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生活支援技術Ⅱ・第1章 Lesson 8-②
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終末期の在宅・施設・家族支援

看取り介護加算・在宅4原則・グリーフケア

死を迎える場の選択、在宅ターミナルケアの原則、家族支援、グリーフケアを、国試で答えられる形に整理。

「自宅で死にたい」が49.5%、実際は病院が80%超。この差を埋めるのが在宅ターミナルケアの仕事。

アテナ様の導き

死を迎える場所は病院・施設・在宅の3つ。施設では2006年度に「看取り介護加算」が新設され、看取りの体制が整えられてきています。在宅は家族の介護力・症状コントロール・支援体制が条件で、4つの原則(生活尊重・苦痛優先・安心確保・複雑な処置を家族に任せない)に沿って援助。家族には「最善を尽くした」と感じてもらえる支援を、亡くなった後はグリーフケアで遺族の悲嘆に寄り添います。

アテナ様の導き(本音モード)

「自宅で看取りたい」という家族の希望、現場でよく聞きます。でも実際は家族の負担と医療体制の問題で、最期に病院に運ばれることが多いのが現実。だから在宅ターミナルケアでは「家族の介護力を超えない」「複雑な処置は家族に任せない」が原則。家族が燃え尽きたら看取りは続けられません。亡くなった後のグリーフケアも介護職の大事な仕事です。「あの時もっとできた」と後悔させない関わりが、遺族の立ち直りを支えます。

1枚でつかむ:死を迎える3つの場所
特徴と支援のポイント
🏥

病院・診療所

医療的処置中心/実際は8割超がここで亡くなる

🏠

施設

2006年に看取り介護加算新設/看取りの要望は増加

🌸

在宅

自宅で看取られたい49.5%/きめ細かい介護/家族の負担

1. 施設でのターミナルケア
看取り介護加算の役割

施設では病院に比べ医療的処置に限界があり、終末期を過ごす環境が整っているとはいいがたい面もありますが、看取りの要望は高まっています2006年度の介護報酬等改定で「看取り介護加算」が新設され、指定介護老人福祉施設などで重度化や看取りに向けた体制強化が進んでいます。

💡 看取り介護加算(2006年度新設)

施設で看取り介護をおこなった場合に評価される加算。これにより施設での看取り体制が強化されてきている。家族の事情で在宅看取りが困難でも、住み慣れた施設で最期を迎えられる選択肢が広がっている。

2. 在宅でのターミナルケア
5条件と4原則

利用者が住み慣れた自宅でのターミナルケアを望む背景には「最期まで好きなように過ごしたい」「家族との時間を多くしたい」という思いがあります。1対1できめ細かい介護が可能で、プライバシーも守られやすく、わが家にいる安心感がある利点もあります。

在宅ターミナルケアの5条件

🙋
利用者と家族が在宅希望
📊
症状コントロールが簡単
🔁
定期的・継続的なケア
👨‍👩‍👧
家族の介護力
🚨
急変時の支援体制

在宅ターミナルケアの4原則

1

生活を尊重・束縛しない

利用者・家族の生活を尊重、できるだけ束縛しない

2

苦痛を与えない

苦痛を与えないことを第一とし、自然な経過を見守る

3

安心を確保

利用者・家族が常に安心していられるようにする(不安を除去)

4

家族に任せない

複雑な医療処置を家族に任せず、安全な方法で症状緩和

💡 在宅ターミナルケアの利点

1対1のきめ細かい介護/家族それぞれの希望に合った看取り/プライバシーが守られやすい/わが家にいる安心感

3. ターミナル期にみられる症状
身体の変化を把握する

ターミナル期には身体の多面的な変化が現れます。失禁・出血傾向・感染しやすさ・褥瘡・嚥下困難・多臓器不全・傾眠・呼吸異常などが特徴。臨終期には発熱・意識障害もみられます。

失禁状態になる
出血傾向が強まる
感染症・肺炎を起こしやすい
褥瘡ができやすい
嚥下困難・栄養失調・脱水
多臓器不全が進行・衰弱
傾眠状態が続く
呼吸異常(努力呼吸・下顎呼吸・喘鳴
倦怠感/便秘/浮腫/チアノーゼ/痙攣/喀痰増加
臨終期:発熱・意識障害

⚠ 医療職との情報共有が命綱

医師・看護師と病状・予後を随時連絡し情報共有。バイタルサイン(体温・脈拍・呼吸・血圧)を観察し、どのような状態のときに医師に連絡すべきかあらかじめ確認しておく。ケアマネジャーによる多職種連絡調整も重要。

4. 家族への支援
「最善を尽くした」と感じてもらえるように

ターミナル期では、介護職は家族に「できる限りのことはやった」「最善を尽くした」と感じられるよう支援することが大切。日頃から家族が死をどう捉えているかを観察し、家族の不安に寄り添い共感的態度で接します。

🙏 臨終期の葛藤への対応

家族が苦しむ姿で葛藤する場面では、利用者の意識が薄れていること、身体が反射的に動いていること、残された時間が少ないことを伝えて気持ちを落ち着かせる。

🤲 そばにいるよう促す

家族には手足をさする・優しく声をかけるなどしてできるだけそばについているように促す。

🍵 食べられなくなったら

食欲がなくなり食べなくなる場合、衰弱を心配する家族に伝える対応:無理に食べさせない/ガーゼを水に浸して口を拭く/小さな氷を口に含ませる。誤嚥予防のため。

💖 共有された時間への肯定

家族が「もっとできた」と後悔しないよう、これまでの関わりを肯定し、安心して最期を共有できるよう支える。

5. 在宅ターミナルケアにおける専門職の役割
チームで利用者と家族を支える
介護福祉士

日常に必要な介護、利用者・家族への精神的支援、家事援助、死後のグリーフケア。利用者・家族の状態を最もよく知る立場。

医師

身体的苦痛の緩和。原疾患の治療・延命治療は基本的にしない。訪問診療、他職種への情報提供、死亡時の死亡診断書作成。

看護師

身体的・精神的苦痛の管理。利用者が亡くなった場合の遺体の処置

社会福祉士

権利擁護、経済的問題、社会的問題、医療に関する問題の調整・援助。

薬剤師

注射薬の調整、薬歴管理、服薬指導、副作用に関する情報提供

栄養士・管理栄養士

食事全般の指導、情報提供。

ボランティア

利用者・家族の日常生活サポート、支援チーム内の潤滑油、遺族が社会生活に戻るための援助。

6. グリーフケア
遺族の悲嘆に寄り添う

📖 グリーフケア(grief care)

grief = 悲嘆

死別に対する身体的・精神的に不安定な情緒的状態」を表す。グリーフケアとは、身近な人を亡くした人に寄り添い、悲しみから立ち直ることができるように支援すること

故人を巡る共通の思い出をもつ介護職は、遺族と悲しみを共有していることを伝え、遺族が立ち直っていく過程を精神的に支えていくことが大切です。

💡 グリーフケアの目標

家族に、利用者の生存中に最善のケアをおこなったという肯定感がもてるように援助。遺族の悲しみを共有し、遺族の新しい生活に向けて支援するという姿勢を伝える。

7. 死を迎える場所まとめ
希望と現実、特徴の比較
場所特徴・体制留意点
病院・診療所医療処置中心。実際の死亡場所の8割超医療優先で本人の希望が反映されにくい場合あり
施設2006年看取り介護加算新設で体制強化医療処置に限界。看取り体制の整備状況を確認
在宅49.5%が希望。1対1できめ細かい/プライバシー守られる5条件(希望/症状コントロール/継続ケア/介護力/急変対応)
試験に出るところ
本音でまとめる
理解度チェック
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Q1. 施設での看取り体制強化のために2006年度の介護報酬改定で新設されたものはどれ?

正解はB。2006年度の介護報酬等改定で「看取り介護加算」が新設され、指定介護老人福祉施設などにおける重度化や看取りに向けた体制の強化が図られています。

Q2. 在宅ターミナルケアの原則として最も適切でないものはどれ?

正解はD(不適切)。複雑な医療処置を家族に任せるのではなく、安全な方法で症状緩和をおこなうのが原則です。家族の負担を増やすと看取りが続けられなくなります。

Q3. ターミナル期の利用者が食べられなくなったとき、家族への助言として最も適切なのはどれ?

正解はB。嚥下が困難になると誤嚥のリスクがあるため、無理に食べさせず、ガーゼを水に浸して口を拭く、小さな氷を含ませるなどの口腔ケアを伝えます。家族の不安にも寄り添います。

Q4. グリーフケアの説明として最も適切なのはどれ?

正解はC。グリーフ=悲嘆。グリーフケアは身近な人を亡くした人に寄り添い、悲しみから立ち直ることができるよう支援することです。介護職は故人を巡る思い出を共有する立場として、遺族の精神的支えになります。
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