死を迎える場の選択、在宅ターミナルケアの原則、家族支援、グリーフケアを、国試で答えられる形に整理。
「自宅で死にたい」が49.5%、実際は病院が80%超。この差を埋めるのが在宅ターミナルケアの仕事。
死を迎える場所は病院・施設・在宅の3つ。施設では2006年度に「看取り介護加算」が新設され、看取りの体制が整えられてきています。在宅は家族の介護力・症状コントロール・支援体制が条件で、4つの原則(生活尊重・苦痛優先・安心確保・複雑な処置を家族に任せない)に沿って援助。家族には「最善を尽くした」と感じてもらえる支援を、亡くなった後はグリーフケアで遺族の悲嘆に寄り添います。
「自宅で看取りたい」という家族の希望、現場でよく聞きます。でも実際は家族の負担と医療体制の問題で、最期に病院に運ばれることが多いのが現実。だから在宅ターミナルケアでは「家族の介護力を超えない」「複雑な処置は家族に任せない」が原則。家族が燃え尽きたら看取りは続けられません。亡くなった後のグリーフケアも介護職の大事な仕事です。「あの時もっとできた」と後悔させない関わりが、遺族の立ち直りを支えます。
医療的処置中心/実際は8割超がここで亡くなる
2006年に看取り介護加算新設/看取りの要望は増加
自宅で看取られたい49.5%/きめ細かい介護/家族の負担
施設では病院に比べ医療的処置に限界があり、終末期を過ごす環境が整っているとはいいがたい面もありますが、看取りの要望は高まっています。2006年度の介護報酬等改定で「看取り介護加算」が新設され、指定介護老人福祉施設などで重度化や看取りに向けた体制強化が進んでいます。
施設で看取り介護をおこなった場合に評価される加算。これにより施設での看取り体制が強化されてきている。家族の事情で在宅看取りが困難でも、住み慣れた施設で最期を迎えられる選択肢が広がっている。
利用者が住み慣れた自宅でのターミナルケアを望む背景には「最期まで好きなように過ごしたい」「家族との時間を多くしたい」という思いがあります。1対1できめ細かい介護が可能で、プライバシーも守られやすく、わが家にいる安心感がある利点もあります。
利用者・家族の生活を尊重、できるだけ束縛しない
苦痛を与えないことを第一とし、自然な経過を見守る
利用者・家族が常に安心していられるようにする(不安を除去)
複雑な医療処置を家族に任せず、安全な方法で症状緩和
1対1のきめ細かい介護/家族それぞれの希望に合った看取り/プライバシーが守られやすい/わが家にいる安心感。
ターミナル期には身体の多面的な変化が現れます。失禁・出血傾向・感染しやすさ・褥瘡・嚥下困難・多臓器不全・傾眠・呼吸異常などが特徴。臨終期には発熱・意識障害もみられます。
医師・看護師と病状・予後を随時連絡し情報共有。バイタルサイン(体温・脈拍・呼吸・血圧)を観察し、どのような状態のときに医師に連絡すべきかあらかじめ確認しておく。ケアマネジャーによる多職種連絡調整も重要。
ターミナル期では、介護職は家族に「できる限りのことはやった」「最善を尽くした」と感じられるよう支援することが大切。日頃から家族が死をどう捉えているかを観察し、家族の不安に寄り添い共感的態度で接します。
家族が苦しむ姿で葛藤する場面では、利用者の意識が薄れていること、身体が反射的に動いていること、残された時間が少ないことを伝えて気持ちを落ち着かせる。
家族には手足をさする・優しく声をかけるなどしてできるだけそばについているように促す。
食欲がなくなり食べなくなる場合、衰弱を心配する家族に伝える対応:無理に食べさせない/ガーゼを水に浸して口を拭く/小さな氷を口に含ませる。誤嚥予防のため。
家族が「もっとできた」と後悔しないよう、これまでの関わりを肯定し、安心して最期を共有できるよう支える。
日常に必要な介護、利用者・家族への精神的支援、家事援助、死後のグリーフケア。利用者・家族の状態を最もよく知る立場。
身体的苦痛の緩和。原疾患の治療・延命治療は基本的にしない。訪問診療、他職種への情報提供、死亡時の死亡診断書作成。
身体的・精神的苦痛の管理。利用者が亡くなった場合の遺体の処置。
権利擁護、経済的問題、社会的問題、医療に関する問題の調整・援助。
注射薬の調整、薬歴管理、服薬指導、副作用に関する情報提供。
食事全般の指導、情報提供。
利用者・家族の日常生活サポート、支援チーム内の潤滑油、遺族が社会生活に戻るための援助。
「死別に対する身体的・精神的に不安定な情緒的状態」を表す。グリーフケアとは、身近な人を亡くした人に寄り添い、悲しみから立ち直ることができるように支援すること。
故人を巡る共通の思い出をもつ介護職は、遺族と悲しみを共有していることを伝え、遺族が立ち直っていく過程を精神的に支えていくことが大切です。
家族に、利用者の生存中に最善のケアをおこなったという肯定感がもてるように援助。遺族の悲しみを共有し、遺族の新しい生活に向けて支援するという姿勢を伝える。
| 場所 | 特徴・体制 | 留意点 |
|---|---|---|
| 病院・診療所 | 医療処置中心。実際の死亡場所の8割超 | 医療優先で本人の希望が反映されにくい場合あり |
| 施設 | 2006年看取り介護加算新設で体制強化 | 医療処置に限界。看取り体制の整備状況を確認 |
| 在宅 | 49.5%が希望。1対1できめ細かい/プライバシー守られる | 5条件(希望/症状コントロール/継続ケア/介護力/急変対応) |
Q1. 施設での看取り体制強化のために2006年度の介護報酬改定で新設されたものはどれ?
Q2. 在宅ターミナルケアの原則として最も適切でないものはどれ?
Q3. ターミナル期の利用者が食べられなくなったとき、家族への助言として最も適切なのはどれ?
Q4. グリーフケアの説明として最も適切なのはどれ?