緩和ケア、尊厳死、リビングウィル、危篤時の介護、死後の対応、他職種連携を、国試で答えられる形に整理。Lesson 8最終回・全24回完結。
心停止・呼吸停止・瞳孔散大の3つで死亡判定。死後硬直2〜3時間で始まる。最終回の数字をまとめて覚えましょう。
第1章の最終回。死に関わる倫理として緩和ケア(モルヒネなど)・尊厳死・リビングウィルを学びます。尊厳死は1976年に日本尊厳死協会が創設、リビングウィルは「生前発効の遺言」。危篤時には呼吸器・循環器・代謝・消化・排泄・神経の各系統に変化が現れ、死の三徴候(心停止・呼吸停止・瞳孔散大)で死亡判定します。死後硬直は死後2〜3時間で始まり約30時間で弛緩。介護職は最期まで利用者と家族に寄り添い、グリーフケアで遺族を支えます。
24回の最終回、ようやく辿り着きました。死の話は重いですが、介護職こそ最期まで関われる職業です。「死の三徴候」「死後硬直の時間」「死亡診断書交付前は遺体処置しない」は国試の定番。リビングウィルは「事前に書いておく自分の意思」と覚えればOK。遷延性植物状態っていう難しい言葉も出ますが、要するに「3か月以上意識戻らない状態」です。最終回は用語と数字をまとめて覚えていきましょう。お疲れさまでした。
モルヒネと副作用
1976年協会/リビングウィル
身体変化/死の三徴候
診断書/死後硬直/グリーフケア
死には恐怖が伴います。痛み・苦しみが死ぬまで続くという恐怖。これに対し緩和ケアで身体的苦痛を和らげます。末期がんなどではモルヒネなどの麻薬性鎮痛剤が用いられます。副作用を抑える薬剤と併用するのが一般的。
緩和ケア病棟のほか、外来緩和ケアや、在宅医・訪問看護師による在宅での緩和ケアも体制が整いつつある。
終末期には死んだ後、自分がどうなるのかという不安が、死への恐怖の要因のひとつになります。精神的ケアでは、こうした不安・恐怖を和らげ、利用者が死を受容し悔いのない最期を迎えられるよう支援します。
人としての尊厳を保ち続けた状態で死を迎えること。医師の薬物投与で死に至らせる積極的安楽死とは異なる。多くの場合、延命医療を否定または中止し、自然の成り行きに任せて死を迎えるもので、「自然死」「消極的安楽死」とも呼ばれる。
がんの末期などで意思を示せるなら拒否できるが、意識がない状態では拒否できない。そこで患者の意思を示す方法として使われる。遷延性植物状態のような回復が見込めない状態になったときに、人工呼吸器・胃ろう・点滴といった処置を止めてほしいという尊厳死の意思表明。
以下の状態が3か月以上続くこと:
日本では、リビングウィルがある患者に対する医療行為の中止については法的義務はない。しかし、多くの場合、患者の意思を尊重した医療が施される。
終末期の利用者はいつ容態が急変するかわからない。介護職は危篤時の身体的変化を十分に理解しておくことが大切。
老衰:死因となる病気やけががなく、生体の機能が衰えたことにより死を迎えること(自然死)。
心臓・肺・脳の3つの臓器が不可逆的に機能停止・喪失した状態
危篤時の対応は主に医療職が中心ですが、介護職は利用者が望む最期を迎えられるよう以下の点に留意します。
安らかな気持ちで死を迎えられるよう、できる限り苦痛を取り除く。安楽な姿勢にし、呼吸が楽になるよう枕の位置を工夫。
義歯を装着している場合は、窒息予防のために外す。口腔内・口唇の乾燥があれば、水に浸したガーゼで湿らせる。
死を迎える場の室温や明るさに気を配り、家族や親しい人とともに静かに過ごせるようにする。
不用意な発言は慎み、死の間際まで優しく言葉をかけ続け、利用者の不安を取り除く。
親戚や親しい人へは、できるだけ意識がはっきりしているうちに会わせるようにする。
臨終の際は、家族や親族だけで静かに別れの時間がもてるように配慮する。
容態急変などで予測されない死に遭遇した場合は、介護職自身が勝手な判断はせず、直ちに医療職へ連絡。突然の死に立ち会っても冷静な対応ができるよう、ターミナルケアのマニュアルを整備しておくとよい。
遺体への対応は、家族や親しい人との別れの時間の後、死後硬直が始まる前に看護師などがおこないます。介護職は全身を清拭し、美しく整え、生前と同様に敬虔な態度で接します。
医師(歯科医師を含む)から死亡診断書が交付されるまで、一般的には遺体に対する処置はおこなわない。これは法的・医学的な確認のため。介護職は敬虔な態度で家族の別れを支える。
死後、筋肉が収縮して硬くなること。死後2〜3時間で硬直が始まり、死後約30時間まで続き、その後、弛緩する。
「2〜3時間で開始・約30時間で弛緩」。これは国試の定番数字。遺体の処置は硬直が始まる前に行う必要があるため、家族の別れの時間と合わせて、適切なタイミングで看護師等が実施する。
終末期では利用者だけでなく、その家族も身近な人を失うことへの不安・悲しみ・憤りを感じています。介護職は家族の精神的負担と身体的負担(介護量増加)を軽減し、双方が悔いなく死を迎えられるよう援助します。
利用者の死後、遺族の悲しみは続きます。故人を偲び悲嘆することは自然ですが、深い喪失感で鬱病などを引き起こすこともあります。介護職は故人を巡る共通の思い出を持つ立場として、遺族の立ち直りを精神的に支えます。
家族に、利用者の生存中に最善のケアをおこなったという肯定感がもてるように援助する。遺族の悲しみを共有し、新しい生活に向けて支援する姿勢を伝えることが大切。
終末期では医療職が中心ですが、さまざまな専門職とチームを組んで利用者の希望に沿った最期を支援。公的サービスだけでなく、近隣・地域のボランティアなどの私的なサービスも大きな支えになります。
| 役割 | 担当する専門職等 |
|---|---|
| 介護・家事援助 | 介護福祉士、ボランティア など |
| 痛みの緩和 | 医師、看護師、薬剤師 など |
| 居住環境の整備 | 福祉住環境コーディネーター など |
| 介護保険制度との連絡調整 | 介護支援専門員(ケアマネジャー) |
終末期の援助は細かな気配り・注意が必要で、専門職側もストレスを感じる。ささいなことでもチーム内で相談し合える体制が大切。一人で抱え込まない。
Q1. 死の三徴候の組み合わせとして正しいのはどれ?
Q2. 死後硬直に関する説明として最も適切なのはどれ?
Q3. リビングウィルの説明として最も適切なのはどれ?
Q4. 利用者が亡くなった直後の介護職の対応として最も適切なのはどれ?
第15回〜第38回、4ヶ月の学習お疲れさまでした。
環境整備・移動移乗・食事・整容・入浴・排泄・睡眠・ターミナルケアまで、
介護福祉士国試の中核となる「生活支援技術」を全範囲カバーしました。
本音モードを切り替えながら、知識の定着を確認してくださいね。