Who / What / How
誰に、何を、どう届けるか——
マーケティングの計画は、この3行に収まる。
WHO=誰に WHAT=何を HOW=どう届けるか
この順番で決めると、マーケティングの計画は3行で書ける
「良い商品を作った、さあ売ろう」——その前に、3つの問いがあります。誰に売るのか。その人にとっての何(価値)なのか。それをどう届けるのか。多くの失敗は、WHOが「みんな」になっているか、WHATが「商品の説明」になっているかのどちらかです。
戦略ターゲットとコアターゲット
資源を注ぐ範囲の外枠。「買ってくれたら嬉しい人」全員ではなく、ここより外には力を使わないと決めた線。例:「地域の子育て世帯」。
広い輪の中で、最も反応しやすく、最も頻繁に買ってくれる一群。例:「平日の午前に時間がある、未就学児の親」。施策はまずここに向けて作る。コアに刺さるものは、輪の外側にもにじむ。
コアの人が口には出さないが、言われると「そう、それ」と思う気持ち。「子どもと出かけたいが、周りの目が気になる」。アンケートの答えではなく、行動の裏側にあるもの。
全員に向けた言葉は、誰の心にも刺さらない。一人に深く刺さる言葉は、似た人たちに広がる。絞るのは客を減らすためではなく、"届く"ためです。
ベネフィット=相手にとっての価値
「国産小麦・無添加・長時間発酵」
「子どもに安心して毎朝出せるパン」
「全6回・添削つき・録画視聴可」
「夜勤明けでも自分のペースで、記録が速くなる」
同じパンでも、コアが「子育て世帯」なら「安心」、「一人暮らしの会社員」なら「朝の5分を豊かに」がWHAT。商品は1つでも、価値は相手の数だけある。だからWHOを先に決めるのです。

見分け方は簡単。その言葉の主語が「商品」なら機能、主語が「お客さん」ならベネフィット。「このパンは無添加です」は機能。「あなたは毎朝、迷わず出せます」はベネフィット。
商品・価格・場所・伝え方(4P)
WHATを形にする
「安心」なら原材料の表示を大きく、袋を開けやすく
WHOが払える・納得する額
安ければ良いのではなく、価値に見合う額
WHOが買える場所に置く
子育て世帯なら、午前の時間帯と保育園の近く
WHOが見ている場所で、WHATの言葉で
園の掲示板・地域のSNS・口コミ
🎢 公になっている事例から
関西のテーマパークの再建では、「映画好き」から「家族連れ・若者を含む幅広い層」へWHOを広げ直し、その中の子ども連れには子ども向けエリア、若者にはハロウィンの夜のイベントと、WHOごとにWHATとHOWを作り分けたと報じられています。1つの施設で、相手ごとに3行が違う——これがWHO・WHAT・HOWの実践です。
自分の商売・活動・仕事で書いてみる
あなたの商品・活動・職場の企画を1つ思い浮かべて、3行を埋めてください。書いた内容はどこにも送信・保存されません(ページを閉じると消えます)。迷ったら例文ボタンを押してみてください。
❌ 「WHOを絞ると、他の人を失う」
絞るのは"向ける先"であって、"売る相手"ではない。コアに刺さる言葉は、周りにもにじむ。
❌ 「WHATは商品の強み」
強み(機能)は売り手の言葉。WHATは買い手にとっての価値。
❌ 「HOWから考えたほうが早い」
早いが、空回りする。SNS・チラシ・値下げは全部HOW。WHOとWHATが無いHOWは、誰にも届かない。

3行が書けると、不思議なくらい迷いが減るわ。「それは、あの人のためになる?」——WHOが決まっていれば、すべての判断がこの一問に変わるから。
——ワークシート、WHOの欄に「みんな」と書かなかったかしら? ふふ。
✦ SUMMARY ✦
誰に、何を、どう届けるか。
「みんな」は誰でもない。
一人に刺さる言葉が、広がる。
順番が大事よ。HOW(どう売るか)から考える人が一番多いけれど、WHOが決まらないとWHATが決まらず、WHATが決まらないとHOWは決められない。「目的→戦略→戦術」の順番と同じ構造なの。