
存在の意味・実存の痛み
→共感的にそばにいる
終末期(ターミナル期)とは、現代の医療技術をもってしても回復の見込みがなく、数週間から数か月のうちに死が訪れると予想されてから亡くなるまでの期間。終末期にある人を対象としたケアをターミナルケア(エンドオブライフケア)といいます。
ターミナルケアの手本となる考え方。本来は末期がん患者へのケアの場、広義にはケアの考え方全体。
最期まで充実した生を全うできるよう、緩和ケア中心の援助。QOL向上を目指す。
基本的に疾患そのものへの治療や延命治療はおこなわない。
4つの痛みの緩和と利用者の自己決定の尊重。
終末期の援助で最も重要なのは身体的苦痛をできる限り取り除くこと。痛みや倦怠感が常に続くと残された時間を安らかに過ごせず、QOLも低下します。医療職と連携して苦痛をコントロール、最期までその人らしい生活を送れるよう援助します。
室内を明るく清潔に、温度調節、温かい雰囲気。衣類・寝具は本人の希望を取り入れる。
少しでも食欲が増し栄養が補給できるよう本人の希望を取り入れる。
入浴・シャワーで清潔保持。できない場合は足浴などの部分浴・清拭。
苦痛を和らげるため必要に応じて体位変換。
十分な配慮をもっておこなう。
モルヒネ等の管理方法・副作用を医療職に確認、利用者の状態を観察。
アメリカの精神科医E.キューブラー・ロスは、死にゆく人々がたどる心理過程を5段階に分けて説明しました。第5段階の「受容」に至るのが理想ですが、実際は第4段階「抑鬱」の状態で死を迎える人が多いとされます。
死という衝撃的な事実に対し、緩衝作用としてこれを認めないという意識が働く。「自分は違う」「何かの間違いだ」。
「どうして自分が?」という怒りや恨み、健康な人への羨望・嫉妬の感情が起こる。
良いおこないと引き換えに、「命さえ助かれば何でもします」と何かにすがる。延命や苦痛軽減のための取り引きをしようとする。
これまでの段階が無駄であると知り、抑鬱状態に。身体的変化への反応と、死を迎える準備として現れる準備抑鬱がある。
嘆き・悲しみ・怒りなどの過程を経て、来るべき自分の最期を静かに見つめ、受容するようになる。
第5段階の受容が理想ですが、実際は第4段階の抑鬱で死を迎える人が多いとされます。介護職は無理に受容へ導こうとせず、利用者の複雑な胸の内を察し、共感的な姿勢で耳を傾け、できる限り穏やかな気持ちで最期を迎えられるよう援助します。
終末期は単に死を待つだけではなく、死と向き合う苦しみの中でも人間的に成長できる大切な時間です。利用者が最期まで生きることの意味を模索し、限られた時間でも意欲的に自己実現を図れるように援助することが介護職の重要な役割。
自己の人生を見つめ、不完全であることを嘆く利用者に対し、その人生を肯定し、最期までなすべき大切なことがあると伝え、やり残したことを少しずつでも実現できるようはたらきかける。
霊的な痛みとは、「何のために生まれてきたのか」「生きることにどんな意味があるのか」などという自己存在に対する実存的な痛み。自分の存在が「死」という最大の危機にさらされることによって感じる痛みです。
霊的な痛みに対しては、何かをすることよりも共感的な態度でそばにいることが重要。答えは出ないし、出さなくていい。沈黙を恐れず、利用者の存在そのものを受け止める姿勢が、最大の援助になる。
ターミナルケアでは、利用者への全人的な援助のために、さまざまな分野の専門家が1つのチームを組んで対応します。チームメンバー全員が共通したケアの考え方をもち、最新の情報を共有することが重要。
診断・治療判断
医療的ケア
日常生活援助
調整役
薬剤管理・指導
社会資源活用
定期的なチームミーティングやケースカンファレンスを開催。意見交換と意思統一を重ねてチームの質を高める。
| ICF構成要素 | 観察のポイント |
|---|---|
| 健康状態 | 疾患、痛みや苦痛、体調の変化 |
| 心身機能・身体構造 | 身体機能・精神機能・感覚機能・認知機能の状態 |
| 活動 | 移動・移乗、ADL・IADL、意思表示・コミュニケーション、食事・水分摂取 |
| 参加 | 家庭・社会での役割、活動範囲 |
| 環境因子 | 住居・居室、家族・近隣・地域、看取りに関する家族の認識、経済状況、社会資源 |
| 個人因子 | 年齢・性別・性格・職業・教育歴、生活習慣・死生観、信仰の有無、生育歴 |
Q1. ターミナルケアにおける基本的な援助方針として最も適切なのはどれ?
Q2. キューブラー・ロスの死にゆく人の心理過程として正しい順序はどれ?
Q3. 終末期の利用者が感じる「霊的(スピリチュアル)な痛み」への対応として最も適切なのはどれ?
Q4. ターミナルケアにおける4つの痛みに含まれないものはどれ?