Sales Decomposition
「売上が伸びない」——
その一言を、6つの数字に分けると「直す場所」が見える。
売上は「1つの数字」ではなく
いくつかの数字の"掛け算"
分けて見れば、どこが細いか・どこを太くすれば効くかが分かる
「売上を上げよう」と言われても、何をすればいいか分からない。それは、売上が大きすぎる数字だからです。売上は、お客さんが商品にたどり着くまでの"関門"を1つずつ通った結果。だから、関門ごとの通過率の掛け算に分解できます。
知られていない → 認知率が細い
売り場に無い → 配荷率が細い
見ても買わない → 購入率が細い
足し算で考えると、努力が消える
分解しない人の考え方
「売上が落ちた→もっと宣伝しよう」「売れない→値下げしよう」。思いついた1か所だけを触る。でもそこが細い関門とは限らない。チラシを倍にしても、売り場に商品が無ければ売上は変わらない。
分解する人の考え方
6つの数字を並べて、一番細いところと一番動かしやすいところを探す。掛け算だから、細い関門を少し太くするだけで全体が大きく動く。
関門が6つあって、どれか1つがゼロなら売上はゼロ。逆に、どれか1つを1.2倍にすれば売上も1.2倍。「全部を少しずつ」より「一番細い1つを集中して」のほうが、同じ労力で大きく動きます。
公になっている事例から
経営難だった関西のテーマパークが、ハロウィンの夜のホラーイベント、後ろ向きに走るジェットコースター、そして大型の映画エリアで来場者数を回復させた話は広く報じられています。分解の目で見ると、「行きたい」と思う人を増やし(購入率)、年に何度も来る理由を作り(頻度)、最後に遠方からも来る巨大な認知を獲得した——関門ごとに打ち手が違います。
中身も広告も変えていないのに、取扱店が増えた途端に売上が跳ねる——日用品や飲料でよくある話。配荷率が細かった商品は、知ってもらう前に「買える場所」を増やすのが先です。
作品は良いのに売れない個人クリエイターの多くは、認知率が1%未満のまま購入率を上げようとして消耗しています。逆に、認知はあるのに買える場所(配信・販売ページ)が分かりにくい人も。自分がどの関門で止まっているかは、数字を並べれば一目で分かります。

分解の良いところは、「頑張りが足りない」という根性論から抜け出せること。足りないのは根性ではなく、たいてい"どこか1つの数字"なの。
6つの数字を動かして、一番効く関門を探す
架空の小さな商売を3つ用意しました。好きなものを選んで、スライダーを動かしてみてください。下に「それぞれの数字を現実的な一歩だけ上げると、売上がいくら増えるか」が出ます。
頻度を太くする
「曜日限定パン」で"また来る理由"を作る
配荷率を太くする
「どこで買えるか」を全投稿の末尾に固定
認知率を太くする
「開催を知らなかった」が最大の敵。面会時に手渡し
購入率を太くする
知っているのに来ない→「誰向けか」が伝わっていない
単価を太くする
値下げの前に、セット・ギフト包装で単価を上げる
数字を"測る"
フォロワー=認知、プロフ訪問=配荷、購入=購入率
正確な数字が無くてもいい。「6つのうち、どれが一番細そうか」を順位づけするだけで、次にやることが1つに絞れます。紙に6つ書いて、◎○△をつける——それだけで立派な分解です。
❌ 「とにかく認知を上げれば売れる」
認知は入口にすぎない。知った人が「買える」「買いたい」まで進まなければ、広告費は消えるだけ。
❌ 「売れないなら値下げ」
単価は6つの数字の1つにすぎず、しかも下げると売上を直接減らす唯一の関門。他の5つが細いときに値下げしても、安く売れないだけ。
❌ 「全部を少しずつ良くする」
労力が分散し、どれも変わらない。掛け算は「一番細い1つ」に集中したときに最も大きく動く。

売上を分解する目的は、数字を眺めることではなくて、「次にやる1つ」を決めること。6つ書いて、一番細いところに印をつける。今日の仕事は、それだけでいいのよ。
——シミュレーターで、あなたの商売はどの関門が一番効いたかしら? ふふ。
✦ SUMMARY ✦
売上は、掛け算。
一番細い1つを見つけて、
そこだけを太くする。
「配荷率(はいかりつ)」は聞き慣れない言葉ね。お客さんが買おうと思ったとき、手の届く場所に商品があるか——お店なら棚、ネットなら検索結果や配信サービス。知っていても買えなければ、売上はゼロ。この関門を忘れる人がとても多いの。